特殊能力や拳が火花散らすバトル漫画は、私たちの血肉を沸かせてくれる。
コマ狭しと暴れ回るキャラクターの躍動感には、読んでいるこちらまで火照ってきそうだ。
あなたの好みは極限まで鍛え上げた筋肉で魅せる格闘戦だろうか、それともダイナミックな特殊能力バトルだろうか。
今回は古今東西のバトル漫画の中から、おすすめを30選紹介したい。
初心者におすすめのバトル漫画3選
漫画初心者でも楽しめる超王道のバトル漫画を3作紹介する。今となっては誰もが知っている名作なので、安心して読み進めることが出来る作品となっている。
『鬼滅の刃』
超国民的となった鬼退治物語
まさみ
吾峠呼世晴先生による漫画。TVアニメをきっかけに爆発的なブームとなり、累計発行部数は1億5000万部を突破した。主人公は炭焼きの竈門炭治郎。ある日鬼に襲われてしまい、家族は鬼に惨殺、妹の竈門禰豆子は鬼になってしまう。そして、鬼となった禰豆子に襲われそうになる炭治郎の元に冨岡義勇が現れ…。
本作の最大の読みどころはジャンプ漫画らしい王道展開にダークファンタジーの要素も取り入れられている、現代バトル漫画の最前線をいく世界観にあるだろう。
誰にでも理解されるシナリオの中に哀愁が含まれているのである。この哀愁に病みつきになり、気づいたときには作品の世界観に浸りまくってしまうのだ。
『僕のヒーローアカデミア』
個性溢れるヒーロー達の物語
まさみ
堀越耕平先生による漫画。TVアニメのメディアミックスも進む大人気作だ。世界総人口の8割が超人的な能力を有する超人社会が舞台となっている。超人の中でも、「個性」を悪用するヴィランと、それらを退治するヒーローが存在しており、主人公の緑谷出久はヒーローを目指す少年だった。しかし、出久は「個性」を持っていない無個性だったことが分かり…。
本作の最大の魅力は「個性」にフォーカスした物語になっていること。「個性」が強ければ強いほど評価される世界となっていて、私達の住む現実世界でも参考にするべき点だろう。
また、本作では「後天的でも個性を作り出せること」がフォーカスされており、まさに「努力」という言葉がふさわしいストーリーになっている。
『ONE PIECE』
国民的王道海賊漫画
まさみ
尾田栄一郎先生による知らない人の方が少ないであろう国民的漫画だ。世は大海賊時代。海賊王ゴールド・ロジャーが遺した大秘宝「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を、世界中の海賊が狙っていた。そんな時代に生まれたのがモンキー・D・ルフィ。ゴムゴムの実を食べてゴム人間になってしまった男による冒険物語が描かれている。
「仲間」をキーワードにした感動的なエピソードが最大の読みどころだ。海賊とは言いつつも、ルフィが考えている海賊は「とにかく自由で楽しくワクワクする」が信条になっている。
そのために世界政府のような既得権益者と戦いながら、仲間を守っていくのだが、そのエピソードの構成が非常に秀逸で心揺さぶるものがある。
正統派バトル漫画11選
「力こそが正義」をテーマにした正統派バトル漫画を11作紹介していく。とにかくパワー対パワーを取り上げているので、迫力ある作品が多い。超人たちによるダイナミックなバトルを楽しむことが出来るだろう。
『ケンガンアシュラ』
個性的すぎる闘技者に惚れろ!
まさみ
名だたる企業の代表者がこれはと見込んだ闘技者を雇い、利権を賭けて衝突する拳願試合。主人公の十鬼蛇王馬は元窓際リーマンの山下一夫と組み、トーナメント勝ち上がりを目指す。
とにかく闘技者が個性的で飽きさせない。誰か1人はツボにハマるキャラがいるはず。プロレスに空手に柔道、さらには伝家の暗殺拳まで、研鑽した技を駆使して戦い抜く漢たちのかっこよさに惚れ惚れする。私の推しはプロ傭兵のムテバさんだ。
本作の真ヒロインである一夫のヘタレ可愛さにも注目。王馬との夫婦漫才にほっこりする。
『グラップラー刃牙』
バトル漫画筆頭の長寿シリーズ
まさみ
地下闘技場の最年少王者・範馬刃牙と、地上最強生物の誉れ高いその父・範馬勇次郎を中心に、人間離れした格闘家との闘いを描く。
絵柄で読まず嫌いされているが中毒性が高く、キレのいい台詞とアクの強さが癖になる。ガキムチの漢たちの生死を賭したバトルは迫力満点、心・技・体三拍子揃って超人級。勇次郎に至っては人間やめてる。
私の推しは最強の合気道家、渋川先生。ピチピチの若造から古希(70歳)のじっさんままで、己が極めた技と格闘家の信念に徹した戦いぶりは失禁するほどかっこいい。
『終末のワルキューレ』
人類vs神、世紀末の13番勝負
まさみ
人類の誕生から700万年後、古今東西の神々が一堂に会し人類存亡会議が開かれる。人類の愚行を見限った神々は世界の滅亡を決定するが、ワルキューレの1人ブリュンヒルデの提案で、人類vs神の13番勝負に未来を委ねることに……。
チート全開、力技で押し切る展開が好きならおすすめしたいバトル漫画。最高に熱い。戦略や戦術といった概念はないに等しく、人類も神々も特殊能力無双で押し切るのだが、それが気持ちいい。
神と人類、どちらの出場者もキャラが濃くドラマを背負っているので応援したくなること必至。観客席に紛れた歴史上の偉人のコメントもじわじわくる。

『テラフォーマーズ』
敵はゴキブリ!火星で死闘
火星のテラフォーミング用に放たれたことで独自の進化を遂げたゴキブリと、それを駆除する為に特殊な手術を施された人間の死闘を描く。
蛾、電気ウナギ、タコ……。バリエーションに富んだ能力を宿す改造人間クルーたちと、ビジュアルからして嫌悪感MAXなテラフォーマーズのバトルにのめりこむ。火星の大地を駆け巡るクルーたちが、何故危険な任務に志願したかの背景も掘り下げられており、仲間を守り散る者と後を託されし者、両者の思いと願いが錯綜する生き死にのドラマに感情を揺さぶられる。
国同士の陰謀や思惑も人間関係の複雑化に一役買っており、思いがけぬ所で点と点が繋がる、衝撃的な展開から目を離せなかった。
『EREMENTAR GERAD』
人間×武器のバディバトル!
