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『イニシエーション・ラブ』原作小説あらすじと感想【80年代のちょっと大人なラブロマンス×ミステリー!?】

『イニシエーション・ラブ』原作小説あらすじと感想【80年代のちょっと大人なラブロマンス×ミステリー!?】

今から30年以上前の1980年代後半、バブル全盛期の静岡。

スマホはもちろん、携帯電話も無ければ、パソコンをまともに使える人も少ない時代。

SNSやマッチングアプリでの出会いや恋人探しが普通となってきた現代とは違い、平成生まれの我々には想像がつかない、逆に新鮮な一昔前のラブロマンス×ミステリーを紹介する。

※作品の最後で予想外の展開になるが、それを書いてしまうとネタバレになってしまうので、今回はラストを知る前に感じた内容ベースで伝える。

こんな人におすすめ!

  • 遠距離恋愛中の人
  • 自分に自信がない人
  • 過去の恋愛をいつまでも引きずっている人

あらすじ・内容紹介

太っていてファッションにも無頓着、女子ウケやモテからは程遠い理系男子・鈴木夕樹(すずき ゆうき)。

大学4年生の夏、ピンチヒッターとして参加した人生で初めての合コンで歯科衛生士の成岡繭子(なりおか まゆこ)と出会い、彼は恋に目覚める。

彼女に振り向いてもらうために、めがねからコンタクトに変え、今どきのファッションを猛勉強し、車の免許まで取得。

2人の距離は縮まり、マユちゃん・たっくんと呼び合い、頻繁に会う仲へと発展していく。(Side-A)

順調に交際していた2人だが、仕事の都合で東京―静岡の遠距離恋愛となり、新しい環境での生活がスタート。

都会での生活に思うように馴染めず、日々のストレスを感じ、仕事の疲れが溜まる中、毎週末は繭子に会うために静岡へ帰省する鈴木。

だが、そんな生活も長くは続かない。

少しずつ距離が広がり、関係崩壊が近づいていく。(Side-B)

『イニシエーション・ラブ』の感想・特徴(ネタバレなし)

「好きな人を喜ばせたい」本質は今も昔も同じ

恋の力はスゴイ。

率直にそう思った。

好きな人のためにどこまで尽くせるか?

恋愛経験に乏しく、流行にも疎かった鈴木が、繭子に好かれるために自分を磨き、彼女の気を引くために免許を取り、車まで購入してしまった。

1人の人間を短期間でがらりと変えてしまう恋のパワーは凄まじく、誰にも止められない。

成岡さんは僕のそばに戻って来て、とても満足そうな表情を浮かべた。その笑顔が見られただけで、コンタクトの代金の元は取れたと僕は思った。

若者の車離れが進み、カーシェアが主流の現代とは価値観やモテる基準が少し違うが、「好きな人の笑顔がみたい」、「大切な人を喜ばせたい」その一心でわがままに応えようとする本質は今も昔も変わらないのだろう。

初心な男・鈴木が豹変?!

Side-Aでは、自分から電話番号を教えるなど鈴木に対して好意を抱いていることを積極的にアプローチをする繭子に対し、せっかく教えてもらった番号に電話を掛けるだけで1週間費やしてしまう鈴木の初心さや奥手ぶりが窺える

いつもそこ止まりなのだ。僕の場合は。学校の名簿を見て、好きな同級生の家の電話番号を調べる。そこまではする。たとえば、高校のときに好きだった菊池さんの家の番号なら、卒業から三年半たった今でも正確に諳んじられる。

