『東京卍リベンジャーズ』は主人公・花垣武道(以降タケミチ)が何度もタイムリープを繰り返して悲劇を回避しようとするヤンキーSF漫画だ。
本作は最終章に入ってからも本当の黒幕が誰なのか明らかにされていない。
この記事では、橘ナオト・半間修二・マイキー・三途春千夜の4人の黒幕候補について徹底考察し、その正体に迫った!
タケミチの他にタイムリープできる人物がいる?
本作はストーリーが進行すると、「タケミチの他にもタイムリーパーが存在する」という仮説が浮上してくる。この章では、その仮説の根拠となりうる3つの事柄について解説する。
【アッくんの言動】タイムリープできる人物を知っている可能性
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最初の違和感や伏線かもと読者が考えるきっかけとなったのが2巻8話のアッくん(千堂敦)の言動だ。
アッくんは、線路に突き落としたタケミチが橘直人(以降ナオト)に助けられたのを見て、
「過去に戻れるんじゃないのか?」
とタケミチに訊ねる。
アッくんの目には、まるでナオトが未来(タケミチが落とされること)を知っているかのように見えたのだろうが、大の大人が「過去に戻れる」なんて突拍子もないことを聞くのは不自然だ。
そのため、アッくんはタイムリープできる人物を知っているのではないかという仮説が立てられた。
【タケミチの言動】自分の後に未来を改ざんする人物の存在
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タケミチが何度タイムリープを繰り返しても、未来は良くなるどころか悪化する一方だ。
焦るタケミチは千冬との会話の中で、ある仮説を思いつく。
「もしも俺が未来を変えた後に更に未来を改ざんしている奴がいるとしたら?」
(15巻127話)
タケミチは自分と同じようにタイムリープできる人物として稀咲を疑う。
稀咲がタイムリーパーだと仮定すれば、タケミチが未来を書き換えた後に今度は稀咲がタイムリープし、自分にとって都合の良い東卍を創り上げていることになる。
この説が正しければ、未来が一向に良くならないことの辻褄が合うのだ。
【稀咲鉄太の言動】自身がタイムリーパーであることを否定
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天竺との抗争で、とうとう稀咲を追い詰めたタケミチ。
稀咲をタイムリーパーだと考えるタケミチは、「おまえをもう未来へ帰すわけにはいかない」と叫ぶ。
しかし、稀咲はその言葉を否定するような言動をとる。
「オマエ…まだ オレがタイムリーパーだと思ってんのか?オレは」
(21巻184話)
その重要な台詞の途中で稀咲はトラックに轢かれて死亡する。稀咲の様子から察すれば、彼はタイムリーパーではないだろう。
しかし、タケミチをあっさりタイムリーパーだと受け入れた様子や「オレは」の後に続くはずだった話の内容を考えれば、自分以外のタイムリーパーの存在などの情報をタケミチに伝えようとしていた可能性がある。
ただし稀咲はタイムリーパーではなかったとしても、第1章における橘ヒナ殺害の黒幕であることは間違いないだろう。
稀咲以外の黒幕候補4人を一挙紹介!
