人気作家や芸能人など、あらゆる分野の人のおもしろい体験談や価値観、教訓を楽しめるエッセイ。
この記事では読書好きの皆さんに教えてもらったエッセイおすすめ43選を、笑える・グルメ・芸人・旅・韓国などのジャンルごとにランキング形式で紹介します!
目次
笑えるエッセイのおすすめ
1位『もものかんづめ』さくらももこ
小山志織
そんな友蔵じいさんの最期を面白おかしく描写した抱腹絶倒エッセイです!
「こんなにおもしろい本があったのか!」と小学生からお年寄りまでを笑いの渦に巻き込んだ爆笑エッセイの金字塔!!著者が日常で体験した出来事に父ヒロシや母・姉など、いまやお馴染みの家族も登場し、愉快で楽しい笑いが満載の一冊です。「巻末お楽しみ対談」ではもう一度、全身が笑いのツボと化します。描き下ろしカラーイラストつき。

2位『風と共にゆとりぬ』朝井リョウ
本当だったら塞ぎ込みたくなる出来事でも、朝井リョウにかかれば笑いのネタに!
直木賞作家の技量と朝井リョウならではの感性に触れて、気が滅入る状況も笑って楽しめるようなエッセイ本です。
1冊で100回笑える、腹筋崩壊エッセイ!



3位『のっけから失礼します』三浦しをん
宝塚の観劇に行ったり、友人とひたすらお酒を飲んだり、とことん風邪を引いたり。なんてことはない日常が綴られているだけなのに、腹筋が崩壊する文章。
軽妙洒脱、それでいて全く気取らない毎日に心が緩む。エッセイを初めて読む人も身構えることなく、直木賞作家の生活を覗くことができる。
実際に覗き見なんて趣味が悪いけど、こんなに面白い日常を送っている三浦さんの毎日を文章で眺められるのなら、読まない手はないでしょう!
自分の生活も同じように愉快なのかも?とポジティブな気持ちになれる。
『BAILA』好評連載に5本の書き下ろしを加えた、自称「構想5年!」の超大作。ありふれているのに奇想天外な日常が綴られる三浦しをんワールド炸裂の抱腹絶倒エッセイ集。



