壮大な世界観と胸躍る冒険活劇で、私達を魅了してやまないファンタジー漫画。
人間のみならずエルフやドワーフなど多彩な種族が共存する大地には、未知のロマンがあふれている。
物語の進展に伴い、世界の謎が明かされていくのも大きな魅力だ。
今回はファンタジー漫画おすすめ35選をジャンルごとのランキング形式でご紹介!
目次
初心者におすすめのファンタジー漫画
まずは超王道のファンタジー漫画を3つ紹介する。この3つを抑えておくだけで、ファンタジー漫画の最大の魅力である壮大な世界観を十二分に体感できるだろう。
1位『FAIRY TAIL』
真島ヒロ先生によるファンタジー漫画。累計発行部数が7200万部を突破しているマガジンの代表作だ。
精霊魔道士のルーシィが、主人公のナツと喋る猫のハッピーに出会い、それがきっかけとなって魔道士ギルドの「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」に加入するところから物語が始まる。
本作の最大の特徴は「家族・仲間」がテーマになっていることだ。
通常、少年漫画といえば徐々に仲間を増やしていくことがほとんどだが、本作は最初から主人公たちが多くの仲間に囲まれており、その展開が終始続く。
家族や仲間のありがたみが魔法ファンタジーに落とし込まれていて、それでいて登場する多くのキャラクター達が魅力的な、超王道ファンタジーに仕上がっている。
2位『転生したらスライムだった件。』
伏瀬先生によるライトノベルを、漫画にメディアミックスされたものだ。異世界転生のジャンルで最も成功している作品ともいえる。ある日、通り魔によって亡くなってしまった主人公が、スライムとなって異世界転生してしまうところからストーリーが始まる。
「異世界転生」と「主人公がスライム」という設定を最大限に活かしたストーリーが特徴だ。
異世界転生系特有の主人公の葛藤がコメディに描かれている反面、シリアスパートも緊張感があって面白い。
それに加え、最弱のモンスターとして知られている「スライム」がチートのように強くなっていくのも読んでいて爽快な気分になれる。
3位『不滅のあなたへ』
大今良時による漫画。アニメ化もされた。観察者によって地球に投下された球状生命には、遭遇したのの姿を擬態する能力があった。
やがてそれは雪原で命を終えた年の姿を模し、「フシ」と名付けられる。
不老不死の少年の終わらない旅路を描いた、大河的スケールのクロニクル。
現代の『火の鳥』に趣が近い。
様々な人や物に姿を変え、世界を巡礼するうちに命の本質を知っていき、空っぽの器を死別の寂しさや喪失の哀しみ、あるいは喜びといった感情で満たしていくフシ。
複雑な背景を持ったキャラクターとフシの旅路が交差し、それぞれの分岐点となるのも面白い。
王国ファンタジー漫画のおすすめ
王国で繰り広げられるファンタジー溢れるストーリーが魅力の、王国ファンタジー漫画を3作紹介する。王国ファンタジー特有の下剋上や、人間関係が巧みに描かれている名作ばかりだ。
1位『王様ランキング』
十日草輔先生によるWeb漫画で、2021年にはフジテレビのノイタミナ枠でTVアニメ放送がされた人気作。巨人の両親を持ちながら、力がとても弱く、耳も聞こえず言葉もしゃべれない主人公・ボッジ。
それでも王様を目指そうとするボッジが「カゲ」という友だちを得たことから物語は動き出す…。
小学生向けの漫画のようなテイストの作画だが、超本格派のシナリオとなっている。キャラの設定の作り込みもよく伏線回収のやり方も巧みだ。
「非力な王子が王様を目指していく…」絵本では王道のストーリーだが、大人でも心打たれるエピソードが満載。
「人生が変わる漫画」と言っても過言ではないかもしれない。人生で大切なことを多く学べる作品に仕上がっている。
2位『偽りのフレイヤ』
