歴史漫画おすすめ15選【大河ロマンに注目】

血沸き胸躍る大河ドラマは好きだろうか?

事実は小説より奇なり。

波乱万丈のストーリー展開が醍醐味の歴史ものには、不屈の闘志でその時代を生き抜き、あるいは礎として散っていた人々の、けっして古びない情熱が凝縮されている。

今回はそんなおすすめ歴史漫画15選を紹介したい。

『辺獄のシュヴェスタ』【魔女の娘を収容する、孤児院でのサバイバル】

竹良実による漫画。完結済み。

魔女狩りの嵐吹き荒れる16世紀の神聖ローマ帝国を舞台に、薬師の義母を処刑され孤児となった少女・エラの復讐劇を描く。

魔女の娘(とされた魔女狩り遺族の少女たち)が集められた森の奥の修道院、という設定にまず惹かれる。

しかもそこは恐ろしい陰謀渦巻く場所で裏切り出し抜き当たり前、虐待や洗脳も行われている。

年端もいかぬ少女に対する目も覆わんばかりの壮絶な拷問・処刑シーンが出てくるので苦手な方にはお勧めしないが、グロ鬱耐性があるならぜひ読んでほしい。

過酷な環境下でも仲間と団結し、知恵を絞って生き残りを画策するエラの信念と、試練を克服して育んでいく友情が尊い。ラスボスである修道院長のカリスマ性にも戦慄。

『乙女戦争』【フス戦争に光明をもたらす、天使隊の活躍】

大西巷一による漫画。

1420年、フス戦争勃発翌年のボヘミア王国が舞台。カトリック派聖ヨハネ騎士団のフス派狩りで家族を虐殺された末、陵辱によって処女を散らされた12歳の少女・シャールカの戦いを描く。

女子供が犠牲になる戦争の暗部を容赦なく抉りだす隠れた傑作。

性暴力描写が結構な比重を占めるので読んでいて辛くなるが、世界史の中でもマイナーなフス戦争を扱っており、当時の生活様式や戦争様式がリアリティを持って描かれているのがポイント。

『アルテ』【努力と才能で夢を掴んだ女性画家】

大久保圭による漫画。アニメ化もしている。

16世紀初頭にあたるルネサンス後期。

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなどの巨匠の記憶も新しい芸術の都フィレンツェに、絵を描くことが大好きな少女・アルテが生を受ける。

貧乏貴族の子女であるアルテは政略結婚を強制されるものの、画家になる夢を諦めきれず逃げ出すのだった……。

実在の女流画家をモデルにした歴史ロマン。

女性芸術家への風当たりが強かった時代、心ない偏見にさらされながらも絵画への情熱を失わず、ひたすらに描き続けて夢を叶えたアルテの姿に元気を分けてもらえる。

『ヴィンランド・サガ』【野蛮にして勇猛なヴァイキングの戦い】

幸村誠による漫画。アニメ化もしている。

11世紀初頭の北ヨーロッパ及びその周辺を舞台に、私掠船を駆って商人から略奪し、傭兵として戦争にも参加した海の男たち、ヴァイキングの生き様を描く漫画。

ヴァイキングの首領に父を殺された少年・トルフィンの復讐劇であり、彼の成長と葛藤が大きな見所。

トルフィンの父の仇にして育ての親、さらには戦いの師匠でもあるアシェラッドの、アンチヒーローを地でいく渋い魅力にも注目。

『陰陽師』【安倍晴明の神力に刮目せよ】

夢枕獏の小説『陰陽師』が原作の岡野玲子の漫画。

平安時代に実在したとされる陰陽師・安倍晴明が、京の都を騒がす様々な怪異を渡り合い、調伏していく姿を描く。

妖怪のおどろおどろしさと清明の儚げな美しさ、清濁を両立する美しい絵柄に注目。

清明の相棒である博雅の人徳も読後感をよくしている。

雅やかな平安時代の雰囲気とともに、貴族の蹴落とし合いが日常化し、陰謀渦巻く宮廷劇としても楽しめた。

『キングダム』【中華統一を成す清の始皇帝とその腹心】

原泰久による漫画。実写映画、及びアニメもヒットした。

紀元前3世紀の中国、覇権を競って国々が衝突する戦乱の世を舞台に、戦災孤児の奴隷である信の成り上がりを描く。

主人公・信の断じて不正を許さない一本気な性格と篤い男気、のちの始皇帝となる政との友情が感動的。

軍の万勢が騎馬を駆り、火花散る剣戟をくり広げる戦闘シーンは圧巻。

敵味方問わずキャラの立ちまくった武将の魅力も底知れず、読むほどに感情移入が捗る。

『7人のシェイクスピア』【シェイクスピアの謎に迫る】

ハロルド作石による漫画。

1600年のイギリス・ロンドンを舞台に、実在の劇作家シェイクスピアの謎に迫る。

7人のシェイクスピアとタイトルにもある通り、激動の運命に翻弄される人々が結集する、群像劇の側面が魅力をいや増す。

当時イギリスで表面化していた宗教間の対立も余さず描いており、物語に幅を持たせている。

貧困や暴力、迫害に負けじと底辺で生きてきた人々の逆転劇としても痛快な面白さ。

『ベルサイユのばら』【元祖男装の麗人】

池田理代子による漫画。ベルばらの愛称で今に至るまで親しまれる傑作。

フランス革命前から革命前期のベルサイユを舞台に、貴族の跡取りとして男装を余儀なくされた麗人オスカルと、悲劇の王妃マリー・アントワネットの人生を描く。

元祖男装の麗人、オスカルの凛々しさにうっとり。彼女を取り巻くドラマチックな恋模様にときめいた読者も多いのでは?

華やかなドレスで着飾った貴族が舞い踊る宮廷劇として楽しめる一方、貧困に喘ぐ庶民の暮らしもまざまざと描かれており、やがて革命に至る当時のフランスの状況がよくわかる。

『王国の子』【王女の影武者の暗躍】

びっけによる漫画。

場末の芝居小屋で役者をしていた少年・ロバートは、王位継承権を有する王女・エリザベスの影武者としてスカウトされ宮廷に招かれるものの、そこは貴族の権謀術数が渦巻く伏魔殿だった。

ロバートは生き別れた弟との再会を誓い、エリザベスの協力を得て戦いに挑むのだが……。

架空の王国が舞台という建前だが、王族の名前をヘンリー8世の周辺になぞらえている事からわかるとおり、その時代を下敷きにしていると見ていい。

気高く優しいエリザベスと意志の強いロバート、主従をこえたバディシップから目を離せない。

『薔薇王の葬列』【両性具有の王】

イギリスの薔薇戦争をテーマにした菅野文による漫画。

アニメ化も決定している。

何世代にもわたって続く白薔薇ヨーク家と赤薔薇ランカスター家の王位争奪戦戦争の中、両性具有の秘密を生まれ持った主人公・リチャード三世の苦悩を描く。

主人公のリチャードを両性具有にした、奇抜な設定が見所。

男性と女性、どちらでもありどちらでもないが故の孤独を抱えたリチャードの時に狂気さえ仄めかす複雑なキャラクター性と、その秘密がのちに生み出す悲劇に魅了される。

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