毎日電車に揺られ、会社に行き、売りたくもない商品を売る。
取引先から怒鳴られ、課長からも嫌味を言われる毎日。
どんどん心が砂地のように渇いていき、だんだんと何も感じなくなっている。
気が付けば、そんな社会人になっている方は多いのではないでしょうか?
今回はそんなあなたの渇いた心を潤し、火をつけるようなおすすめのスポーツ漫画9選をご紹介します!
目次
『ドカベン』【実は最初、柔道漫画でした】
日本を代表する野球漫画、ドカベン。
この漫画、実は最初は柔道漫画だったことを知っていましたか?
作者・水島新司先生は、ドカベン開始時に少年サンデーで『男どアホウ甲子園』を連載中でした。
これと被るのを防ぐため、『男どアホウ甲子園』が終わるまでドカベンの主人公・山田太郎は柔道部に強制入部させられていたのでした。
ドカベンの魅力は、何といっても強烈な個性のキャラクターたち。
悪球しか打てない岩鬼正美(いわき まさみ)や、天才ピアニスト兼天才守備職人である殿馬一人(とのま かずと)など、スタメンも敵キャラも全員が魅力的です。
高校野球が終わり、主要キャラクターがプロに進んだ後も大変面白いです。
キャラクターたちが、清原や伊良部など当時のスター選手たちと対決するシーンは必見です。
『タッチ』【主人公は最高クラスの野球センスの持ち主】
ほとんど恋愛要素のない(と言ったら岩鬼と夏子はんに失礼ですが)ドカベンに比べ、キュンキュン青春恋愛要素満点の『タッチ』。
あだち充先生の最高傑作との呼び声も高いです。
主人公は、スポーツ万能・容姿端麗・頭脳明晰の1年生エース上杉和也…の双子の兄・上杉達也。
達也と和也と、2人の幼馴染の浅倉南は、3人で仲良く高校生活を送っていました。
そして和也擁する明星学園は夏の大会で順当に勝ち進んでいました。
しかし、地区大会決勝戦の当日、和也は車に轢かれて亡くなってしまいます。
この事故をきっかけに、それまでぐーたら毎日を過ごしていた上杉達也は、野球を始めることにしました。
達也は順当に成長し、全国屈指の剛速球投手へと成長します。
そして最後の夏。
達也が南ちゃんに「上杉達也は浅倉南を愛しています。世界中の誰よりも」という、女の子なら誰もが言われたい名言を残します。
そして、達也が甲子園優勝投手になったことが判明し、物語は終了します。
極悪の監督が更生していく様子、和也が死んでしまった衝撃、青春キュンキュン要素。
漫画の面白さがすべて詰まった作品になっています。
余談ですが、野球ファンの選ぶ「野球漫画キャラの中での、野球センス1位は誰か」という議論に、必ず上杉達也の名前が挙がります。
『MIX』【30年後の明星学園、血の繋がらない天才兄弟バッテリー】
こちらは『タッチ』の続編として、現在も連載中の漫画です。
主人公は、血の繋がらない立花投馬と立花走一郎。
もちろん2人とも野球部で、センス抜群です。
また、ボクシング部の原田、勢南高校の西村等、『タッチ』で出てきたキャラクターたちが登場します。
タッチファンからすると懐かしくて涙が出そうな設定です。
同作品のヒロイン・音美が「エースが子供を助けようとしてトラックにはねられた」という冗談を言ったところ、西村と原田が激怒したシーンは悲しくなってしまいます。
和也の事故を思い出したのでしょうね。
本作品はタッチを読了してから読むことをお勧めします。
ちなみに、現在上杉達也は少しだけしか登場していません。
どのような形でストーリーに絡んでくるのか、これからの展開が楽しみでなりません!
