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『アルジャーノンに花束を』原作小説あらすじと感想【知能が上がり見えてきた人間の本当の姿とは?】

『アルジャーノンに花束を』あらすじと感想【知能が上がり見えてきた人間の本当の姿とは?】

2002年にユースケ・サンタマリアさん、菅野美穂さん、2015年に山下智久さん、栗山千明さん出演でドラマ化された『アルジャーノンに花束を』。

知的障がいを持つチャーリイと、知能が向上する手術を受けたネズミのアルジャーノンを軸に物語は進んでいきます。

本書は、チャーリイの書いた「経過報告」という形で進みます。

注目なのは最初の経過報告がひらがなばかり、誤字脱字が多い、句読点もない読みにくいものだったのが、物語が進むにつれて綺麗でまとまりのある読みやすい文章になっていくところです。

手術により、知能が向上したチャーリイが感じた人間の本当の姿とは?

そしてアルジャーノンがたどる結末は?

世界は自分が思っていたほど綺麗ではなかったことに気づいたチャーリイの感情の振り幅、悩み、悲しみ、喜びなどをお楽しみください。

こんな人におすすめ!

  • 人間の本当の姿、見え隠れする本性を感じ取りたい方
  • 喜び、悲しみ、怒りなどの感情、痛みを体感したい方
  • 純粋でいたいという理想と現実のギャップに思い悩む方

あらすじ・内容紹介

ドナー・ベイカリーに勤める32歳のチャーリイ・ゴードン。

知的障がいを持つ彼は賢くなりたいと強く願い、文字の読み書きを一生懸命勉強する健気で純粋な性格の持ち主。

そんなチャーリイの元に「知能を向上させる手術を受けてみないか」という話が舞い込んできます。

「頭がよくなりたい」そう強く願うチャーリイは手術を受けることを承諾。

たくさんのテストを受けて手術を受ける日を心待ちにするチャーリイ。

テストの結果や、テストを監督している人の表情や仕草に一喜一憂するチャーリイ。

純粋であるが故に繊細で傷つきやすい、そんな彼が手術によって知能が向上した結果、一体どんな人間になるのか?

急速に知能が上がることにより精神のバランスが取れず思い悩むチャーリイに手を差し伸べる先生、アリス・キニアンにも注目。

『アルジャーノンに花束を』の感想・特徴(ネタバレなし)

人間の醜さも見えないほどのチャーリイの純粋さ

何と言っても感動できるのはチャーリイの純粋さだと思います。

パン屋で働いている人はみんな友達で、面白くて笑っていて、みんながチャーリイのことを好きだと思っているその純粋さは胸を打たれます。

しかし、チャーリイの知能が上がることで、思っていた世界と違ったその現実に彼は悩み苦しみ、怒りを感じるようになります。

手術を受ける前のチャーリイなら、何も疑わずみんなと一緒に笑っていたのに、ある日を境に自分が馬鹿にされ笑われていたことに気づくチャーリイ。

そのときの彼の気持ちを考えると、すごく悲しく、純粋であるために起きてしまった出来事なのだと、ただただ心が痛みます。

 

では、そのチャーリイの純粋さをもう少し掘り下げてみます。

それはチャーリイがドナー・ベイカリーのパン屋で一緒に働いている人にパーティに誘われた日のこと。

彼はぼくを彼女に押しつけた。それで彼女はぼくと踊ってくれた。

ぼくは三回ころんだがエレンとぼくの他にだれも踊っている人がいないのにどうしてころんだのかわからなかった。

だれかの足がいつも突きだされるのでぼくはころんでばかりいた。

みんな輪になってぼくたちのステップの踏み方を見ては笑った。

ぼくがころぶたびにどっと笑った、ぼくもとてもおかしかったので笑った。

だが最後に転んだとき、ぼくは笑わなかった。

ぼくが起きあがるとジョウがまた押したおした。

 

