本書はスパルタダイエットメディア「痩せない豚は幻想を捨てろ」を運営するダイエット界のカリスマ、テキーラ村上氏による待望のダイエット本だ。
「明日から頑張るデブ」のみなさんを焼却するために、テキーラ氏の情熱と涙と罵倒と罵倒罵倒と罵倒と愛の鞭が詰め込まれた良書である。
ちなみに本記事を執筆するにあたり作中における「デブ」というワードの回数を数えようとしたが、あまりに多すぎて泣く泣く断念したことを報告しておく。
心臓に脂肪……いや、毛をもっさりと生やした上で心して読んでほしい。
あらすじ・内容紹介
本書の構成は主に第1章「メンタル編」、第2章「食事編」、第3章「運動編」、第4章「まとめ」である。
後ほど各章のポイントを見ていくが、何よりもまず本書は書店で実際に手に取り見ていただくことをお勧めしたい。
その後、購入して家でじっくり熟読してほしい。
立ち読みしようにも、文章が面白くいちいち笑いのツボにハマってしまってなかなか読み進められないのだ。
いや、割とマジである。
『痩せない豚は幻想を捨てろ』の感想・特徴(ネタバレなし)
筋トレ以外にも応用可能なメンタル指導
“本当の自信とは「自分が理想のためにどれだけの努力、または行動をしたか、その量」である(中略)自信とは、何もないところから勝手に生まれることはない”
第1章はダイエットの基本である「メンタル指導」から入る。
何事もこれが基本だと言わんばかりの正論パレードで、目から鱗が落ちるような特別なことは書かれていない。
情報は自分で汗をかいて得なければ、生きない。情報を生かすも殺すもお前次第である
本当に目標を達成する人間は己の体験を信じまっすぐ進む。この体験は試行錯誤の中でしか生まれない
自信の有無はそのアンサーである。そこに他人の評価は関係ない
等々。
これが地味に刺さる。
刺さりすぎてむしろ痛い。
にも関わらず、我々現代人が忘れかけていた熱き魂が本書にはある。
下手なビジネス本を読むよりも本書を読んでみてほしい。
確実に謎のやる気が湧いてくることを約束しよう。
カロリー計算~ダイエットは頭脳戦~
お前が食いすぎなければ、だいたいの問題が解決される
第2章は「食」についてだ。
ざっくりポイントを説明すると、食事制限とは
- 消費カロリーの計算方法
- 食材選別(ここ超重要)
- プロテインの種類
- 尿のスプラッシュマウンテン
である。
実際に読んでいただきたいのでここで核心に触れるのは避けるが(特に④が気になる方は多いと思う)、要は「自分の総摂取カロリーを把握した上で、適切な食事制限を行え」ということだ。
至極当然である。
だが、すべてを自力で調べるのは時間がかかるし、手間がかかる。
そこで、第2章を熟読した上で、「味や期待する効果に合わせて自分の好みの食材や、たんぱく質を補完するためのプロテインを組み合わせよ」というのが本章の主張だ。
驚くことに、人間の脂肪は1キロ落とすのに7200キロカロリー消費する必要があるらしい。
つまり1ヶ月後までに2キロ落としたければ、逆算して1日あたり480キロカロリー消費すればいい。
実に合理的だ。
すばらしい。
筆者もさっそく本日摂取した総カロリーを計算してみた。
……な、なんだ、と?
テキーラ氏は次のように言っている。
デブの99%がシンプルに太りやすいものを食べすぎている。
はい、大変申し訳ございませんでした。
筋トレ実践~今こそ動けデブたちよ~
脂肪が落ちていないのにひたすら腹筋を鍛えるのは、濁った泥水の中で必死に宝石を磨いているのと同じだ。バカらしいだろ。そんな奴がいたら止めるよな?しかしお前はそれを、やっている
第3章は「運動」についてである。
ここで言及されるのはあくまで「運動する際の注意事項」的な意味合いであり、実際のトレーニング方法は書かれていない(具体的なメニューやフォームが知りたければ同氏のブログを見る必要がある)。
3章をざっとまとめると以下の通りである。
①モチベーションの根源を思い出せ
②体脂肪別減量方法
③有酸素運動 or 無酸素運動
④筋トレは部位別に
⑤筋トレ前にはこれを飲め
などなど。
これらの内容は実際に自分でトレーニングメニューを組み立てる際の手助けとなるはずだ。ジムに行く時間がなくても手の間隔や足の位置を変える等の工夫次第で様々な負荷を楽しめる。
全身をまとめてトレーニングするのではなく分割してやると、体は圧倒的に変わる。
つまり、夏休みの最終日に宿題をまとめてやってはいけないということですね。
何事もコツコツが大事☆
まとめ
いかがだっただろうか。
これまで冒頭で述べた各章のポイントを1章から3章まで順番に説明してきた。
4章の内容についてはこの記事では紹介しないが、本書のまとめと、体型別のオススメ減量法について書かれている。
特にテキーラ氏がダイエッター及び筋トレマニアとしての一歩を踏み出すきっかけとなったエピソードは大変興味深く読んだ。
この記事を読んで少しでも興味を持ってくれた方はぜひ本書を手に取ってみてほしい。
この本の執筆に7か月を費やした同氏の情熱が、このたった数千文字の記事ですべて伝わるわけがないのだから。
最後に本書をこれから手に取るであろう皆さんに、テキーラ氏の激励メッセージを添えてこの記事を締めたい。
ダイエットに限らないが、人生はなんでも自分に負けそうな時ほどチャンスだ、これは間違いない。そして「もうだめだ」と思う多くの場合は、自分が決めた限界である。勝手に限界を決めるな。変えるのは自分の体だけである。他人を変えるのは一番難しい、でも他人の体じゃない
痩せない豚はただの豚なのだよ、諸君。
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