『H2』【結末に物議】
こちらもあだち充先生の大人気漫画です。
天才投手・国見比呂と、天才打者・橘 英雄が主人公。
本作品には2人のヒロインがいて、比呂と英雄との「四角関係」が繰り広げられます。
れっきとしたスポーツ漫画ですし、タッチと同じく青春のキュンキュンも味わえる漫画なのですが、ファンの間で物議を醸している点があります。
なんと、恋の結末は書いているのに、甲子園の決勝戦の結果が描かれていないのです。
「これ以上ないほど美しい終わり方」と評するファンもいれば、「いや、野球は…?」となってしまうファンも多いそうです。
いずれにせよ、ストーリーは面白いです。
結末を悶々と考えるのも楽しいですよね。
『ROOKIES』【実は野球漫画の中で一番リアル?】
一世を風靡した不良野球漫画。
安仁屋、新庄、若菜、関川など個性溢れる不良たちが、絵に描いたような熱血教師・川藤に感化され、野球部に入部します。
元々スーパースターだった安仁屋と赤星を除き、監督も含めほとんどが素人という集団。
しかし、野球部はどんどん勝ち進み、都大会の決勝まで駒を進めます。
最終回は安仁屋でも赤星でもなく、キャプテン・御子柴のホームランによる劇的な勝利で幕を閉じます。
タッチ同様、「運動を一切していなかった高校生が勝ち進めるのか?」という疑問が浮かんでくるところですが、実はルーキーズは「野球漫画の中で一番現実離れしていない作品」と言われています。
なぜかというと、彼らの身体能力が驚異的だからです。
安仁屋は150km/hのストレートを投げ、俊足・豪打。
関川は50mのタイムが5.6秒という韋駄天。
赤星と新庄の身体能力も超高校級です。
ナインの中にこれだけの選手が揃っていれば、勝ち進んでいくこともできるでしょう。
それはともかく、不良が更生してスポーツに打ち込む漫画は、王道ですが心に響きますよね。
『ラストイニング―私立彩珠学院高校野球部の逆襲』【炎、再燃】
こちらは一風変わった高校野球漫画です。
主人公は鳩ヶ谷圭輔監督。
詐欺師のような口ぶり、だらしない風貌、真意の読めない発言を繰り返す男です。
審判の意図的な誤審をきっかけとして、高校野球生活が不本意な形で終わりを告げたという過去があります。
大好きだった野球を辞め、営業マンとして詐欺の片棒を担ぐような仕事をしていました。
しかし、高校時代の恩師から母校・彩学野球部を立て直してほしいと依頼されます。
鳩ケ谷は監督を引き受け、部員や野球部関係者のマインドを巧みにコントロールしていきます。
詐欺師としての本領が発揮され、生徒たちはやる気になり、徐々に野球部は力をつけていきます。
基本的には超合理主義、損得でしか動かない鳩ケ谷監督が、たまに見せる情熱的な「野球少年」の一面がとてもかっこいいです。
『MAJOR』【こんな風に生きたい!男なら一度は憧れる茂野吾郎】
世代を超えて野球少年たちに愛される野球漫画。
物語は、茂野吾郎少年が幼稚園生の時代からスタートします。
吾郎は母を亡くし、プロ野球選手である父に育てられます。
しかし最愛の「おとさん」は、ジョー・ギブソン投手のデッドボールが頭部に当たり、亡くなってしまいます。
悲しみに暮れる吾郎でしたが、実父の再婚相手の桃子と、桃子の再婚相手である茂野英毅投手の間ですくすくと育ちます。
小学生になった吾郎は剛腕投手として全国にその名を轟かせますが、5年生の時に右肩を故障。
ここで育ての父・茂野英毅から、左投げへの転向を勧められ、吾郎の左投手としての野球人生が幕を開けるのです。
吾郎の、損得を考えないまっすぐな生き方に、多くの野球少年が憧れを抱いています。
「できるかできないかじゃねえよ。男ならやるかやらないかのどっちかしかねえだろうが。」といったかっこよすぎる名言も残しています。
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