漫画・アニメ・実写映画など、様々なメディアで人気を博している『東京卍リベンジャーズ』だが、実はアニメや実写映画では「卍」の文字が削除されており、漫画にのみ卍がついていることをご存知だろうか。
今回は、「なぜアニメ・映画から卍が消えてしまったのか」というテーマで徹底考察していく。
目次
アニメ・映画には「卍」がない?
さて、本当にアニメ・映画には卍がついていないのだろうか。
皆さんご存知の通り、原作漫画には卍がついているし、Amazon等の商品名にも卍があることを確認できる。
ちなみに、漫画の表紙のタイトルでは卍を判別しづらい。「リベンジャーズ」という文字の背景に薄い色で卍がついている。
一方でアニメのタイトルロゴには卍はついていない。その代わりに、大きなヒビのようなものが「東京」「リベンジャーズ」の間についている。アニメ配信サイトのタイトル名やTwitterの公式アカウントを見ても、卍がついていない。
また、映画のタイトルロゴにも卍がついていない。スタイリッシュなロゴとなっており、卍が入る余地すらない。
以上のことから、アニメ・映画では卍がしっかりと省かれていることが分かる。
卍がないのは読みにくいから?
卍がない理由として、「卍という文字自体が読みづらいこと」が考えられる。
作品の内容を知っている人や若者にとって、卍を「まんじ」と読むことは当たり前だろう。しかし、作品の内容を知らない30代以上の方々が、卍を「まんじ」と読めるのだろうか。ましてや海外の視聴者が、卍を判読できるはずがない。
本気で世界的な知名度獲得を目指すのであれば、卍を省くことは必然なのかもしれない。
卍がないのはつけ忘れたから?
また、卍がない理由として「卍をつけ忘れた可能性」も考えられる。
流石にこの可能性は限りなく低いだろう。しかし、アニメーション制作は様々なクリエイターが複雑な繋がりで作業を進めている。それが故に作画ミスが起こるぐらいなのだから、かなり難しい作業なのだろう。
これを考慮すると、「卍をつけ忘れてしまい時間が足りなくてそのまま納品してしまった」というケースも考えられなくはない。または、「卍をつけないでタイトルロゴを作ってみたら思ったよりも良かった」というパターンもあるかもしれない。
ただ、タイトルロゴを修正するのは比較的簡単だと思われる。可能性はゼロに近いだろう。
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卍の意味が不適切だから?
他にも卍がない理由として「卍の意味が不適切」であることが考えられる。
アニメはテレビで全国放送されることもあり、規制が厳しいのはなんとなく想像できるだろう。例えば、『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』という漫画があるのだが、TVアニメ化した際には『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』というタイトルに変更されていた。これは「処女」というワードが規制されていたからだと考えられている。
では、卍にはどのような意味があるのだろうか。若者の間では「マジ卍」という言葉が用いられることが多い。意味は「超ヤバい」みたいな感じだ。また、下ネタ的な意味で「ま◯こ」と呼ぶこともあるそうだ。そうなってくると、これをタイトルに入れてしまうのは非常にマズい。
以上のように卍にはあまり良い印象がない。タイトルに含めないのがベターかもしれない。
「卍」が無い理由はハーケンクロイツに似ていたから?
また、卍は宗教的な意味合いが強い。卍は寺院を表す地図記号として用いられているのだ。つまり、仏教を表す記号と解釈することができる。インドにある古い彫刻にも、卍がついていることもある。
また、卍はハーケンクロイツの記号に非常に似ている。ハーケンクロイツとは古代よりアジア・西洋で用いられてきた鉤十字のことで、ナチスドイツの党章として用いられてきた。
この経緯があり、卍というマークには反ユダヤの差別の意味が込められている。卍は世界的にネガティブなイメージが持たれているのだ。
もし、卍をタイトルに含めてしまうと、宗教的・差別的な意味合いが強くなってしまう。これによって海外展開させるときに非常に不利になる。それを回避するために卍を無くしたのではないだろうか。
公式からの見解は述べられていないが、Twitter上ではかなり有力視されている。
粋な演出をするための伏線説
卍がタイトルに含まれないのは、粋な演出をするための伏線なのではないだろうか。
アニメ・漫画では、タイトルの伏線回収が物語終盤の盛り上がりに繋がることは少なくない。「なんでこのタイトルなのだろう?」という疑問が解消された時の快感はなんとも言えないものがある。
『東京リベンジャーズ』において、卍にはある程度の重みがある。大人気キャラのマイキーが所属するのが東京卍會や関東卍會だからだ。そして原作漫画では、マイキーがラスボスとして立ちはだかることが有力視されている。
もしアニメが原作ラストまで制作されるのだとしたら、「最後の最後でタイトルロゴのヒビの部分を卍が突き破る」というような演出ができそうではないだろうか。
映画ではなくアニメに限った話になるが、十分考えられる可能性として挙げさせてもらった。
【結論】卍はもともと飾り文字で、読む必要がなかった!
最近色んな人に聞かれたので改めてお伝えしますと、この作品の正式な読みは「とうきょうりべんじゃーず」で、「卍」は読みません。ゴー☆ジャスさんの「☆」みたいな、読まない飾りのつもりで「卍」入れてたんですが、たしかに普通読みますよね。。。この内容なら😅
— 東京卍リベンジャーズ【公式】 (@toman_official) March 6, 2020
ここでは公式の「卍」に対する見解をまとめて紹介する。
「東京卍リベンジャーズ」は「とうきょうりべんじゃーず」と呼ぶため、「卍」は基本的に読まない。ただ、読者や編集部の間で「卍が面白い!」ということで、「卍」が読まれるようになったようだ。原作者の和久井先生も「どっちでもいい」ということになっているらしい。
以上のような見解を述べていることから、「卍を読まないから」という理由でタイトルから卍を外した、というのが本記事の結論だ。
確かに『東京リベンジャーズ』は「東リべ」という略称を強く推している。これが「東卍」だとかなり読みづらい印象になる。まずはタイトルの読みやすさを意識することで、視聴しやすくしたのだろう。
おわりに
数々の理由を紹介してきたが、多くの理由に共通しているのが「卍の必要性の無さ」だ。原作者の和久井先生も「どちらでもいい」という趣旨の発言をしている。卍にそれほど強い思い入れがあるわけではなさそうだ。
読者の方々は卍の部分を読んでもいいし、読まなくてもいい。読者の中では色々と意見が分かれているが、ひとまず、『東京卍リベンジャーズ』を最後まで応援し続けようではないか。
マジ卍