みんながわざとチャーリイを転ばせていたことがわからずに一緒になって笑っていたチャーリイも、その事実を知ったことによるショックでしばらくパン屋を休んでしまいました。

 

ジェイ・ストラウス博士(脳外科医)とハロルド・ニーマー教授(心理学部長)もチャーリイのことを思って手術を提案したりしてくれていると思い、チャーリイの中で彼らは神、英雄も同然の存在でした。

でも実際は、チャーリイが受けた手術を学会に発表し、自分たちの名声を手に入れるためにしていたことだと知り、チャーリイはさらにショックを受けます。

「人間がいかに身勝手な存在か」という事実が知能の向上により見えてしまったのは皮肉としか言えません。

それでも、もがき苦しみながら前を向いて進んでいくチャーリイの姿勢は見習いたいですね。

チャーリイの唯一の救いを気にかけてくれるキニアン先生の感情の変化とは?

キニアン先生は、チャーリイに読み書きを教え、その成長に心の底から喜んでくれている女性です。

手術を受けて頭が良くなったことを嬉しく思ってくれています。

でもキニアン先生はチャーリイに1つ忠告をします。

あなたは立派なひとでいまにみんなの鼻をあかすでしょうと彼女はいった。

なぜですかとぼくはきいた。

気にしなくてもいいけどみんながあなたの考えているようないい人じゃないことが

わかってもがっかりしちゃだめよと彼女はいった。

このことからキニアン先生は、チャーリイの周囲の人間がチャーリイを笑い者にしていたり、現実を知ってショックを受けることもある程度はわかっていたのかなと思います。

みんな友達だと思っていたのに、実際はチャーリイの周りからは人がどんどんいなくなり孤独になったチャーリイの唯一の救いになるのがキニアン先生でした。

それでもチャーリイの知能がどんどん上がり、キニアン先生すらも追いつけないほどになると、チャーリイに対して怒りを向けてしまいます。

人間は、自分よりも下に見ていた人間が急速に成長し見下されることに劣等感を持ち、怒りを感じてしまうのかもしれませんね。

知能が上がることによって周りの人間を見下すようになるのはいいこととは言えませんが、チャーリイには自然とそうすることしかできなかったんだと思うと、この展開はすごく悲しいものに思えます。

知能が上がったとしても情緒面がついてこなければアンバランスになってしまうことの良い例かもしれません。

知能が上がることで見えてしまった世界

「知らない」ということはある意味幸せなことなのかもしれません。

みんなが楽しんで笑ってくれていたと思っていた仲間が実は自分を見て笑っていた、という現実はショックなものでしたが、知ってよかったとも言えます。

傷つくし、悲しいことだけどその辛さも彼の成長に繋がったのではないでしょうか。

その経験ができたチャーリイはきっと幸せだったと思います。

「楽しいことばっかりじゃない、辛いこともある」そんな現実の世界の中で喜びを見出すことこそが人生なのかもしれません

 

今現在たくさんの悩み、苦しみを抱えている方にぜひ手にとってほしいです。

「今」はただ苦しいだけかもしれない、出口が見えないこともあると思いますが、チャーリイの経験したこと、信じている世界を通じて苦しみから抜け出すヒントになればと思います。

手術を受ける前のチャーリイは、怒りという感情を全く持たない、本当に真っ白で綺麗な人間だったのが、手術後に周囲の人間の態度、知らなかった世界を見ることで初めて外の世界に向けた怒りが奔流のように流れ出し、止められなかったのだと思います。

まるで感情のコントロールが難しい思春期の子供のように。

世の中にあふれる「理不尽」に初めて対面したチャーリイの感情の行き場をぜひ感じ取っていただければと思います。

まとめ

チャーリイとアルジャーノンがたどる結末はどうなるのか?

人間の感情、理性、そのバランスが取れないと人間はどうなるのか?

手術を通じてたくさんの経験をして成長するチャーリイの姿を見て、悲しくも心が温まる物語に触れてほしいと思います。

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