石原ケイコ先生による少女漫画。村の少女で主人公のフレイヤと病弱な母は、棋士となった二人の幼馴染の帰りをずっと待っていた。そして久しぶりに帰ってきた幼馴染のアーロンが隣国に狙われていることを知り、フレイヤは城に忍び込むことに。
そこで自分と瓜二つの王子様と出会い…。
少女漫画にありがちな大河漫画テイストの作品だ。このような漫画はラブロマンスをテーマにすることが多いのだが、本作は方向性が少し異なり、入れ替わりファンタジーとなっているのが肝だ。
それでいて悲劇的なエピソードが多く盛り込まれており、次のページをめくるのがドキドキハラハラしてくる。
現代少女漫画のトップを走るシナリオを堪能できるだろう。
3位『マロニエ王国の七人の騎士』
岩本ナオ先生による漫画。マロニエ王国の将軍のバリバラが主人公だ。彼女には7人の個性的な息子がいて、彼らが7つの周辺国にそれぞれ外交に赴くストーリーとなっている。
本作の舞台となっているマロニエ王国はスペインがモチーフだ。実際に岩本先生がスペインを取材して参考にしている。
風景画などもアシスタントにあまり頼らず、岩本先生本人が手掛けており、リアルに近い仕上がりになっているのがポイントだ。
7人の息子である「眠くない・博愛・暑がりや・寒がりや・獣使い・剣自慢・ハラペコ」は、そのネーミングの通りの特徴をそれぞれ持っている。
おとぎ話のような世界観でストーリーも進行し、それでいて伏線を張り巡らせているので読み応えのある作品となっている。
バトルファンタジー漫画のおすすめ
バトルに特化したファンタジー漫画を3作紹介していく。バトルが中心になっているため、非常に分かりやすくスラスラ読めるのが特徴だ。
1位『七つの大罪』
鈴木央先生による漫画。2014年にはTVアニメも放送され、累計発行部数が3700万部を突破している人気作だ。王国転覆を図ったとされる七人の大罪人によって構成された「七つの大罪」の戦いを描いた作品。
主人公のメリオダスは「憤怒の罪」の大罪人。そんなメリオダスは移動酒場を営んでいたのだが、その最中に第三王女のエリザベスと出会い…。
本作の最大の読みどころは、キリスト教の聖書に描かれる「七つの大罪」をモチーフにした設定にある。
本作はこの設定を最大限活用し、キャラの魅力を演出しているのだ。
また、伏線回収のやり方も巧みで、衝撃的な展開に心打たれた読者も多くいる。
バトルシーンも迫力があるので、気軽に読み進められるはずだ。
2位『終末のワルキューレ』
梅原真也原作、フクイタクミ構成、アジチカ作画による漫画。2021年6月からはNetflixでアニメも放送されている。人類を滅ぼそうと決意した神々と、それを阻止するべく戦乙女に選ばれた人類の戦い・ラグナロクを描いた作品。神VS人類による13番勝負が幕を上げる…。
神々は実際に神話に登場する神、人類は歴史上の偉人がモチーフとなっている。そのため、神々や歴史の教養を自然と学ぶことができるのが良い。
バトル一辺倒のストーリーとなっているが、やはり神・偉人になっていることもあって、強い信条をそれぞれのキャラが持っているので、結果的に魅力的なストーリーに仕上がっているのも興味深い。
神と人類によるタイマン13番勝負という分かりやすい設定なので、テンポよく読むことができるだろう。
3位『青の祓魔師』
加藤和恵先生による漫画。2011年にTVアニメ1期、2017年に2期が放送されており、他にも多くのメディアミックスが進められている大人気作だ。悪魔の血を受け継いでいる主人公・奥村燐と双子の弟の奥村雪男は神父の藤本獅郎によって育てられていたが、悪魔の登場によって獅郎を亡くしてしまう。
それをきっかけに燐が祓魔師を目指すところで物語が始まる。
女性漫画家が書いている少年漫画ということもあってか、キャラのデザインが美的で非常に読みやすい。
また、世界観の設定も秀逸で、ストーリーの広げ方も巧みだ。
