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『チ。-地球の運動について-』ネタバレあらすじ解説!最終回予想も2通り紹介

チ。-地球の運動について-サムネイル

『チ。-地球の運動について-』は、地動説という異色のテーマと、緊迫感のある展開が話題となり人気急上昇中の魚豊(うおと)による青年漫画だ。

ビッグコミックスピリッツにて2020年より連載中で、「マンガ大賞2021」では第2位、「次にくるマンガ大賞2021」のコミックス部門では第10位に選ばれている。既刊5巻で、2021年9月にはシリーズ100万部を突破した。

この記事では「チ。」のあらすじやキャラを解説した上で、これまでの展開から最終回の結末を予想する。最新話(39話)までのネタバレをふくむので、未読の方は要注意だ。

『チ。-地球の運動について-』のネタバレあらすじ解説

本作は中世ヨーロッパを舞台に、教会による激しい迫害の中、地動説を証明するために奮闘した人たちの群像劇だ。以下では、2章までのストーリーを簡単にまとめた。

1章のあらすじ【少年の選択】

時は15世紀前期。ヨーロッパのP王国では「C教」という一神教が強い権力を握っていた。

物語は、C教の異端審問官ノヴァクが、異端者を拷問にかける凄惨なシーンから始まる。この時代、C教の教義に背く研究をした者は、悪魔の手先として拷問や火あぶりの刑に処されることが当たり前だった。

そんな時代に生まれた12歳の少年ラファウは、ある日、フベルトという異端者の男と出会う。ラファウはフベルトから地動説の話を聞き、その緻密でシンプルな論理の美しさに魅入られた。

しかし地動説はC教の教義と相反する異端の説であり、研究するだけでも処刑されてしまう「禁断の研究」だったのだ。

天文学の道に進み真理の探究をするか、このまま神学を学んで平穏な人生を送るか。葛藤するラファウだったが、処刑されてしまった友人フベルトの遺志を継ぎ、命懸けで地動説の研究を続けることを決意する。

養父のポトツキもかつて異端研究をしていたことがあり、ラファウを陰ながらサポートしていた。

しかし、研究記録の燃えカスを異端審問官に見つかってしまい、さらに火刑を恐れたポトツキがラファウを告発。ラファウは異端審問にかけられてしまう。

地動説を否定し改心すれば命は助かるという局面で、ラファウは真理をとり、処刑されることが決定。最期は獄中で毒杯をあおり、自死を選ぶのだった。

2章のあらすじ【受け継がれる想い】

ラファウの死から十年後。決闘代理人をしているオクジ―とグラスは、ある日、処刑予定の異端者が乗る馬車を輸送する任務に就く。その異端者はラファウが残した箱を発見し、地動説の研究をしていた為に処刑されることになった。

彼を逃すために二人は教会に背き、逃亡の途中でグラスは命を落とす。オクジ―はグラスの遺言に従い、異端思想に手を染めた過去を持つ修道士バデーニを尋ねる。

天文台に勤める少女ヨレンタの助けもあり、バテーニはついに地動説の基礎理論を完成させる。しかし部屋にあったフベルトのネックレスを異端審問官に発見されてしまい、オクジーとバデーニは拷問の末処刑、ヨレンタだけは寸前で逃げることに成功する。

研究成果はすべて絶えてしまったかに思えたが、バデーニは万が一の保険として、オクジ―が書いた本の内容を60人の浮浪者たちの頭部に刺青で記していた。バデーニが残した手紙をヒントにして、彼の知り合いの修道士クラボフスキが、刺青の暗号にたどり着いたところで第二部は終了する。

『チ。-地球の運動について-』の魅力3選


本作には、一度読み出せばどんどんページをめくってしまう吸引力がある。この面白さはどこから来ているのか、作品の魅力を3つのポイントにまとめた。

魅力①命懸けで真理を探究する者たち

『チ。-地球の運動について-』の第一の魅力は、何と言っても、命懸けで真理を解明しようとする人たちの想いの“熱さ”である。

「地動説=地球は太陽の周りを公転している」という、たったそれだけのことを証明するために、地位や家族、時には命や死後の幸福さえ投げうつ人たちが本作には多く登場する。

なぜ彼らがそこまでして真理を追い求めるのか。それは地動説の唱える「真実の宇宙」が、教会の説く宇宙(=天動説)よりも合理的で、何より美しいからだと彼らは言う。そして死の恐怖さえ顧みず地動説の研究を進め、その成果を同志へと伝えていく。

