児童書とは、概ね0歳から10代までを読み手の対象とした文学作品のこと。
一括りに児童書と言っても対象年齢はさまざまで、子どもの成長に合わせて触れる作品を選んでいくことが大切だ。
ここでは、低学年・中学年・高学年の3つに分けて、それぞれの学年におすすめな児童書を紹介していく。
目次
低学年向け児童書5選【絵も一緒に楽しむ】
低学年の子どもには、目で見ながら楽しめる、絵がたくさんある児童書がおすすめ。
絵本から児童書へと切り替えていくこの時期は、いきなり文字ばかりの作品から始めるのではなく、絵も一緒に楽しめるものから触れていくようにしたい。
『おしりたんていシリーズ』トロル
IQ1104の名探偵が難事件を解決する!
ティータイムと読書が趣味、どんな時も冷静でIQ1104の頭脳をもつ名探偵、おしりたんてい。そんな名探偵のもとに舞い込んでくるさまざまな難事件を、助手のブラウンと一緒に解決していく物語だ。
主人公の見た目が「おしり」でインパクトがありつつも、登場することわざや熟語をしっかり解説してくれるため、楽しく学べる一冊になっている。
『ぐりとぐら』なかがわりえこ 作/おおむらゆりこ 絵
料理が大好きな双子の野ねずみの平和な日常
子どもたちに長く愛され続けている、言わずと知れた児童書の名作。料理することと食べることが大好きな野ねずみの双子ぐりとぐらが、森のなかで見つけた大きな卵を料理していく様子が描かれている。
ほっこりする可愛らしい絵とワクワクする展開に、子どもの夢がギュッと詰まった作品だ。作品のなかで登場する有名な「カステラ」は、本を読んだ後に親子で作ってみるのもおすすめ。
『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット
猛獣達溢れる島に龍を助けに行こう!
冷たい雨の日、年を取った野良猫に出会ったエルマー。野良猫からある島に囚われている可哀想な龍の話を聞いたエルマーは、龍を助けるため猛獣のいる島へと向かう。
シリーズを通してボリュームたっぷりの物語で、子どもだけでなく大人も一緒に楽しめる作品だ。シリーズ1作目であるこの作品を読めば、世界中で半世紀以上も愛され続けている理由がきっとわかるはず。
『ぼく モグラ キツネ 馬』チャーリー・マッケジー
2020年イギリスで最も売れた奇跡の本
イギリスとアメリカで社会現象を巻き起こし「2020年イギリスで最も売れた本」となった作品。少年、モグラ、キツネ、馬が順番に出会い旅をしていく様子が、繊細で美しいイラストとともに描かれている。
うっかり子どもに読み聞かせをすると大人が涙してしまうような、あたたかくやさしい言葉たち。人生にちょっぴり疲れてしまった人、新しいことに向かって頑張っている人に、一度立ち止まって手に取ってほしい作品だ。
『1日10分でちずをおぼえる絵本 改訂版』あきやまかぜさぶろう
都道府県を楽しく覚えられる画期的な絵本
日本の47都道府県の形、場所、名前をすらすらと言えるだろうか?この作品では、大人も苦戦してしまうような都道府県を、動物や乗り物などに見立ててわかりやすく解説されている。
カラフルで可愛らしいイラストを見ながらクイズに答えていくうちに、いつの間にか47都道府県が覚えられる画期的な絵本だ。子どもに勉強に対するハードルを感じさせずに、大人も一緒になって楽しく学ぶことができる。
中学年向け児童書5選【主人公と一緒に成長する】
中学年になると、感受性はすでにそれぞれのなかで育ってきていると思う。この時期に、主人公の視点からさまざまな出来事を経験し繊細な心の動きに触れることで、より感受性を育てていくことができるのではないだろうか。
『モモ』ミヒャエル・エンデ
「時間どろぼう」に立ち向かえ!
町はずれにある廃墟の円形劇場に住み着くようになった、粗末な身なりをした不思議な少女モモ。モモは街の人々の悩みを聞くことで、彼らの悩みを解消したり、幸せな気持ちにさせたりできる。
ある日街に現れた「時間どろぼう」から時間を取り返すため、モモが立ち向かっていく姿が描かれた物語だ。
「時間」がテーマの作品で、人生のなかでどのような時間が大切なのか、自身の時間を見つめ直すきっかけを与えてくれる。
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『星の王子さま』サン=テグジュペリ
大切なものは目に見えない
1943年に出版されて以降、200以上の国と地域で愛され続けているサン=テグジュペリの代表作。飛行機の操縦士である「ぼく」が、不時着した砂漠で王子さまと出会う場面から物語はスタートしていく。
飛行機を修理する「ぼく」と王子さまの交流、王子さまがしてきた旅の話、そして出会いと別れ。やさしい言葉で紡がれる愛と絆をテーマにした物語から、目に見えない本当に大切なことは何なのかを考えさせられる。
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『星の王子さま』あらすじと感想【いつも忙しそうにしているあなたへ】『ハリーポッターシリーズ』J.K.ローリング
世界中で愛される魔法使いの物語
2001年に映画化され、世界中で幅広い年代にファンが多い『ハリーポッターシリーズ』。11歳の誕生日、両親を亡くし親戚の家で冷遇されていたハリー・ポッターの元に、ホグワーツ魔法魔術学校から手紙が届く。魔法学校に入学し多くの人々と出会っていくハリーの成長と、待ち受ける数々の困難を描いた物語だ。
登場人物たちは決して完璧とは言えないが、それでも人間らしく懸命に生きようとする姿に心打たれるだろう。
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』廣嶋玲子
駄菓子でお客さんの運命を翻弄!?
叶えたい望みや悩みを抱える主人公の前に現れるふしぎな駄菓子屋・銭天堂。店主の紅子が差し出す駄菓子には願いが叶うふしぎな力があるが、それを食べるには注意が必要。注意書きをよく読まずに食べてしまった主人公を、どんな結末が待っているのか…。
先が気になって読む手が止まらなくなるような、どこか妖しさのあるストーリーが魅力的な作品だ。
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『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』大野正人
偉人たちの失敗談で勇気がわいてくる!
誰もが一度は耳にしたことがある偉人たちの失敗談を集めた一冊。ピカソ、アインシュタイン、手塚治虫、ベートーベンなど、偉業を成し遂げてきた歴史上の人物も、実はさまざまな失敗を乗り越えてきている。
なかなか語られることのない偉人たちの失敗談が、イラストを交えて読みやすくまとめられている。偉人の意外な一面に共感したり、失敗を乗り越える過程に発見があったりと、他とは違った視点から偉人を知ることができる作品だ。
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