漫画・アニメ・ゲーム好きなオタクが市民権を得てきた世の中。
分母の増大と比例して、公私の線引きをはき違えた痛いオタクも増えてきていないだろうか?
コミケの徹夜行列が代表するように、自分さえよければ人の迷惑なんてどうでもいいとマナー違反する連中は後を絶たない。
今回は漫画『ヨイコノミライ』のキャラクターから、タイプ別痛いオタクの典型例を引用したい。
距離感がわからない?壁サークルをストーキング
平松かの子は腐女子と夢女子を併発したオタク。
ミロフェル王子という架空のキャラクターに恋をし、始終妄想に逃避している。
そんな彼女は以前スケブを描いてもらった壁サークルの同人作家・羅☆ガッシュをストーキング、自宅に押しかける迷惑行為をやらかす。
ちなみに壁サークルとは、コミケなどで会場の混雑を避けるために壁際に配置される大手をさす。
かの子はまだ羅☆ガッシュがまだ注目されていなかった頃に、偶然彼女の本を手にとっていた。
早い話が青田買いで、羅☆ガッシュの才能をいち早く見抜いていたといえなくもない。
しかし壁サークルに成長してもなお付き纏い、相手の迷惑を顧みず押しかけるのだからたまらない。
なまじ「私が一番最初に目をかけたんだからねっ!」という特権的優越感に根差す為に、相手から相応の見返りがないと「なんで?どうして?」と不満がくすぶり、行動がどんどんエスカレートしていく。
距離感がわからないオタクは怖い。
理論武装で掲示板大炎上。もはやただの罵詈雑言
天原強(あまはら つよし)は、ネットで固定HNを使い掲示板を荒らす常習犯。
本作のヒロインにしてサークルクラッシャーの青木杏には、「感想と書評の区別も付かない自称批評家」と罵倒されている。
レビュアーは耳が痛い。
彼のウィークポイントは間違った自説を平然と振りかざす点。
作品の粗さがしをし、幼稚な理論武装で叩きまくることに命をかけている。
他の人々が掲示板で盛り上がっていても全く空気を読まないのだから、これは嫌われてもしかたがない。
批判精神は大事だが、根底に一番大事な作品への愛が欠けているなら、ただの罵詈雑言と誹謗中傷だ。
自己顕示欲を正当化するオタクは痛い。
「カワイイ」をゴリ押すぶりっこ声優
大門夕子は自分の可愛さに絶対の自信を持っている。
なんたって幼い頃から可愛い可愛いと周囲にちやほやされてきたのだ。
夕子本人は「オーディションに出れば一発でデカい仕事がとれる」と豪語するが、実践的な努力は何もせず、自分がメインパーソナリティを務める架空のラジオ番組を妄想し、それを後輩に聞かせて承認欲求を満たしている。
声優の世界は甘くない。成功者は一握りだ。
一部の声優がアイドル扱いされているのを見ると「自分でも……」と勘違いしそうになるが、声優の専門学校を出た大半がフリーター化することからも現実の厳しさは痛感できる。
現在人気のプロ声優でもオーディションに合格しなければ仕事がもらえない業界だ。
声優志望や新人となれば選別の条件はさらに厳しく、バイトで費用を稼ぐ傍ら、毎日のようにレッスンに通い詰めオーディションに出なければチャンスすら掴めない。
ちょっとクラウドソーシングサイトを覗けば、YouTubeのナレーション動画の声優募集を見かける。
だが、あの手の依頼に関しては専門学校を出たものの、声優として日の目を見れない人々の受け皿となっている側面が否定できない。
最近も、声優の夢に挫折して大学院に入り直す、というツイートがバズっていたが、やがて失われる若さと「カワイイ」だけでゴリ押せるほど世の中甘くないのだった。
この記事を読んだあなたにおすすめ!







書き手にコメントを届ける