タイトルの「チ」には複数の意味が込められている。地球の「地」。知識の「知」。そして「血」。

『チ。-地球の運動について-』は、宇宙の真実を追い求め、血を流した者たちの戦いの物語だ。

魅力②信仰と迷信が支配する世界

本作は現実の中世ヨーロッパの世界を下敷きにしており、キリスト教をモデルにした「C教」が登場する。

信仰が科学よりも強かった時代。人々が悪魔や奇跡を信じることが当たり前だった時代の空気が、本作では臨場感たっぷりに表現されている。

作中の世界では身分や階級による差別も色濃く残っており、貴族が気まぐれに貧民は殺めることも珍しくない。また主要キャラのヨレンタは、女性であるというだけで研究に参加させてもらえず、自分の名で論文を発表することもできなかった。

魅力③異端審問官の恐怖

本作に絶妙の緊迫感を与えてくれるキャラクターが、異端審問官ノヴァクだ。

この時代、C教は「神は地球を宇宙の中心に作った(天動説)」という教理に真向から反抗する『地動説』を悪魔の教えだと認定していた。

異端審問官は、地動説など悪魔の教えを説く異端者たちを見つけ、拷問にかけることを生業としている。本作に登場するノヴァクは、決して悪人というわけではなく、普段は温厚で礼儀正しい父親だ。

しかし、異端者をかぎ分ける鼻は猟犬のように鋭く、拷問にかけるときは決して容赦しない。彼はただ職務に忠実なだけなのだが、そのことが余計に彼を不気味な存在へと仕立て上げている。

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『チ。-地球の運動について-』主要キャラクター8人紹介!


本作には、自分の信念を貫くために奮闘する、魅力的なキャラクターが数多く登場する。ここでは主要人物に絞って紹介する。

ラファウ【地動説に魅せられた少年】

12歳で大学に合格し神童と呼ばれる少年。合理性を何より重んじ安定した人生を望んでいたが、フベルトと出会ったことでその運命は一変する。

フベルトの語る地動説の美しさに惹かれたものの、最初は「直感に人生を委ねるなんて愚かだ」と拒絶した。

しかし、未練は捨てきれず密かに地動説の考察をノートに書き連ねてしまう。それを異端審問官に発見され詰め寄られるが、フベルトが身代わりになってくれたことで事なきを得る。

彼の遺志を継ぎ地動説の研究を続けるも、養父ポトツキの密告により異端審問にかけられる。最後は研究成果を守るため、拷問される前日に毒杯を煽り自殺した。

フベルト【悲劇の異端者】

地動説を研究していたことから、異端者として捕らえられていた。表向きは改心して地動説を否定したと主張していたがそれは研究を続けるための嘘であり、天文学の知識があったラファウを脅して協力者にさせる。

「地上は醜く汚れており、死後に行く天国こそが美しい場所だ」と多くの人が思い込んでいる世の中で、彼は「神が作ったこの世界こそ何より美しいはずだ」と信じており、それを証明するために地動説を研究していた。

最後はラファウに研究成果の隠し場所を示すネックレスを託し、彼の身代わりに火あぶりにされる。

ポトツキ【ラファウの養父】

ラファウの養父で、優秀な義理の息子のことを誇りに思っている。かつて異端の研究をしていたことがあり、ラファウの天体軌道の計算に修正を加えるなど、彼の地動説の探求を陰ながらサポートしていた。

しかし、ラファウの研究記録が発見された際、火あぶりを恐れて彼を告発する。

ラファウは一度目の異端審問なので改心すれば命は助かると説得されての告発だったが、彼が法廷で地動説を否定しなかったため、間接的に義理の息子の命を奪う事になってしまった。

ノヴァク【冷酷な異端審問官】

優秀な異端審問官。職務に対する熱意は高くないが、異端者を見分けることは得意で、拷問では決して容赦しない。その実績もあって司教からは高く評価されている。

元傭兵で剣の腕前は一流。傭兵上がりであることから同僚の異端審問官からは白眼視されている。

娘が書いた手紙をお守りのように持ち歩くなど、普段は家族思いの良い父親である。娘への愛が生きる理由だとまで語っており、「我が子の平穏な日常を脅かす異端研究は見過ごせない」という考えが仕事の動機になっている。