悪魔と人間による戦いがテーマとなっているものの、それをうまく学園ストーリーに落とし込むことに成功しており、読者に馴染みやすい雰囲気が演出されている。
魔法ファンタジー漫画のおすすめ
魔法を中心にストーリーが展開されている魔法ファンタジー漫画4選を紹介する。ファンタジーといったら魔法。魔法が織りなす非現実的な世界観が心地良い名作ばかりだ。
1位『とんがり帽子のアトリエ』
白浜鴎先生による漫画。本作の世界では魔法という概念が存在する一方で、先天的な才能がないと魔法が使えない世界でもあった。主人公のココは魔法に憧れていたものの、魔法を使うことができなかったが、魔法陣を作成することが出来るアイテムを手に入れてしまう。それがきっかけとなって母が石化してしまい…。
本作の魅力は作画力にある。1990年代のファンタジー小説のような表紙から始まり、非常に高いクオリティで作画が作り込まれている。
この緻密な作画から演出されるファンタジー性溢れる世界観に没入すること間違いなしだ。
それでいて本作における”魔法の在り方”は、現実世界での情報格差にどこか通ずるものがある。
ここ最近ではめっきり減った”本格派”の魔法ファンタジーでありながら、学びのきっかけも多い名作だ。
2位『魔入りました!入間くん』
西修先生による漫画。2019年にはTVアニメ1期、2021年にはTVアニメ2期が放送されている。主人公の鈴木入間が、お金に目が眩んだ両親によって大悪魔・サリバンに売り渡されることに。
しかし、サリバンは入間に危害を加えることはない悪魔。入間は恵まれた環境の中、悪魔学校に進学することになる…。
数あるファンタジー漫画で、「悪魔×学園」をテーマにした作品は数少ない。それでいてコメディ調に特化しているのは本作だけなのではないだろうか。
その個性溢れる世界観が本作の読みどころだ。
また、乱暴な両親の影響もあってか非常に穏やかな性格に育った入間が、周りの悪魔たちにいい影響を及ぼしていく点にも注目。
入間が魔道具を巧みに使いこなし悪魔たちを圧倒するのも、読んでいて爽快だ。
3位『図書館の大魔術師』
アムン村に暮らす耳長族(エルフ)の少年は無類の本好き。本の都・アフツァックに行くことを夢見る彼の前に、ある日美しい司書が現れて……。
様々な種族が混在し火種が燻る異世界、叡智を司る大図書館を舞台にした、クオリティの高いハイファンタジー。
主人公・シオのけなげさや頑張り、彼を見守り導く司書たちとのハートフルなおねショタ要素もおいしいが、それにも増して一個の世界として完結した大図書館の設定がたまらなく魅力的。
本好きなら住みたい!と思うこと必至だ。
4位『RAVE』
真島ヒロ先生による漫画。累計発行部数は2350万部を突破している。本作の世界では光の聖石・レイヴと闇の魔石・ダークブリングが存在しており、主人公のハルがレイヴを引き継ぎ、世界を救うことを決心したところから物語が始まる。
当初は作画も荒く知名度も低い作品だったが、時間経過につれ作画も向上し、マガジンの中でも定番の人気作にまで上り詰めている。
超王道のボーイミーツガールとなっているのがポイントで、感動的なラストまで読んでほしい作品だ。
主人公のハルが謎の女の子エリーと出会うのだが、それをきっかけに物語が大きく進んでいく。
伏線回収の秀逸さも話題になった作品で、長期間の連載によってやっと伏線が回収されているので、やはりラストまで読んでおいたほうがいい作品だ。
冒険ファンタジー漫画のおすすめ
ワクワクドキドキの冒険ファンタジー漫画を7作紹介する。壮大な世界観が演出されているファンタジーな世界をとことん冒険するストーリーとなっている。
1位『鋼の錬金術師』
荒川弘による漫画。アニメもヒットした。国家錬金術であるエドとアルフォンスのエルリック兄弟が、禁断の人体錬成で失われた体を取り戻す為旅をするダークファンタジー。
錬金術をテーマにした骨太な世界観とアクションに夢中になった。