本作では、稀咲以外にも黒幕(ラスボス)と疑われている人物がいるので、それぞれ順番に考察し、本当の黒幕を明らかにしていく。
黒幕候補1:橘直人(ナオト)
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ナオトが黒幕だと考察される理由は、タイムリープ4回目のヒナ死亡時の行動に怪しい部分があるからだ。
ナオトの提案でドライブに3人で行ったタケミチとヒナだが、途中でタケミチとヒナは2人で散歩することになり、一時的にヒナの傍を離れたタケミチはトイレで半間と遭遇する。
この時、半間はタケミチとヒナが公園にいることを知っているような発言(4巻32話)をしており、ナオトが半間か半間の関係者に情報をリークしたことが疑われる。
しかし、ナオトには姉のヒナを殺害する動機がない。
また、タケミチの1回目のタイムリープではナオト生存、ヒナ死亡の状態なので、もしナオトの目的がヒナの殺害ならば、もうタケミチをタイムリープさせる必要がないはずだ。
ナオトが半間や稀咲と組んでいるという仮説も、タイムリープ8回目でナオトが稀咲に殺害されているため、彼らとの共犯説はいまいち根拠が薄いように見える。
そして、ナオト黒幕説が否定される一番の根拠は、ヒナが生存したタイムリープ9回目の現代で、タケミチがナオトと握手してもタイムリープが発動しなかったことだ。
これは、ナオト自身が言ったように、彼がこれ以上過去を変えることを望んでおらず、トリガーとしての役目を終えてしまったからなのだろう。(22巻197話)
【東京卍リベンジャーズ】橘直人(ナオト)徹底解説!死亡シーンや黒幕説まで黒幕候補2:半間修二(はんましゅうじ)
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続いて、半間修二が本作の黒幕である可能性について検討する。
半間が黒幕である根拠は2つあり、1つ目はヒナが殺害されるタイムリープ4回目の現代で、タケミチとヒナが公園に来ることを知っていたからだ。(4巻32話)
また、半間は稀咲と行動を共にすることが多いので、稀咲の行動を把握していれば稀咲が黒幕だと思わせて計画を進めることも可能だ。
2つ目の根拠は、半間という人物の掘り下げが未だ本作できちんとされていないためである。もし彼の新たな過去や動機が明らかにされれば、ヒナ殺害の真犯人である可能性もありえるかもしれない。
しかし、23巻205話の番外編によれば、半間は自分の人生を退屈から救ってくれた稀咲に特別な感情を抱いており、第1章における半間の行動目的はヒナの殺害というよりは稀咲と一緒にいることなのだと読み取れる。
したがって、本作第1章のヒナ殺害の黒幕は半間ではなく稀咲と考えるのが妥当だ。
では半間は、第2章(最終章)のマイキー闇堕ちの黒幕になりうるだろうか?
それも、今後新事実が浮上しない限り、可能性は低いと考えて良いだろう。
なぜなら、第1章の半間のマイキーに対する絡み方には際立つような特別さがほとんど感じられないからである。
黒幕候補3:マイキー(佐野万次郎)
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第1章の黒幕はヒナを殺害している人物だったが、最終章(第2章)の黒幕はマイキーを闇堕ちさせている人物となる。
だがその場合、マイキー自身が犯人(黒幕)である可能性がある。
マイキーは、自分が闇堕ちする原因が「黒い衝動」のせいだとタケミチに告白している。(23巻200話)
これまで、マイキーの黒い衝動は兄の佐野真一郎や妹のエマ、場地圭介が抑えてきた。
しかし最終章では、マイキーの黒い衝動を抑えてきた人物たちが全員死亡している。
そのため、黒幕の存在がマイキーを闇堕ちさせるというよりも、マイキーの黒い衝動を抑えられる人物がいないため、自滅する形で自ら闇堕ちしていると考えるのが妥当なのかもしれない。
黒幕候補4:三途春千夜(さんずはるちよ)
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先週の半間に代わって、今週はムーチョと三途の、衝撃のお話です…😎#東リベ pic.twitter.com/9QloA9gN9P— 東京卍リベンジャーズ【公式】 (@toman_official) May 19, 2021
マイキーを闇堕ちさせる黒幕としては、三途春千夜も候補の一人だ。
三途は、タイムリープ9回目の現代で犯罪組織・梵天のナンバー2であり、タイムリープ10回目の過去でも関東卍會で総長マイキーの右腕のような立場を務めている。
いずれも闇堕ちするマイキーと最も近い場所におり、三途が頭角を現してきたこととマイキーの闇堕ちには深い関係があるのではないか、という説が読者の間で浮上してきている。
三途はマイキーを「王」とし、彼のためなら殺人も厭わないほどの忠誠心を見せている。このことからも、三途が歪んだ執着をマイキーに持つことで彼の闇堕ちを助長させているという仮説は検討に値するはずだ。
おわりに
『東京卍リベンジャーズ』の本当の黒幕について考察してきた。
タケミチ以外のタイムリーパーの存在は本作における最大の謎である!
この記事で取り上げた黒幕候補以外にも、ヒナや松野千冬、鶴蝶を黒幕と考察するファンもいて興味深い限りだ。もし他にも面白い黒幕の存在を考察した方がいたらコメントで教えて頂けると嬉しい。
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