組織のリーダーに求められる資質とはなんだろうか。
「指導力」? もちろん必要だろう。
「調整力」? 関係各所との連携をスムーズに取るために欠かせない資質だ。
「コミュニケーション能力」? 組織とは人の集合体なのだから、コミュニケーションがうまく取れないと正常に働きはしないだろう。
確かに、こうした資質もリーダーには必要だ。
しかし、私が思うに、リーダーに求められる最大の資質は「求心力」だ。
周囲の人を惹きつけ、味方にし、巨大な台風の中心となって精力的に物事を進められる人物。
そうした人物こそ、組織のリーダーにふさわしいと私は思う。
名作漫画『ワンピース』にも、そんな台風の目じみた人物がいる。
そう、海賊王に憧れる主人公、モンキー・D・ルフィだ。
この記事では、なぜルフィがこれほどまでに強く人を惹きつけるのかを分析し、そこから見えてくる「組織のリーダーに必要な資質」を学んでいく。
目次
ルフィが持つ「この海において最も恐るべき力」――それが「類まれなる求心力」
王下七武海の一角、現・最強の剣士こと鷹の目のミホークは、ルフィについてこう評している。
能力や技じゃない――その場にいる者達を次々に自分の味方につける
この海においてあの男は 最も恐るべき力を持っている………!!
エース奪還のため、「難攻不落の要塞」と言われたインペルダウンを陥落させたかと思いきや、休む暇もなく、今度は万全の体制を敷いた海軍に挑みかかる。
インペルダウンでは囚人達を味方につけ、マリンフォードでは白ひげ海賊団らを味方につけたルフィを見、思わず鷹の目が独り言ちた言葉が前述のそれだ。
時に自らの立場を危ぶめてさえ、ルフィを援護し、味方する人々。
なぜ、ルフィはそれほどまでに強く人を惹きつけるのだろうか。
ルフィに見るリーダーの資質①周囲の人間と本音でぶつかる
ルフィはいつだって本音で人とぶつかる。
建前や謙遜は一切ない。
好きなものは「好き」だと言い、嫌いなものには「嫌い」と言う。
おかしいと思ったことには決して首を縦に振らないし、納得がいかないことにはとことん食い下がる。
そんなルフィだからこそ、周囲の人間も次第に「本音」を晒すようになる。
魂と魂でぶつかり合い、ずっと心に秘めてきた本心を吐露するようになる。
そうして吐き出された本心を、ルフィは決して笑わない。
ないがしろにしたり、けなしたりもせず、ただ素直に尊重する。
そんなルフィの姿勢に救われた人物がどれほどいることだろうか。
虚飾された耳あたりのいいだけの言葉には、人の心は動かない。
嘘偽りのない本音をぶつけられた時にこそ、人の心は震えるのだ。
そして、「この人になら打ち明けられる」「この人にならついていける」と思わせてくれるのだ。
ルフィに見るリーダーの資質②部下の成功を自分ごととして喜ぶ
仲間であり部下である「麦わらの一味」のいい評判を聞いたとき、ルフィはいつもこんな反応を返す。
そうだろ、アイツ、凄えんだ!
その顔は本当に嬉しそうで、大切な仲間が誰かに認められたという事実を、自分ごとのように喜んでいることが分かる。
仲間の成功を心から嬉しく思っていることが伝わってくる。
リーダーにとって、仲間や部下は「財産」だ。
その財産をどれだけ大切にするかによって、発揮される力が変わってくる。
ルフィのように、財産の力を信じ、その成功を心から喜んでやれるリーダーであれば、手元の財産はきっと今以上に輝きを増すことだろう。
ルフィに見るリーダーの資質③決して折れない目標に向けて努力し続けている
ルフィをルフィたらしめているもの。
ルフィの類まれなる求心力の源となっているもの。
それが、この「決して折れない目標」と「努力し続ける姿」だと私は思う。
ルフィにとっての目標は、昔からずっと「海賊王になること」だ。
そのために技を磨き、仲間を集め、強大な敵に立ち向かってきた。
目標に少しでも近づくためならば、どんな大きな壁にも怯まなかった。
どれほど傷つこうとも構わなかった。
その「芯」のある姿にこそ、人は強く惹かれるのではないだろうか。
時には笑い飛ばされることも多い、「海賊王」という大きすぎる目標。
しかし、ルフィの努力を間近で見てきた仲間達は、決してその目標を笑いはしない。
むしろ、ルフィが海賊王になることを当然のように信じている。
その信頼が、仲間を結びつける強力な絆となっている。
「アイツは海賊王になる男だ」
「未来の海賊王のクルーなんだから」
仲間達は、ルフィが「海賊王になることを前提として」行動している。
その考えで自らを鼓舞し、さらなる高みへ到達しようと努力している。
ルフィが努力し続ける姿を示すことが、仲間の努力にも繋がっているのだ。
決して折れない目標を定め、それに向かって努力し続けること。
そんなリーダーであれば、部下は自然とついてくるし、部下達自身もまた「こんな素晴らしいリーダーと肩を並べられるように」と努力してくれることだろう。
友情・努力・勝利こそがリーダーを輝かせる
本音でぶつかり合うことで生まれる「友情」。
目標に向かってがむしゃらに走り続ける「努力」。
その結果手にした成功――つまり「勝利」を、心の底から喜ぶ姿。
そう、リーダーに求められる資質「求心力」の源となるのは、友情・努力・勝利の三大原則だった……
とするのは少し強引すぎるだろうか。
とにかく、ルフィの生き様から「リーダーとしてのあるべき姿」を学ぶことは多い。
もしあなたがリーダーとしてのあり方に迷っているのなら、「リーダーの資質」を念頭に置きながら『ワンピース』を読み直してみてはいかがだろうか。
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