『クリスマス・ストーリーズ』あらすじと感想【人気作家6名が綴る奇跡のクリスマス物語】

『クリスマス・ストーリーズ』あらすじと感想【人気作家6名が綴る奇跡のクリスマス物語】

最近、急激に気温が下がってあっという間に冬が到来しましたね。

冬といえば、みなさん何を思い浮かべますか?

雪、こたつ、お正月、紅白歌合戦、鍋パ、クリスマスなどなど。

僕が真っ先に思い浮かべたのはクリスマスです!

(彼女いないのでクリぼっちで寂しいんですが笑)

それでもやっぱりクリスマスを楽しみたいじゃないですか、、

そんな僕が、どうやったらクリスマス気分を味わえるか考えた結果が

「クリスマスをテーマにした小説を読んでたくさんの人のクリスマスを疑似体験しよう!」

でした。

僕はすぐさま、我らがGoogle先生で「クリスマス 小説 おすすめ」と検索。

めぼしい小説を決め本屋に直行!購入しました。

ということで、今回の記事ではクリスマス・ストーリーズを紹介します!

この本は人気作家6名が競作したクリスマス・アンソロジーとなっています。

収録内容はこちらです。

  • 朝井リョウ:逆算
  • あさのあつこ:きみに伝えたくて
  • 伊坂幸太郎:一人では無理がある
  • 恩田陸:柊と太陽
  • 白河三兎:子の心、サンタ知らず
  • 三浦しをん:荒野の果てに

「、、!!!??」

錚々たるメンツが揃っていてかなり驚きました。

錚々たるメンツが揃っていてびっくり。

朝井リョウさんは「何者」読みましたし、恩田陸さんは実写映画化が発表されたことでも記憶に新しい「蜜蜂と遠雷」は圧巻の物語でした。

伊坂幸太郎さんは有名作がありすぎます笑

他3名の方は初めて体験するのでどんな作風なのかワクワクでした。

いろんな期待を抱いて読んだ感想をどうぞ読んでいってください。

私は、何度も逆算する

私は、何度も逆算する。

一日のうちに何度も逆算する社会人四年目の松本さん(女)の話。

「何者」にも収録されていたこのお話は、何者で登場した「沢渡さん」が松本さんと同期の友人の結婚式の余興を企画する中で、お互いの「誕生日」について話していく。

キーワードは「誕生日」と「本当の意味での誕生日」。

余興の動画撮影でクリスマスにディズニーランドに訪れた松本さんは今までだれにも話していない自分の誕生日についての「悩み」を沢渡に打ち明けるのだが、、、


学生時代に初めて付き合った彼氏に言われた一言がきっかけで、自分の誕生日を逆算して両親がいつ男女の営みを行ったのかを知った松本さん。

自分はそんなノリと雰囲気で生まれてきた子供なのかとずっと悩んでいたが、沢渡に打ち明けたことで自分の考えは勘違いだったことに気づく。

沢渡のかっちょいいラストシーンは必見です!!

なにかやらなきゃいけないときに、その瞬間で覚悟できてるやつなんて、そんなにいないって。皆、後から、あのときはああだった、こうだったって、きっかけや覚悟を後付してるだけなんだと思うよ

幸せ満開だったはずのカップルが上京して、、

寧々翔也は高校の頃から付き合っている地元から上京してきた大学生だ。

二人の家庭はそれほど裕福ではないため、両親からの仕送りの金額は一般的にみて低い。

なんとか生活するために二人はバイトに明け暮れる日々。

バイトと大学の授業で忙しく二人で会う時間がだんだん取れなくなってきた頃、寧々はもっと一緒にいる時間を増やすために翔也に同棲の話を持ちかけた。

彼女は翔也が賛成してくれることを疑わなかった。

だが、翔也はそれを断った。

今、一緒に暮らしたら、おれたちきっと駄目になっちゃうよ。つまらないことで喧嘩して、いらいらして・・・、おれ、まだ自分のことで精一杯で、寧々をちゃんと受け止める自信がない。でも、もう少し待ってくれたら、もう少し今の暮らしに慣れたら、大丈夫だ。おれ、寧々のこと、寧々との将来のこと、本気でちゃんと考えていきたいんだ。だから、焦らないで、もう少し待ってくれよ