エドとアルフォンスの美しき兄弟愛も見所。
戦争や差別、国同士の対立が生む悲劇もシビアに掘り下げられており、錬金術に狂わされた人々の末路と相俟って苦みを引き立てる。
ロイ・マスタング大佐など、名バイブレイヤーの輝きにも注目してほしい。

2位『マギ』
大高忍による漫画。アラビアン風の世界を舞台に、アリババとアラジンの出会いから始まる大冒険を描く。
明るく正義感の強いアリババに天真爛漫なアラジン、無口無表情な格闘奴隷のモルジアナと、敵味方ひっくるめてキャラクターが魅力的で、数々の試練をくぐりぬけ成長していく姿は感無量。
ダンジョン制覇がメインの序盤から、徐々にアラジンの出生の秘密が暴かれ登場人物全員を飲みこむ大波と化す世界の命運に繋がっていき、最後までハラハラドキドキしながら読めた。
3位『葬送のフリーレン』
山田鐘人とアベツカサによる漫画。勇者パーティーが魔王を倒し、平和が訪れた後の世界。
桁外れの長寿を誇るエルフの魔法使い・フリーレンが、人間を知る為に旅を続ける姿を描く。
当初は感情が希薄だったフリーレンが、老い衰えた仲間や旅先で交流する人々の終わりを看取り、死の厳かさと生の尊さを理解していくエピソードの集積が感動的。
何千年も閲するエルフを主人公に据えたからこそ成立するストーリーで、英雄譚すら忘却の彼方に押し流される切なさが、感傷の余韻をいや増す。



4位『メイドインアビス』
人類最後の秘境と呼ばれる大穴・アビス。孤児院育ちの探窟家の娘・リコは、アビスからやってきた謎多きロボット・レグとともに、奈落への決死行に挑む。
アビスの生態系や環境など、徹底的に考え抜いて構築された設定の質量に圧倒される。
頭身低めにデフォルメされたメルヒェンタッチの絵柄に反し、内容は驚くほどシビアで、子どもへの虐待・人体実験をはじめとするグロ鬱描写のオンパレード。
確実に読み手を選ぶものの、行く手を阻む障害にめげず、仲間と力を合わせて目的地をめざすリコたちの情熱は読者の胸に勇気をともしてくれる。
アビスの動植物を調理したアビス飯にも興味が尽きない。
5位『火の鳥』
手塚治虫による漫画。その血を飲めば永遠の命を得られるという火の鳥を巡り、過去・現代・未来、様々な時代の人々の運命が交錯するドラマを描く。
漫画の神様・手塚治虫のライフワークともいえる作品で、古今東西様々な漫画家に影響を与えている。
永遠の命に執着するあまり身を滅ぼしていく人間の愚かさや、そこから生まれる愛憎が大スペクタクルで描かれ、宇宙的規模の広がりを持ったストーリーにすっかりのめりこんでしまった。
6位『エデンズゼロ』
真島ヒロ先生による漫画。2021年にはTVアニメも放送されている。ロボットたちの星である惑星グランベルに唯一住んでいる人間・シキが、旅行でグランベルに訪れていたレベッカとハッピーと出会い、桜宇宙(サクラコスモス)へと旅立つところから物語が始まる。
近年では珍しく、宇宙を舞台にしたSF調のファンタジーとなっている。
宇宙は物理法則が多いがために、漫画として展開していくことが難しいとされてきたが、本作は宇宙の設定を活かした壮大なファンタジーを作り上げている。
真島ヒロ作品の中でも伏線をしっかり張り巡らせている印象がある作品で、これからの展開にとても期待できる。
また、本作でも魔法のような概念が存在しているため、バトルものとして親しみも持てる。
7位『BASARA』
田村由美の代表作。文明崩壊後の日本、兄タタラの身代わりに男装しレジスタンスのリーダーとなった更紗が、平和をもたらす戦いに身を投じる姿を描く。
各地を巡る旅の過程において、腕に覚えのある仲間達がどんどん増えて大所帯になっていくのが見所。
日本列島がそれぞれ特色を持った小国に分割された、世界観も面白い。
朱理の異母兄弟の浅葱や更紗の良き理解者にしてアドバイザーの揚羽など、萌えるイケメンにも事欠かない。
現代ファンタジー漫画のおすすめ
