全世界での累計発行部数が4億8,000万部を突破し、その圧倒的な人気ぶりを見せつけた大ヒット漫画『ワンピース』。
大台である100巻も目前に迫った最新98巻では、大波乱のワノ国編もさらなる盛り上がりを見せ、世界中の人々を熱狂の渦へと掻き立てている。(2021年2月時点)
今回は、そんな『ワンピース』の中でも屈指の名シリーズといわれる「アラバスタ編」にスポットを当ててみよう。
目次
アラバスタ編とは?
アラバスタ編には二人の王族が登場する。
アラバスタ王国の第12代国王であるネフェルタリ・コブラと、その娘ビビだ。
自国民を第一に想い続ける彼らの言葉は、多くの読者の涙を誘った。
仕組まれた闘いに疲弊し、深く傷ついた国民を前にしてコブラが放った言葉には、誰だって心を震わされたことだろう。
この記事では、彼らにまつわる珠玉の名言をご紹介し、そこから「人の上に立つ者の風格」を学び取りたいと思う。
「いいか 国とは”人”なのだ」――ネフェルタリ・コブラ
アラバスタ王国国王コブラは、よくこの言葉を口にする。
国を支えるために人がいるのではない。
人が、ひとりひとりのかけがえない命こそが、国そのものなのだと。
会社などの組織においても同じことが言える。
従業員は決して組織の歯車などではない。
ひとりひとりの従業員こそ、真に大切にされるべき存在なのだ。
もし、あなたの周りに疲れ切った顔の部下がいたら、そっと肩に手を置いてこう言ってあげるといいだろう。
「いいか 組織とは”人”なのだ」
だからお前が大切なのだ、無理はせずに休みなさい……と。
もしかすると、次の日からあなたのあだ名が「国王」になるかもしれないが、労られた部下は、きっとあなたに厚い信頼を寄せることだろう。
「それが この船の”最高速度”でしょう!!?」――ネフェルタリ・ビビ
次に紹介するのは、船の航海士ナミが高熱を出した時にビビが言った台詞だ。
当時、ビビの故郷・アラバスタ王国では暴動の勢いが加速し、船は一分一秒でも早くアラバスタ王国に帰り着く必要があった。
たしかにナミの熱は尋常ではなかったが、辺りに島影はなく、仮にあったとしても、その島に有能な医者がいるとは限らない。
医者を探すことで、いたずらに時間を浪費してしまう可能性も十分にあった。
それでもビビはこう言ったのだ。
「一刻も早くナミさんの病気を治して そしてアラバスタへ!!
それが この船の”最高速度”でしょう!!?」
決して仲間を見捨てず、目の前の命を必死で守ろうとするビビ。
それでいながら、”最高速度”で自国に帰り着き、暴動を止めるという意思も揺らぎはしない。
ビビの優しさと強さの両面が、実によく表現された台詞だ。
「私は絶対にみんなを見捨てたりしない!!!」――ネフェルタリ・ビビ
海楼石の檻に閉じ込められた麦わらの一味。
部屋に流れ込んでくる大量の水。
そして、低い唸り声とともに迫りくる猛獣バナナワニ……
まさに絶体絶命のピンチという局面でも、やはりビビは諦めなかった。
自らの力量ではバナナワニを倒すことは無理だと悟り、まだ希望がある別の手段――助けを呼びに行く方向へと、すぐに頭を切り替えたのだ。
そのまま遠く外へと逃げてしまえば、ひとまずビビの命は助かっただろう。
それでもビビは、絶対に見捨てない、必ず戻ると約束したのだ。
現代日本に置き換えて考えてみよう。
あなたは今、ある大きなプロジェクトに取り組むチームのリーダーだ。
ある時、チームメンバーのひとりが大失敗を犯したことで、プロジェクト自体が崩壊の危機に陥ってしまった。
あなたは、失敗したチームメンバーになんと声をかけるだろうか?
「知らねえよ、お前のミスなんだからお前がなんとかしろよ!」
残念ながら、こんな無責任なリーダーには絶対に誰もついていかない。
「えっ、どうしよう。どうすればいいかな?」
知るか。
「私は絶対にみんなを見捨てたりしない!!!」
これだ。チームメンバーはこの言葉を求めているのだ。
直接のミスはリーダーであるあなたにはないのだから、言い逃れしようと思えばどうとでもできる。
しかし、リーダーは、人の上に立つ者は、決して仲間を見捨ててはいけないのだ。
仲間を見捨てず、自分にできる最善手を探し、不屈の精神力でそれを成し遂げなければならないのだ。
「この戦争の上に立ち!!! 生きてみせよ!!! アラバスタ王国よ!!!!」――ネフェルタリ・コブラ
少し長くなるが、この台詞だけは全文を載せねばなるまい。
謎の義務感に突き動かされるまま、ネフェルタリ・コブラ至高の名言を紹介したいと思う。
「悔やむ事も当然…
やりきれぬ思いも当然
失ったものは大きく 得たものはない
…だがこれは前進である!!
戦った相手が誰であろうとも 戦いは起こり 今終わったのだ!!
過去を無きものになど誰にもできはしない!!!
…………この戦争の上に立ち!!!
生きてみせよ!!!
アラバスタ王国よ!!!!」
国王軍と反乱軍、どちらもが「この国のために」と闘い傷ついてきたにも関わらず、そのすべてがクロコダイルの仕組んだ陰謀だった……。
ついにその事実が明るみになり、アラバスタ国民は絶望感に打ちひしがれていた。
そんな時、血を流し、膝をついた国民の中に立つコブラが言い放った台詞がこれだ。
無益な闘いに国民は傷つき、いくつかの街は砂に沈んだ。
きっと誰もが、この戦争を「忌まわしい悪夢」として封じ込めたいと思っただろう。
しかし、コブラは違った。
やりきれない思いには理解を示しつつも、戦争という事実に向き合い、そのうえで強く生きてみせよと国民を鼓舞したのだ。
この台詞には、アラバスタ王国護衛隊副官であるチャカも「敵わぬ…」と涙をこぼした。
私もこぼした。
きっとあなたもそうだったろう。
誰にでも過ちはある。
大切なのは、その過ちを封印してしまうことではない。
過ちと向き合い、それを糧にして、さらに強く立ち上がることだ。
それは大いに痛みを伴う作業だ。
誰だって失敗なんてしたくはないから、過去の過ちに目を向けるのは辛い。
だが、その痛みを乗り越えてこそ、人は芯から強くなれるのだ。
人の上に立つリーダーには「強さ・優しさ・共感力」のすべてが求められる
『ワンピース』史上最高の名君との誉れも高いネフェルタリ・コブラと、まだ若く、荒削りながらも、その優しさと強さをしっかり引き継いだネフェルタリ・ビビ。
時には自分の命よりも国民を優先し、傷だらけになりながらもその命を守ろうとする彼らの姿には、”人の上に立つ者の風格”が漂っている。
あなたも、彼らの言葉から学んだ「人の上に立つ者」の心構えを、日々の生活に活かしてみてはいかがだろうか。
いつの日にか、あなたの名前を冠した王国がきっと建ちあがる――かもしれない。
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