本屋さんを愛するすべての人たちへ、理子と亜紀、最強の2人の書店員再び!
第一回から引き続き、『書店ガール』と言う本の魅力を今回もじっくりと私なりに紹介させていただきたいと思います。
理子と亜紀は第二巻にて、どのような活躍を見せてくれるのでしょう。
第ー巻をまだお読みではない方は、こちらを先にご覧ください!!
『書店ガール』あらすじと感想【書店員達の戦い!珠玉のお仕事エンタテインメント!】目次
あらすじ・内容紹介
舞台は変わって、吉祥寺の大型書店へ――
ペガサス書店から新興堂書店へと転勤を果たした二人の書店員理子と亜紀。
第一巻ではぶつかりながらも最強のタッグを見せてくれたこの二人だが、新天地でそれぞれに不安を抱えていた。
大型書店の店長に抜擢され、大規模な職場で、前の書店の時とはまた違った種類の責任感を抱える理子。
そして、念願の文芸部門を担当させてもらえることになった最中、なんと妊娠が発覚して嬉しい反面戸惑う亜紀。
二人は第二巻ではどのように戦いを繰り広げていくのでしょう。
書店ガール2 最強のふたりの感想(ネタバレ)
夫の伸光がピンチ!伸光の担当する雑誌の回収騒動、そして夫婦の確執
妊娠が発覚した亜紀は戸惑っていた。
「せっかく仕事が面白くなってきたのに。」「せめてあと二、三年遅ければ…。」
嬉しい反面そんな感情を隠せない亜紀は、書店員の仕事を休む事に抵抗し、無茶をして夫の伸光や理子など周りの人間に心配ばかりかけてしまう。
自由奔放な彼女はまだ母親になる覚悟ができていなかった。
そんな亜紀に苛つきを隠せない伸光と亜紀は衝突を繰り返してしまう。
そんな中、伸光の担当する漫画雑誌「コミック・ドム」の作家がデリケートかつ過激なテーマを描いてしまい、雑誌は回収騒動となる。
落ち込む夫と亜紀は、この困難をどう乗り越えていくのか――第二巻の見所の一つです。
本屋業界の未来は?そして副店長・田代と理子の間に芽生える仄かな愛
近年、ネット書店や電子書籍によって、本屋業界は危機にさらされている――理子の視点から語られるのはリアルな書店業界の危機だった。
売れないものは残らないし、売れすぎても残らない。ミリオンセラーになるより、ロングセラーになる方がはるかに難しい。
切実な現実である。
しかしそんな中こんな主張のある一文も。
本という形態は千年以上の歴史を持つし、活版印刷になってからも、それこそグーテンベルク以来ですから、五百年以上経っている。それだけ保ったということは、本という形態が優れている証拠なんです。安価で持ち運びに便利で耐久性にも優れている。ものとして完成形なんです
これには紙の本を愛している私自身としても大きく頷くしかありませんでした。
紙が少し劣化しても、その古い紙も、すえたインクの匂いさえも愛おしい。
そういう意味でも本というものは優れた媒体だと思います。
しかし、これは本が好きな私達独自の感覚であることも否めません。
今はなんでもデジタル化している時代ですし、みんなが新しいその媒体に注目しているのは事実です。
理子はそんな中『五十年後も残したい本』のフェアを考える――
ここから物語は前回同様“書店員の戦い”へとシフトしていきます。
しかし理子の不安はそれだけではありません。
副店長であり出来る部下の田代に淡い恋心を抱いてしまうのです。
しかし田代は妻子持ち。
田代の自分への好意に気付きながらも、理性と感情がぶつかり合いどうすればいいかわからず戸惑う理子ーー
こんな二人の関係性も注目ポイントです。
まとめ
ところで「書店ガール」の魅力は本の内容だけにとどまりません。
なんと著者の碧野圭さんは100店舗以上の書店を取材しているそうです。
この圧倒的な取材量から、書店ガールと言う作品は生み出されたのだと感激しました。
書店のリアルな実情、本屋業界の危機…
これらの物語は徹底的な取材と碧野さんの書店愛により編み出されたものなのだな、と思いました。
主題歌:DREAMS COME TRUE/もしも雪なら
今回紹介したいのは、理子の切ない恋心をあらわしたようなこの一曲。
DREAMS COME TRUE「もしも雪なら」
大人の方が恋は ずっとせつない
はじめからかなわないことの方が多い
誰にも言えない すきな気持ちは何も変わりないのに
第2巻を読み終えた後にこの曲を聴くと、時期的にも、そして歌詞の内容としてもじんわりと泣ける、そんな曲です。
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