私達が住んでいる現実世界の中にファンタジー要素を盛り込んだ、現代ファンタジーを3作紹介していく。リアルとファンタジーのミックスが癖になる作品ばかりだ。独特の体験を味わってほしい。
1位『魔法使いの嫁』
ヤマザキコレ先生による漫画。2017年にはTVアニメが放送されている。生まれつき奇妙なものが見えてしまう体質である主人公のチセが、単身でイギリスに渡り闇のオークションに出品される。
そこで500万ポンドでチセを購入したエリアスという魔法使いによって、エリアスの嫁となり同時に魔法使いの弟子になることになり…
エリアスの化け物じみた姿と可愛らしいキャラデザのチセは一見するとミスマッチなのだが、それでいてお互いに相思相愛なのがどこか歪んでいる。
しかし、読んでいてドンドンと作品に引き込まれていくのだ。
また、チセは暗い過去を持っているのだが、エリアスと魔法を通して少しずつ明るい未来を手に入れていくストーリーとなっているのにも注目だ。
2位『クジラの子らは砂上に歌う』
梅田阿比による漫画。砂の海に浮かぶ巨船、通称泥クジラには超能力を生まれ持った民が暮らしていた。
その1人である少年チャクロと少女兵の出会いが、世界の運命を変えていく。
見渡す限り砂漠が広がる過酷な世界において、心優しき泥クジラの民が織り成す愛と憎しみ、生と死のドラマが感動をもたらす。
泥クジラの文化や習俗、衣食住の考証が細部に至るまでしっかりしているのもポイントで、そこに生きる人々の息吹まで感じられるような、虚構にリアリティを付与する世界観に浸れた。
3位『ふらいんぐうぃっち』
石塚千尋先生によるファンタジー漫画。2016年にはTVアニメも放送されている。本作は魔法が当たり前の存在になった現実世界が舞台になっている。
主人公の見習い魔女の木幡真琴が横浜市の実家を出て青森県弘前市にある親戚の家で居候をするところから物語が始まる。
弘前市をモチーフにしていることもあって聖地巡礼も多く行われている。
本作の最大の読みどころは作り込まれた世界観だ。
魔法ファンタジーといえば、中世のような世界観などの非現実的な世界観が構築される。しかし、本作は現実世界に非常に似ている世界観の中で、魔法という設定が組み込まれている。
現代的な服装を着ている状態でほうきを使って空を飛ぶシーンは、ある意味個性的な設定といえる。
そんな穏やかなシーンが延々と続く日常系の作品となっているが、飽きることなく楽しめるだろう。
ダークファンタジー漫画のおすすめ
ダークファンタジーな漫画を5作紹介していく。ダークな雰囲気の中にあるちょっとだけの暖かさが癖になる作品ばかりだ。「正義の難しさ」について考えさせられるダークヒーロー系も紹介していく。
1位『進撃の巨人』
諫山創による漫画。アニメもヒットした。周縁を壁に囲われた都市国家。
母親を食い殺した巨人への復讐に燃える主人公・エレンと、彼が所属する調査兵団の戦いを描く。
巨人の奇形なビジュアルと生理的嫌悪を催す奇行、そこからのショッキングな大虐殺に戦慄。
空中機動のワイヤーアクションで巨人に立ち向かい、次々散っていくキャラクターの生き様にも心震える。
伏線回収の仕方も見事で、世界の見え方がガラリと変わるどんでん返しの構成には脱帽した。



2位『約束のネバーランド』
白井カイウ原作・出水ぽすか作画による漫画。累計発行部数が3500万部突破の大人気作だ。孤児院で育てられた子どもたちだったが、自分たちが「人間飼育場」の食用肉として育てられていたことを知る。
食べられる運命を脱するために、子どもたちが孤児院脱出を目指すようになるところでストーリーが始まる。
ジャンプ作品らしくない世界感・シナリオではあるが、「努力・友情・勝利」の三要素がちゃんと取り入れられているダークファンタジーに仕上がっている。
特に序盤の展開は秀逸で、衝撃的な幕開けとなっているし、続きが気になる展開が延々と続くので読んでいて飽きない。