でも結局、自分から電話をしたことは、いまだかつてなかった。

鈴木の事を奥手男子だと言ったが、当時は今と違って、携帯電話は元よりLINEの様に手軽に話せるメッセージアプリも存在しない。

電話といえば、固定電話で、一家に1台しかないのだ。

家族の誰が出るかも分からないのに、電話を掛けるのは確かに誰だって緊張する。

自分が当時の鈴木だったら、繭子にすぐ電話を掛けられていただろうか。

いや、小心者の自分にはきっと無理だ。

頑張って番号をダイヤルできたとしても、呼び出し中の空白の時間が異様に長く感じ、ハラハラドキドキで心臓が破裂しそうだ。

当時から見れば、今はずいぶんと気楽に連絡できる手段がたくさんあるし、これほど緊張感を感じることもないし、好きな子に連絡するハードルは低くなった。

本当は、今どき男子よりも鈴木の方が積極的なのかもしれない。

穏やかな性格だった鈴木が、Side-Bではキレキャラに豹変していたのは衝撃的だった。

繭子との交際が始まってからある程度時間が経ち、お互いに慣れ、漸く本性を見せ始めたのだろうか。

ついこの間までのたどたどしさ、穏やかで純情な彼はどこへ消えてしまったのだろうか、と感じるほどの変わり様だ。

平日はフルタイムで働き、当然残業もする。

週末も朝から下道で渋滞に巻き込まれながら片道5時間かけて繭子の元へ会いに帰る鈴木。

往復10時間のドライブで運転手は自分1人だけ。

繭子は決して東京へ行こうとしない。

バブルで金銭的にも比較的豊かな時代だったのだろうが、新入社員で稼ぎも少なく、東京での駐車場代や往復の交通費などの負担も大きい。

不満が貯まり、苛立つのも無理はないが、たまには繭子を東京に誘ったりすれば良いのに。

キレる以外の解決策もきっとあったはずだ。

心とお金の余裕がなくなり、鈴木の男としての器もどんどん小さくなっていくのが分かる。

化粧水だか何だか細々とした瓶類が床に落ち、派手な音を立てた。抽斗が半分ほど飛び出している。

「乱暴はしないで!殴らないで。……お願い」

彼女は身体を丸めて泣いていた。

恋人同士で喧嘩をすることは普通の事だが、些細な事でイラついて物に当たり、怒鳴り散らす鈴木は怖く、話し合いをして仲直りできる雰囲気でもない。

DV気質の怖さを感じる。

出会った当初は、繭子の方が鈴木をその気にさせたり、リードしている様な関係に見えたが、怒る鈴木に逆らえず、怯えている。

こんな状態では一緒にいても幸せになれないだろう。

早く別れるのが良さそうだ。

“絶対”はない

本作のタイトルにある「イニシエーション」を直訳すると、通過儀礼という意味になる。

聞き馴染みのない言葉で、最初はピンと来なかったが、出生・結婚・死亡など、人生で経験する大きな節目や行事のことで、次のステップに進むための過程と言い換えることもできる。

はじめて恋人ができて、その人と結婚するかもしれないなんて淡い期待を抱いたりもするが、いつか終わりのときがくる。

そして時が経ち、また別の素敵な人と出会い、恋に落ちる。

結婚したとしても、離婚するかもしれないし、そこがゴールではない。

そう。子供から大人になるための儀式。私たちの恋愛経験なんてそんなもんだよって、彼は別れ際に私にそう言ったの。

恋人との楽しい思い出・辛い出来事も含め、様々な恋愛経験を重ねることで自分自身も成長し、魅力的な人間になっていくということなのだろう。

過去の恋愛をただの「懐かしい思い出」と考えるより、イニシエーションと捉えた方が、それが例え円満な別れ方では無かったとしても、ポジティブで、その人と出会えて・付き合って良かったと思えるし、過去の恋をいつまでも引きずる必要もなく、次の恋へと進めるのではないか。

天童さんが美弥子に言った言葉が印象に残り、腑に落ちた。

「お前にとって俺はイニシエーションだったんだ」

受け取り方によっては、ドライな言葉でバッサリと切り捨てられた様にも感じるが、天童さんはきっと、「それだけ本気で美弥子のことが好きだった。付き合えたことで、自分が成長できた。ありがとう。自分とは縁がなかったけど、これから先、他の素敵な人と出会って幸せになってくれ。」という意味で口にしたのではないだろうか。

まとめ

ラストを読むと、無意識のうちに何かが起きていたことを知るが、手口があまりにも巧妙で、すぐには理解できない。

「いつ」、「どこで」、「何が」起きていたのか確かめるためにもう1度読み返したくなる小説だった。

バブルを知らない平成生まれには感覚の違いなどがあるが、それでも楽しめる。小説を読んだ後、映画を観ると、よりバブルの時代背景が掴め、物語を楽しめるだろう。

最初は小説を読み、映画で真相を確かめるというのもおススメだ。

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