翔也が本心から誠実にこのように伝えたのに、寧々は焦っていたため彼がその場しのぎでそう言っているものだと感じた。

それが大きなきっかけになり彼女は翔也の気持ちを信用できなくなっていった。

それからしばらくして、二人はクリスマスイブを迎えることになる。

寧々は家であったかい鍋を食べながらゆっくりと過ごすイブを心の底から楽しみにしていた。

だがしかし、、翔也にバイト先から電話がかかってきてヘルプでバイトに行かなければならなくなってしまう。

二人の大切な日をバイトに台無しにされて寧々は激怒し「さよなら」と彼に告げ、歩き出す。

翔也は慌てて彼女を追うが、、、、

その後、二人がどうなるかは読んでみてのお楽しみです!

ここまで読めばだいたい予想はつきますね笑


寧々の心の焦りが読んでいると痛いほどに伝わってきました。

彼のことが大好きでたまらないのに、お互い時間が取れなくて全然会うことができない苦しみ。

会ったら会ったでどうでもいいことでイライラして喧嘩して大事な時間を無駄にしてしまった。

そういう経験がある方は多いはず。

カップルの良好な関係に焦りは禁物ですね( ^∀^)

サンタクロースの仕組みは存在する

松田陽一はしょっちゅう仕事でミスを犯すが、職場の雰囲気を和ます愛されキャラだ。

彼の会社は年に一度のクリスマスのためだけに存在している。

サンタクロースなる人物は存在しない。が、仕組みは存在する。

そう、彼の会社はサンタクロースというシステムを恵まれないこどもたちに提供する事業を行なっている。

(便宜上、ここから彼の会社をKと表す)

恵まれない子供というのは、

クリスマス前に親が大事故にあった子や虐待に晒されている子供。

近親者がいない子、子供に無関心な親の元にいる子のことだ。

どうやって恵まれない子供たちをピックアップするのか?

Kの調査部が各地を飛び回って「サンタクロースを必要としている子」をクリスマスまでにリスト化するのだ。

Kには他にもユニークな部署がたくさんある。

例えば、

  • 希望されたプレゼントの手配を玩具メーカーと交渉する部署
  • クリスマス当日の天気を分析する部署
  • トナカイのコンディションを管理する部署
  • トナカイの引く橇を操縦してその子供の家にプレゼントを配達する部署

ちなみに、冒頭で説明したおっちょこちょいの松田さんの部署は「プレゼントを選び届け先の情報を管理する」部署だ。

大事な部署なのに松田さんは毎年、届けるプレゼントを間違える

前の年でのミスがクスッと笑えて面白かった。

小学生の男の子のプレゼントが直前まで決まらずにいて松田さんは物品管理部に相談した。

管理部の担当者は「男の子なら今年は鉄板がありますから」と即答した。

それを聞いた松田さんはどういうわけか言葉通りに素直に受け取り、「鉄の板」をプレゼントに選んだのだ。

こうしたミスを毎年起こすおっちょこちょいな彼だが、そのミスが届け先の子供にとっていい方向に働くのだ。

これがこの短編のキーとなる。

松田さんのミスがクリスマスの子供達にどんな奇跡を起こすのか。

必見です。

『きよひこ』と『三田』

ハセベと後輩のヨシダはある国の国境警備見張りの仕事をしている。

ヨシダは「なぜ十二月二十五日は祝日になったのか?」という疑問に対する持論を興奮気味でハセベに説明するお話。

物語に出てくる「きよひこ」はキリストで「三田」はサンタクロースのことなのかな?