作画のレベルも非常に高く、グロテスクながらも、登場人物の可憐さを見事に表現している。
3位『東京喰種』
石田スイ先生による漫画。TVアニメは4クール放送されていて、累計発行部数は4700万部突破している人気作だ。とある事故がきっかけに、人間の肉しか食べることができない「喰種(グール)」と人間の、ハーフの「半喰種」になってしまった主人公の金木研によるダークファンタジー。
主人公が喰種になってしまったので基本的に喰種目線で物語が描かれているわけだが、人間と共存しながらも喰種として生きていかなくてはいけなくなった主人公の葛藤がテーマとなっている。
これは現実世界におけるLGBTの生き方についても、どこか考えさせられる内容だ。
グロテスクな演出が注目されがちだが、マイノリティな人々の生き方について問題提起している作品でもある。
その点に注意して読み進めると、新しい発見が得られるだろう。
4位『ドロヘドロ』
林田球先生による漫画。2020年にはTVアニメも放送されている。魔法によって頭を爬虫類に変えられ記憶も失ってしまったカイマンが主人公のダークファンタジー。
自分の記憶と顔を取り戻すために奮闘するストーリー展開となっている。
世界観は非常に殺伐としており、グロテスクな作画で描かれている。
「ドロヘドロ」というタイトルに相応しく、とにかくグロい。
ただグロいというわけではなく、絶望感が詰まった世界観となっていて、その中で僅かながらに希望的な一筋の光が射しているのが、逆に絶望感を煽る。
また、世界観の作り込みも丁寧で、作画にもこだわっているのが読んでいてよく分かる。とにかく情報量が多いので、自分のペースでゆっくり世界観に浸るのが良いだろう。
5位『新暗行御史』
尹仁完と梁慶一による漫画。主人公の文秀は各地を巡り、悪を成敗する暗行御史。
馬牌を介して幽幻兵士を召喚し、行く先々で悪党を懲らしめていく彼には、不倶戴天の宿敵が付き纏っていた……。
国が滅んだのちも世直しを続ける、ダークヒーローのダンディズムにあふれた文秀がかっこよすぎ。
韓国版水戸黄門ともいえる話で、攻めのキャラデザとハードなストーリーが上手く噛み合い、カタルシスをもたらしていた。
異世界転生ファンタジー漫画のおすすめ
ここ最近流行している異世界転生系のファンタジー漫画を3作紹介していく。異世界らしさ全開の自由な世界観に浸ってみてほしい。
1位『オーバーロード』
丸山くがね先生のライトノベルを深山ビギン先生作画で漫画になったもの。累計発行部数は800万部超え。TVアニメ・劇場版の続編制作も決まっている。VRMMNRPGの「ユグドラシル」に参加していたプレイヤーであるモモンガが主人公。「ユグドラシル」のサービス終了までログインしていたところ、そのままゲームの世界に入り込んでしまったところで物語が始まる。
「ゲームの世界に閉じ込められた」という設定になってはいるが基本的には異世界転生として楽しんでいい。
そしてゲームの設定が引き継がれていることもあり、能力も最強レベルでそれでいて優秀な仲間を持つところから始まる主人公最強系のダークファンタジーに仕上がっている。
主人公が率いるナザリック大墳墓による、世界侵略劇を楽しむことが出来る。
2位『幼女戦記』
カルロ・ゼンの同名小説をコミカライズした東條チカによる漫画。神の存在を否定したことで存在Xの怒りを買い、異世界に転生させられたエリートサラリーマン。
幼女の体にオッサンの心を持った彼は、軍人ターニャ・フォン・デグレチャフとして輝かしい戦功を上げていく。
安全快適な後方支援に回りたい本人の思惑をよそに、手柄を立てるほど前線へ送り込まれて「こんなはずじゃなかった……」とがっくりする、ターニャのドっ外しっぷりが面白い。
それでいてエゲツない戦略と戦術を駆使し、有象無象の敵を殲滅していくのだから、最凶幼女の称号に納得だ。
3位『ライドンキング』
