生まれてこのかた、1度も面接時に“圧迫”されたことのない人へ。
世の中には“圧迫面接”なる恐ろしい面接が存在し、志望者の精神を削りまくっています。
たとえば大人気コミック『鬼滅の刃』(集英社)にも、圧迫面接の影が…?
そもそも圧迫面接とは面接官が威圧的な態度をとったり、わざと意地悪な質問をしたりする面接手法のこと。
そして鬼舞辻????無惨(きぶつじ むざん)の圧迫面接といえば、下弦の鬼を招集しておこなわれた“粛清大会”です。
別名パワハラ会議とも呼ばれていますが、その様子はもはやパワハラなんて言葉では生易しいかも…。
発言を否定しただけで…
たとえば上司から「お前はやる気がないのか?」と言われたら、誰だって否定したくなるところ。
残念ながら無惨の圧迫面接では、彼を否定するような言動は全てご法度です。
少しでも否定しようものなら即処刑!
無惨「お前はいつも鬼狩りの柱と遭遇した場合 逃亡しようと思っているな」
鬼「いいえ、思っていません!! 私は貴方様のために命をかけて戦います」
無惨「お前は私が言うことを否定するのか?」
ただ質問が質問だけに、恐らくここで肯定したとしても状況は変わらなかったはず。
“肯定しても否定しても殺される”。言わば無惨の圧迫面接は究極の無理ゲーなのです。
いくら忠義を尽くそうとしても…
いっぽう「下弦の鬼は解体する」という無惨の決定事項に対し、「私はまだお役に立てます」「もう少し猶予を戴けるならば必ずお役に…」と申し出た鬼も。
ここまではまだ良かったのですが、この後の返答が非常にマズかった。
無惨「今のお前の力でどれ程のことができる?」
鬼「貴方様の血を分けて頂ければ 私は必ず“血に順応”してみます。より強力な鬼となり戦います」
無惨「なぜ私がお前の指図で血を与えねばならんのだ」
無惨が求めているものは“完璧な結果”。
結果も十分に出ていないうえ“血を分けろ”と要求するのは、「必ず結果を残すから予算を増やせ」と会社に言っているようなものです。
だからといって即処刑は同情を禁じ得ませんが…。
圧迫面接を生き残るためには?
では彼らはどうすれば殺されずに済んだのか。
ここで圧迫面接の唯一の生存者である下弦の壱・魘夢(えんむ)の言葉を思い出してみましょう。
「私は夢心地で御座います 貴方様直々に手を下して戴けることを」
「他の鬼たちの断末魔を聞けて楽しかった」
「私を最後まで残してくれてありがとう」
まず前提として、無惨を否定しないこと。
全ての運命を受け入れ、心から感謝の意を伝えること。
つまり問われるのは異常な精神性です。
もしかしたら「お前は逃亡しようと思っているな」と問われた鬼も、「その通りです。しかしおかげで貴方様直々に手を下して戴ける。このうえない幸せ!」とでも返していれば助かったかもしれません。
とはいえ無惨の圧迫面接は、関わった時点で負け。万が一彼の面接を受ける羽目になったら、とりあえず殺される覚悟を決めた方がよさそうです(笑)。
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