ちょーっと僕にはよくわからない話でモヤモヤしました。

リサイクルショップ赤城の出張サンタ

リサイクルショップ赤城の店長 シングルマザー伊予子(31)。

伊予子は息子のたすくに玩具以外も新品は買い与えることはない。

自分もお下がりしか身につけない。

物への執着心が全くない。

全く人生の息抜きをしない。

酒は飲まないし、タバコも吸わない。

趣味はないし、テレビも観ない。

音楽も聴かない。

ないないづくしの生き方だ。

そして、ずっと働いているのだ。

休みの日も、トラックで出張買取に出かける始末。

伊予子の息子のたすく(10)。

まだ10歳なのに口が達者で小賢しい。

学校や近所では大人を言い負かしてばかりいる曲者。

赤城で働きながら司法試験2浪中の太志(27)。

この3人の物語。

お話の舞台であるリサイクルショップ赤城では毎年、出張サンタをやっている。

出張サンタとは、サンタコスプレをしてイブの夜に子供の枕元にプレゼントを届けるサービスだ。

一度、伊予子がやった時に女の人だとバレそうになったことから2代目赤城サンタは太志が務めている。

今年の出張サンタでは、なにやらたすくが良からぬ企みをして渋々それに加わることになった僕であったが、、


太志はたすくの母、伊予子に対して好意的な思いを持っていたが、それを恋愛感情だとは思っていなかった。

たすくの企みによって自分の本当の気持ちに気づく太志の心の葛藤をお楽しみください。

キュンキュンします。

江戸時代の人から見た現代クリスマスに涙する

天草の武士 卯之助 と百姓の弥五郎。

気づくと二人は地下鉄千代田線明治神宮前駅のホームにいた。

150年以上前の江戸時代からタイムスリップしてしまったのだ。

ホームに到着した電車を見た二人は驚きを隠せなかった。

だだだ大蛇が!光り輝いて!

大蛇に立ち向かおうと刀を抜こうとする卯之助、だが先ほどまで腰にかかっていた刀はそこになかった。

電車から乗客が降りてくるのを見て二人はさらに驚いた。

だだだ大蛇がひとを吐き、呑みこんだぁ

何が何だかわからない状態で混乱していた二人に酔っ払いの女(里絵)が近づいてきて話しかける。

えー、なにそのかっこ。まじうける。いまごろハロウィン?明日はクリスマスイブだよ!

卯之助と弥五郎の二人は里絵に連れられ、電車に乗り彼女の家に行きそこで元の世界へと帰る方法を探すのだが、、、


ただのタイムスリップおもしろ物語なのかなと思ったら、全然違った。

読んでいる最中、涙が止まらなかった。

卯之助が生きる江戸時代は切支丹が禁制だった。

武士である卯之助はキリシタンを摘発する立場で、捕らえられた切支丹たちがひどい拷問を受け虐殺するのを目の当たりにしていた。

なにを信じるか信じないかで罰せられるそんなひどい時代だった。

キリスト教を信じているから、拷問して殺していい。

今では到底考えられないがそういう時代に卯之助たちは生きていた。

物語の後半で二人は里絵に連れられクリスマスイブの新宿へとやってくる。

そこで二人が目にしたのは、切支丹の祭り(クリスマス)をみんなが楽しそうに祝っている姿だった。

卯之助は自分たち武士がしていることを嘆いてこう言った。

キリシタンを大量摘発して、責め殺して、だけど百五十年経ったらどうだ。だれも切支丹かどうかなど気にしていない。どうしてお上は、なにを信じてよくて。なにを信じてはいけないかを、決められるなどと考えたのだろうなあ

上の命令で仕方がなく本当はやりたくもないことをやらされている卯之助の心の叫びが痛いほど伝わった。

弥五郎が現代のクリスマスを表現しているセリフにも心を揺さぶられた。

この世界を見てください。みんなが信じたいものを信じ、それでも楽しく暮らしている。

これが悪夢ですか?そうじゃないでしょう。おいらたちが夢見る理想の世界です。

そうか、僕たちが生きる現代日本は切支丹禁制時代の彼らにとっては理想の世界なのか。

だれでも、なんでも、信じても信じなくてもいい世界』に生まれてこられて本当にそれだけで幸せなんだなと思った。

せっかくこんな素敵な世界に生まれたのだからやりたいことをがむしゃらにやって信じたいものをたくさん持って一生懸命力強く生きていこうと思った。

まとめ

いかがでしたか?

クリスマスの新しい楽しみ方として、「クリスマスをテーマにした小説を読んで疑似体験する」のも悪くないな〜と今回この記事を書いていて思いました。

みなさんが素敵なクリスマスを過ごせますことを心から祈って終わりとします。

メリークリスマス!!

主題歌:Ariana Grande/Santa Tell Me

アリアナ・グランデちゃんの『Santa Tell Me』でっす!

この曲が一番クリスマス気分を味わえます!!

アリアナの可愛らしい歌声に癒されながらリラックスして読むのは至福でした( ^∀^)

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