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ブラックジャック 名言10選から学ぶ、母親の大切さや医者の在り方【みんなでアッチョンブリケ!】

ブラックジャック1巻書影画像

巨匠・手塚治虫先生の代表作『ブラックジャック』。

コミック累計発行部数は日本で約4,500万部、全世界では1億7,000万部を超えるメガヒット作品だ。

手塚先生が医学博士号をお持ちだったこともあり、リアルな描写と専門用語が世界観を際立たせている。

連載当時の1980年前半では、医学をテーマにした少年マンガは皆無に近く、内臓をリアルに描くこの漫画は「恐怖コミックス」や「怪奇モノ」といったジャンル分けをされていた。

現在では「ヒューマンコミックス」という表記があるが、それも医療系ドラマやマンガの先駆けとなった『ブラックジャック』の影響は大きいと言える。

名言の宝庫である当作品の中でも、作者の思いが強烈に表れている言葉を10個ご紹介させたいただく。
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お前はりっぱに一人前の肉体に、仕上がるはずなんだ!(ブラックジャック)

2巻第10話「畸形嚢腫(きけいのうしゅ)」より。

ある日、重病の患者がブラックジャックの下に運び込まれてきた。

病名は畸形嚢腫。

お腹に大きな腫瘍ができている。

その中には脳を含め、人間の内臓がほぼ一式詰まっている。

驚くべきはその嚢腫には意識と感情があるのだ。

手術しようとすると、妙な超能力を発し術者に危険が及ぶ。

そこでブラックジャックはその嚢腫に対し、必ず助けることを約束し手術を始めた。

名言を伝えると、説得に応じる嚢腫。

手・脚・頭など足りない部分は合成繊維を使い、人間として組み立てていく。

遂には完全な人間の女児として造り上げてしまう。

これがブラックジャックの相棒・ピノコの誕生場面だ。

一年後、再び訪れた患者はピノコと初めて対面するが、「気持ち悪い」と言い残し去っていく。

ブラックジャックに泣きすがるピノコの姿に胸が熱くなる。

人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとはおもわんかね・・・(本間丈太郎)

3巻第25話「ときには真珠のように」より。

落ち込みうなだれるブラックジャック。

命の恩人であり医学の師匠・本間丈太郎を手術の末、死なせてしまったからだ。

二人の久しぶりの再会は数日前にさかのぼる。

本間から小包が届いた。

中には石の殻に覆われたメスが入っていた、それだけ。

理由を知るために本間の下へ向かうブラックジャック。

本間丈太郎とは、幼い頃バラバラになったブラックジャックをつなぎ合わせ、奇跡的に命を救った恩人。

そして世の中でたった一人尊敬する人物だ。

再会したものの、本間は老いのためすでに寝たきり状態だった。

そこで本間はずっと打ち明けられなかった秘密をブラックジャックに語る

かつて手術した時、ブラックジャックの体内にメスを置き忘れてしまったというのだ。

本間はミスが明るみに出ることを恐れ、再手術を行えなかった。

いつ体内にあるメスがブラックジャックの内臓を傷つけてしまうかわからない状況で。

ようやくその機会が訪れたのは7年後。

ところが体内にあったメスはすっかり石に覆われていた。

まるで貝の中で作られる真珠のように。

本間「きみの体は不思議な力で、精一杯きみの命を守っていたのだよ」

自らの死を察した本間は、どうしてもブラックジャックに謝罪の気持ちを伝えておきたかった。

どんな医学でも命の不思議さには敵わないということも。

医者はなんのためにあるんだ!(ブラックジャック)

6巻第51話「ちぢむ!」より。

ブラックジャックは知り合いの医者・戸隠(とがくし)に呼ばれ、アフリカの奥地に入っていた。

そこでは飢饉で毎日3,000人が死んでいく。

さらに野生の動物たちが、小型化していく世に知られていない奇病が蔓延しているというのだ。

そしていつしか動物だけではなく人間も小さくなりはじめ、戸隠もその症状を発していた。

ブラックジャックは懸命に原因究明と戸隠の治療にあたるが、ついに彼は30センチほどにまで小さくなってしまい、昏睡状態となる。

ある時、戸隠がふと意識を取り戻してブラックジャックに語る。

この症状が飢饉の地域に限って起こっているのはなぜか?