馬場康誌による漫画。某国の大統領アレクサンドル・プルチノフがハイファンタジーの異世界にトリップし、本格的な村興しや冒険に活躍する姿を描く。
とにかくプルチノフがかっこいい。
騎乗が大大大好きな上半身裸のガキムチおっさん。
このプロフィールだけだとドン引き必至の変態なのだが、実際の所は弱きを助け悪しきを挫く人格者、その上愛妻家ときて支持率急上昇。
イロモノと見せかけた骨太ファンタジーであり、ケンタウロスの奴隷が馬の前脚を切られるのは食糧を節約する為など、亜人の生態や生活様式を本気出して考証しているのがすごい。



恋愛ファンタジー漫画のおすすめ
恋愛ファンタジー漫画を4作紹介していく。ファンシーな世界観で描かれる恋愛漫画が非日常的で夢のような世界を演出してくれる。
1位『妖狐×僕SS』
藤原ここあ先生による漫画。2012年にはTVアニメも放送され、単行本の累計発行部数は400万部を突破している。妖怪がモチーフになっている作品だ。旧家・白鬼院家の令嬢の主人公・凛々蝶は鬼の先祖返り。
家の名前が重視される環境に嫌気が刺し、家を飛び出て「妖館」に入居することになる。そこでは一世帯につき一人のSS(シークレットサービス)がつくのだが…。
本作の最大の読みどころは妖怪の設定を活かした壮大な世界観にあるだろう。
ストーリーを説明するとネタバレになってしまうので詳細は伏せるが、妖怪の「先祖返り」という設定が最大限活かされたシナリオとなっている。
気になる人はぜひ読んでみてほしい。作画も非常に可愛らしく、男性でも女性でもオススメできる作品に仕上がっている。
2位『暁のヨナ』
草凪みずほ先生による漫画。2014年にはTVアニメも放送されていて、全世界累計発行部数は1300万部を突破している。古代アジアがモチーフになっており、作中の舞台となる高華王国の王女ヨナが主人公だ。
権力争いで父を殺されてしまい、ヨナにも危険が及んだが、城からなんとか逃げ出すことに成功するところから物語が始まる。
古代アジアをモチーフにした恋愛ファンタジーという個性あふれる設定が最大の魅力だ。
主人公ヨナが積極的にバトルに参加するので「恋愛」要素が薄いように見えるが、ちゃんと恋愛しているので女性でも楽しめる。
また、古代アジアらしく龍がモチーフになった能力バトルも展開されているので、少女漫画のジャンルにはなるが、男性でも気軽に読める作品となっている。
3位『聖・ライセンス』
飯田晴子による漫画。主人公コーネリア・トレイスキャリーは、愛の女神の意志を届ける代理人、聖なる乙女候補として天上の宮殿に召し上げられる。
コーネリアが一人前の乙女になる為には、7匹のユニコーンから承認を得なければいけないらしいが……。
逆ハーレム系の乙女ゲーが好きな人におすすめしたい、ロマンチックファンタジー。
コーネリアは様々な時代を渡り歩き、イケメンに化けたユニコーンたちと交流していく。
中にはのちの乾隆帝など歴史上の偉人もおり、波乱万丈なストーリーに引き込まれた。
4位『ふしぎ遊戯』
渡瀬悠宇による漫画。主人公の美朱は図書室で見付けた四神天地書を開いた瞬間、朱雀の巫女として本の世界に召喚されてしまい……。
逆ハーレム要素もちょっぴりあるものの、どちらかというと少年漫画のテイストが強く、一筋縄ではいかない仲間集めの旅とともに中華ファンタジーの世界観が楽しめる。
個性派イケメンぞろいの七星士にも注目。必ず一人は性癖に刺さるキャラクターがいるはずだ。
おわりに
以上、おすすめファンタジー漫画35選を紹介した。
剣と魔法の王道ファンタジーから胸ときめく異世界トリップまで、作者の発想と力量次第で、いかようにも料理できるのがこのジャンルの最大の魅力かもしれない。
気になる作品があれば手にとってもらえると幸いだ。
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