オクジー【ネガティブな青年】

決闘代理人を勤める青年。地上は醜く汚れていると考えており、天国に行くことだけを希望に日々を過ごしていた。

人並外れた視力を持つが、星々を見ると地上は汚れているという事実を突きつけられる気がするので、夜空は決して見ようとしない。

しかし、地動説と関わるうちに宇宙の美しさに惹かれるようになり、異端審問官に素性がばれた時は、天国に行く権利を投げ打ってでも研究者のバデーニを逃がそうとした。

また、地動説に触れた感動を後世に伝えたいとコツコツと自伝を書いていた。

最期はバデーニと共に捕らえられ、絞首刑に処される。しかし処刑される寸前の彼の眼は澄んでおり、この世に対する希望を胸に、満足して死んでいった。

グラス【オクジーの先輩】

決闘代理人で、オクジーの先輩。オクジーとは正反対のポジティブ思考の持ち主。天文が趣味で、一人で火星の軌道の記録をつけていた。

地動説を研究する異端者の言葉に心を揺さぶられ、彼を逃がすために教会から追われる身になってしまう。オクジーにバデーニを紹介し、最期は彼に希望を託して命を落とす。

バデーニ【隻眼の修道士】

隻眼の修道士。異端の研究に手を染めたために片目を焼かれ、田舎の教会に追放されていた。

高慢な性格で、地動説を完成させるのは自分だと確信しており、研究成果を他者に残すぐらいなら全て燃やすとまで宣言する。

フベルトの残したネックレスをヒントに地動説の基礎理論を完成させたものの、最期はオクジーと共に絞首刑に処され、炎で焼かれることとなった。

生前、彼が浮浪者の頭部に刺青でオクジ―の著作を彫っていたおかげで、地動説の思想は知人のクラボフスキの手に引き継がれる。

ヨレンタ【天文学を志す少女】

天文を学ぶ少女。天文への熱意と優秀な頭脳を持っているものの、女性であるために研究に参加させてもらえず歯がゆい思いをしていた。

バデーニが掲示板に貼り付けた問題に解答したことで、地動説の研究に協力することになる。

実は父親が異端審問官のノヴァクであったことが物語を追う内に発覚。ノヴァクを敵視する異端審問官の手によって処刑されそうになるが、寸前のところで逃亡に成功する。

『チ。-地球の運動について-』の最終回予想・考察


『チ。-地球の運動について-』のストーリーはあくまでフィクションだが、現実の要素を多く含んでいる。また、作中の主要人物たちの目標は「地動説の完璧な証明」で一貫している。これらの事実を踏まえ、本作の最終回を予想してみる。

原作の着地点として有力なのは「地動説の世間への公表」だ。

現在連載中の第3部の時代設定は15世紀後期。現実で地動説が世に広まるきっかけとなった、コペルニクスの「天球の回転について」が出版されるのが16世紀の1542年なので、この線でいけば第4部か第5部が最終章となり、そこではコペルニクスにまつわるエピソードが描かれるはずだ。

しかし、作中のP王国は架空の国であり、これまで実在した人物は登場していないので、コペルニクスが直接描かれる可能性は低い。

第2の最終回候補は「教会が地動説を正式に認める場面」だ。

しかし、史実でこれが達成されたのは2008年のことであり、本作が長期連載したとしても、そこまで続く見込みは低いだろう。ただし、時を飛ばして近現代編が描かれる可能性は十分にありえる。

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世間の評判・口コミ

『チ。-地球の運動について-』は口コミで人気が爆発し、たったの連載1年でシリーズ100万部を突破するまでに至った。新刊発売直後のネットには熱い感想があふれている。ここでは一部の声を紹介する。

ネガティブだったオクジ―は先輩であるグラスの熱意に動かされ、最終的には地動説に人生の希望を見出すようになる。孤独主義で後世に研究成果は残さないと断言していたバデーニもまた、オクジ―に感化されて考えを改め、浮浪者への刺青を通してメッセージを残した。出会いを通してキャラクターたちが大きく変わっていく様は、本作の大きな魅力の一つだ。

やっとの思いで地動説の基礎理論を完成させたバデーニが処刑されるという展開は多くの読者に衝撃を与えた。今後も多くの犠牲が払われるかもしれないが、彼らの想いは受け継がれていくはずだ。

一人一人にできることはちっぽけかもしれないが、歴史を積み重ねていけばやがて大きな成果を生み出せる。「チ。」は人類の可能性を期待させてくれる作品だ。

おわりに

ビックスピリッツ本誌にて連載中の第三部では、ついにC教の抑圧に抵抗する者たちが現れ、ダイナミックなストーリーが展開している。しかし本作のおもしろさは組織間の対立よりも、己の美学を貫く人間たちのドラマにある。その魅力は第三部でも変わらない。

本作がわずか5巻で100万部を突破できたのも、登場人物が持つ「熱」に影響される読者が多かったからだろう。これからアニメ化や映画化、舞台化などメディアミックスされる可能性も高く、今後も目が離せない作品だ。

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