食料が少ないから体を小さくして、対応しようとする。

それは自然の仕組みの一部ではないかと。

そして人間に対する神の警告ではないのかと。

治療の甲斐なく、戸隠は息絶える。

その夜ブラックジャックは夜空に向かって吠えた。

医者が病から人を助け、その結果人口が増える。

人が増えたせいで食料が足りなくなり、多くの人が飢え死にしていくのなら、

「医者はなんのためにあるんだ!」と。

さようなら、おとうさん(ブラックジャック)

6巻第52話「えらばれたマスク」より。

ある日、ずっと音信不通だった父親から突然の電話。

現在の妻を治療して欲しいという依頼だ。

母親と自分を捨てて他の女性にはしり、20年間もほったらかしだった父を恨んでいたブラックジャック。

気乗りはしないが再会を選ぶ。

再婚相手の女性は若かったがハンセン病を患い、美しかった顔にひどい後遺症が残っていた。

自分の息子が天才外科医で美容整形も神技の持ち主と知ったこの父親は、こともあろうか新しい妻を世界一の美女にしてくれ、とブラックジャックに頼む。

ブラックジャックの目が苛立ちを帯びた眼光を発する。

BJ「7,000万円いただきましょう」

父親「よかろう、7,000万円だ。そのかわり誓え!必ず世界一の美女に整形するのだ」

手術の途中、ブラックジャックは一つだけ父に問う。

今でも少しは母親を愛しているかと。

しかし今愛しているのは、現在の妻だけだと返す父。

無事手術が終わり30日後、包帯を取った時父親が目にした顔・・・それは。

なんと自分が捨てた前妻と瓜二つの顔だった。

ブラックジャックにとって世界一の美女、それは自分のお母さんだったからだ。

一番苦しかった幼い時に、自分と母を裏切った父に対するブラックジャック流の報復だった。

BJ「あの時一言でもお母さんを愛してると言えば、別の顔にかえるつもりだった。さようなら、おとうさん

全編でブラックジャックの父親が描かれた話は、これ一回きりだった。

それでもわたしは人を治すんだっ、自分が生きるために!(ブラックジャック)

9巻第79話「ふたりの黒い医者」より。

ブラックジャックのライバル・ドクターキリコと張り合う今話。

ドクターキリコは助かる見込みがない患者を、苦しまずに安楽死させる“死の医者”。

今回の依頼者は事故で完全に手足が動かなくなり、寝たきり状態になった女性だった。

自分の子供たちに入院費用を工面させてしまっていることが申し訳なく、安楽死したいと言う。

快く引き受けるキリコ。

一方、子供たちはブラックジャックに手術を頼んでいたのだ。

安楽死予定日、すんでの所でキリコの施術を止め、奇跡の腕で手術を成功させたブラックジャック。

しかし去り際にキリコはつぶやく。

キリコ「生きものは死ぬ時には自然に死ぬもんだ・・・それを人間だけが・・・無理に生きさせようとする!どっちが正しいかね、ブラックジャック」

そこへさっきの親子を乗せた病院車がトラックと衝突し、全員死んだとの報告が入る。

全力を尽くし“生”に導いたブラックジャックに対し、“死”は運命だったと言わんがばかりに嘲り笑うキリコ。

去り行くキリコの背中に叩きつけた、ブラックジャックの魂の叫び。

BJ「それでもわたしは人を治すんだっ、自分が生きるために!」

あばよU-18、お前さんも立派な医者だったぜ(ブラックジャック)

10巻第94話「U-18は知っていた」より。

アメリカにU-18というブレイン(コンピューター)に全て制御された医療センターがあった。

1,000人近い患者の手術から健康管理まで、一台のブレイン・U-18がこなしている。

そのブレインの開発者であり責任者が、若く美貌の持ち主・ワットマン博士。

このブレインがある日、体調不良を訴え全ての医療業務を拒否してしまう。

ワットマン博士は、体調不良ではなく故障で技師に修理してもらうと説得するが、U-18は自身が機械ではなく医者だと主張し、全く聞く耳を持たない。

技師が来ると故障を理由に、別のブレインと換えられてしまうことを恐れているのだ。

そして自分の診察にはブラックジャックを指名し、叶えられなければ患者全員を殺すというのだ。

ワットマン博士はほとほと困り果ててしまう。

なんとか制限時間ギリギリで到着したブラックジャックは、U-18から100の質問を受ける。

ニセモノでないか確認するためらしい。

ようやくU-18から故障個所へ通されたブラックジャックは、治療のため電源を切ることを指示。

それでも疑うU-18に対してブラックジャックは

BJ「医者を信じられんのかね。お前さんも医者のくせに」

この一言で全ての電源を落とし、ブラックジャックに全てを委ねる。

やっと電源を落としたことで、ワットマン博士一団はU-18を分解して交換しようとするが、ブラックジャックは断固として断り、U-18を守り抜くのである。

彼はこの時、ワットマン博士に対し苦言を呈する。

BJ「U-18の産みの親なんだってな。産みの親ってもんは、自分の子供が病気だからってそう簡単に捨てるもんかねぇ

手術によって回復したU-18だったが、ブラックジャックと出会い、医者を引退すると告げる。

それはブラックジャックの心を知って、人間を治すことは人間にしかできないと悟ったから。

ヘリで施設から去りながらブラックジャックは、U-18へ向け送ったはなむけの言葉が冒頭の名言である。

それはすべての治療を機械に任せた愚かな人間より、人を知ることで医者を理解し身を引いたU-18の方が、わかり合えると思えたからだろう。

ちょっとぶっ飛んだ40年以上前のストーリーであるが、AIが確実に進歩しつつある現代ではリアリティが増しているように感じた。

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