人間と契約を交わすことで自らの肉体を武器に変える種族、エディルレイド。空賊の少年・クーは、エディルレイドの中でも特別希少価値の高い少女・レンと出会ったことで、世界規模の陰謀に巻き込まれていく。
人間と武器人間のバディバトルにぴんときたらぜひ読んでほしい。本作のヒロイン・レンは見た目儚げな美少女だが、武器形態はカッコよく中二心を刺激する。
男女ペアが多いので相棒以上恋愛未満の微妙な関係萌えできるのもポイント。主人公一行の世界を巡る冒険も、波乱万丈でわくわくが止まらない。
『ARMS』
力が欲しいか?欲しければくれてやる!
事故や事件で欠損した身体の一部にARMSと呼ばれる兵器を移植された少年少女が、巨大組織との戦いに巻き込まれていく。
今なお根強い人気を誇るバトル漫画の傑作で、細密な破壊描写やバトルシーンは、大友克洋ファンならきっと気に入るはず。主人公・涼たちと対立する組織・エグリゴリは超能力者や改造人間を多数抱えており、彼らとの死闘はどれも名勝負すぎて一位を選べない。
本作未読でも「力が欲しいか?欲しければくれてやる!」の名台詞は、ネットで一度は目にしてそうだ。涼たちとその体内に寄生したARMSとの対話は、『寄生獣』にも見られたような精神世界の深部に突っこんでおり、善悪の価値観をグラグラ揺るがしてくる。常に暴走の恐怖と戦いながら友を守り正義を貫く、涼たちの生き様に興奮せずにいられない。
『地獄楽』
忍と罪人、孤島バトルロワイヤル!
江戸時代末期、最強の忍と名高い画眉丸は他の罪人とともに絶海の孤島に送り込まれる。彼に命じられたのは不老不死の仙薬を持ち帰ること。画眉丸は最愛の妻との再会を願い、島での殺し合いに身を投じるが……。
愛妻家の忍と首斬り役人のコンビが、魑魅魍魎の跋扈する島で死闘を演じる地獄極楽絵巻。山田風太郎の『忍法帖』シリーズにも通じる、人間をやめてしまった悪党どもの特殊能力バトルが圧巻。
どんなにいいキャラも死に惜しみせずあっけなく退場するあたり、諸行無常を感じる。
『バイオレンスアクション』
ゆるふわ殺し屋女子無双
専門学校生兼殺し屋のケイが、依頼を受けて様々な強敵と鎬を削るバトルアクション。
ゆるふわアホの子ケイちゃんのスイッチが切り替わる瞬間にぞくぞくする。普段の天然な言動から一変、銃にナイフ、あらゆる武器を使いこなして無双する姿にハートキャッチされてしまった。
森林や島の地形を利用した追いかけっこなど、フィールドの特性を生かした戦い方に恐れ入る。



『キリングバイツ』
獣人VS獣人、牙と爪を研ぎ澄ませ!
大学生・野本裕也はラーテルの獣人・宇崎瞳と出会い、牙闘(キリングバイツ)の実態を知る。それから彼の人生は転機を迎え……。
世界一凶暴と称されるラーテル獣人の瞳が、戦力外通知をもらった仲間と力を合わせ、下剋上の快進撃を続けるのが痛快。他の闘技者もそれぞれの動物特有の能力や武器を保持しており、肉食獣が絶対有利と限らないのも面白い。
組み合わせ次第で大番狂わせが起こり得るのが本作の魅力だ。
『エアマスター』
宙を制すもの、ストリートファイトを制す!
女子高生の相川摩季は、エアマスターの異名をとる無敵のストリートファイター。天才と変態は紙一重なライバルたちとの死闘を通し、摩季は華麗なる成長を遂げていく。
ストリートファイトをテーマにした異色バトル漫画で、キャラクターのぶっとんだ言動と、重力の軛もなんのその全方位から繰り出される技の数々に魅了される。
おっぱいの付いたイケメンを地でいく摩季のド根性と執念には女性も惚れること必至。一方で坂本ジュリエッタに迫られ、わたわた赤面する様子は乙女全開でギャップ萌え。
『ワンパンマン』
どんな敵でもワンパンKO
ONE先生による漫画。村田雄介先生の作画によるリメイク版も刊行されている。また、TVアニメも話題になった。ある日、就職活動に困っていたサイタマは、怪人に襲われていた少年を助けることに成功する。それをきっかけに、子供の頃の夢であったヒーローを目指すようになり、3年間筋トレし続けた。そしてヒーローになることができたのだが、どんな相手でもワンパンで倒せるほど強くなってしまい…。
どんな敵でもワンパンで倒してしまうぶっ壊れキャラのサイタマが本作の最大の魅力だろう。登場する敵キャラも相当強く他作品であれば強敵扱いされるレベルだが、最後にサイタマがことごとくワンパンで持っていってしまうのだ。
その一方で、他ヒーローたちも充実しており、強力かつ個性あふれる能力を有しているため、普通のバトルシーンも十分面白いので飽きることはない。
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