4位『日々の考え』よしもとばなな
飼っている亀のチ◯ポをみて驚いた話や、「彼女のコミュニケーションは下ネタしかない」と言うほど下ネタ好きな実のお姉さんのぶっとんだ笑い話など、頭の中を空っぽにして楽しめる爆笑エッセイです!
ばななさんのお姉さんの下ネタ全開の『雨の御堂筋』の替え歌は、思い出すだけで笑いがこみ上げてきます(笑)
ふざけた話ばかりではなく、大人も考えさせられる内容が多いのもこのエッセイの魅力!
「ブックオフに行ってもワクワクしない理由」「中途半端な値段で大して美味しくもないオシャレめな飲食店に金を払うのはどうなのか」など、ばななさんのこだわりが垣間見えるエピソードもたくさん収録されていて、ばななさんの思想に惚れました。
遠くの電線にとまっている鳩をパチンコで撃ち落としたり、人に言えないようなエロ話を披露する素敵な姉との抱腹絶倒の日々―。ユニークな友人と見つける小さいけれど、人生にとっては大きな発見!そして、心ない人へは素直な怒りもたぎらせる。読めば元気がふつふつとわいてくる本音と本気で綴った爆笑リアルライフ。
5位『思わず考えちゃう』ヨシタケシンスケ
ヨシタケシンスケさんの考えに笑ったり、考えさせられたり。サクッと読めて深い。絵も可愛いです!
電車で、カフェで、自分の家で。「ついつい考えすぎちゃう」ヨシタケ氏がスケッチと共に書きとめた、まじめーな事から、世にも下らぬ事まで。たとえばー。「仕事のピンチを乗り切るには?」「いわゆる男女の仲って、何?」「他人のストローの袋が気になる」「孤独感を、どう解消するか」「明日、すごいやる気を出す方法」…。絵本作家ヨシタケシンスケの、「読むとクスッとしてホッとしてちょっとイラッとする」スケッチ解説エッセイ!
6位『適当日記』高田純次
とにかく笑える高田純次の魅力が詰まっている暴力的に面白い作品!
ただ、何一つ得るものはないので、暇な時か息抜きとして読むといいと思います。
発言の「適当さ」「無責任さ」が魅力となり、一般視聴者はもちろん、各界の著名人にもファンの多い高田純次。本書は、還暦を迎えた2007年1月21日から“無理やり書かされ始めた”彼の日々の生活がすべてわかる日記。
グルメエッセイのおすすめ
1位『POPEYE特別編集 味な店 完全版』平野紗季子
フードエッセイスト・平野紗季子が、100軒以上にのぼる飲食店をユーモアたっぷりに紹介するグルメガイドブック。
単にオシャレでおいしい店にとどまらず、個性的な店を取り上げているのが好印象でした。店主の人柄やお客さんに愛されていることが伝わってくるエピソードの数々に、お腹と心がほっこりします。
それぞれの章が短いのでスキマ時間にサクサク読めますし、「塩対応ですがなにか?」「リトルな店主のリトルな店」「おしながきはひとつだけ」など、インパクト抜群なタイトルで掴みもばっちりでした。
食を通して店、人、町を描いてきたフードエッセイスト・平野紗季子さんによる渾身の飲食店案内が完成しました。味な店= “そこにしかない物語の宿る店” 。「実家皿の店」、「メニューがひとつの店」、「塩対応の店」など個性的な切り口で、愛しきレストラン、食堂、カフェなど総数100軒以上の飲食店へ取材を重ね、50テーマ&250ページを超える大ボリュームの一冊にまとめあげました。
2位『生まれた時からアルデンテ』平野紗季子
生粋のごはん狂で、自らを「食中毒」と称するフードエッセイスト・平野紗季子さんが出会った素敵なレストランや心奪われた料理の数々、食に対する自身の哲学などがエモい写真とともに綴られたエッセイ。
コペンハーゲンにある世界一のレストラン「noma」で食べたちょっとユニークなコース料理の回がとても刺激的でした!生のじゃがいもにストロー用のネギが刺さっているココナッツジュースや、焼いたネギの中にマトリョーシカのように小ネギが入ってる料理など、超一流シェフの発想力に度肝を抜かれました(笑)
レストラン選びについて考えさせられたので、食べログであえて調べず、自分の直感に従って行ったことのないご飯屋にチャレンジするということをやっていきたい!
どうせ散財するなら、3,000〜4,000円の高級ランチに行ってみると面白いよというお話も印象的でした。
著者の平野さんは、小学生のころから食日記をつけていたり、現在は様々なメディア・雑誌で食にまつわる執筆活動をされているので、「われこそは食通だ!」という人は読んで損はない1冊だと思います!
すべての幸福は食から始まる。世界一のレストランの殺気に満ちた食事に、味に表情がある学食のカレー。平和なフルーツサンド界を脅かす圧倒的存在や、想像力を逞しくさせる嫌いな味。スーパーマーケットの目を引く陳列に、真剣勝負のメニューなど、愛と希望と欲に満ちた、ミレニアル世代の傑作味覚エッセイ。
3位『おやつが好き』坂木司
おやつって、なぜか幸せなイメージがありませんか?
季節の雰囲気も、それに出会った時の感動も、食べた瞬間の記憶も、なぜか先生が書いたままに思い出されるのです。
エッセイの中で坂木先生が「勝手に和菓子普及委員会」を開かれてますが、委員長に相応しいのは坂木先生を置いて他にありません。
『和菓子のアン』の著者の初エッセイ集は、やっぱりお菓子!ああもう、全部食べたい。銀座の名店から市販のお菓子まで。単行本未収録の小説も併録。
4位『満腹論』坂本真綾
彼女の語る信念や哲学が私は大好きです。
「世界中まるごと味わいたい」という夢を持つ真綾さん。このエッセイ集では、そんな彼女が食べた世界各地の料理のことや、「食べる」ことに関する自身の哲学について綴られています。
ユーモア溢れる語り口でとても読みやすく引き込まれます。食べることだけでなく、この世界に生きていることそのものの幸せを感じさせてくれるエッセイです。
世界を旅する中で出会った料理や、家族や友人と食べた思い出の料理、さらに仕事やプライベートでの日々の出来事など幅広い内容を網羅。坂本真綾、待望の最新エッセイ。
5位『最初の、ひとくち』益田ミリ
作者が最初に食べた一口の記憶力に驚き、そして自分も一緒に振り返るきっかけになりました。
初自腹のパフェは、ファミレスの味。思い出がふんわり甦る極上の食エッセイ。
韓国エッセイのおすすめ
『あやうく一生懸命生きるところだった』ハ・ワン
#韓国大手書店「2019年上期ベスト10」#韓国のネット書店YES24「2018年最高の本」
40歳を目前に何のプランもなく会社を辞めた著者。既存の価値観のしがらみから離れ、ユル~く生きる中で見えてきた意外な真実とは?
仕事や家庭、人間関係に疲れてしまった人へ贈りたい1冊。一生懸命頑張らなくても、自分の考え方次第で人生が楽になると教えてもらえました。
常にマイペースを維持することや楽観的でいることの大事さに気付かされるので、日々に忙殺され自分を失っている人に手に取ってほしいです。著者のとぼけた人柄にも癒されます。
韓国でベストセラー25万部。毎日、走り続け疲れきったあなたへ。自分をすり減らす毎日から抜け出し“自分らしい生き方”に出会える人生エッセイ。



コミックエッセイのおすすめ
『腐女子のつづ井さん』つづ井
#「次にくるマンガ大賞2015」Webマンガ部門2位
ゴーイングマイウェイなつづ井さんの腐女子ライフを描いた爆笑コミックエッセイ。
推しへの無限大の愛をラップバトルで歌い上げたり、壁にテープを貼り等身大の推しを妄想するなど、なるべくお金と手間をかけず全身全霊で萌えまくる貪欲さが素晴らしい!
彼女のもとに集まる友人たちも一様に個性的で、オタ活する分野はそれぞれ違えど、推しキャラや推し作品にかける情熱に圧倒されます。皆で部屋に集まり、アニメ鑑賞しながらワイワイ騒ぐ様子はとても充実していて憧れました。
物心つくよりも先にBL妄想に目覚めていた一介の腐女子・つづ井さんと仲間たちの喜び多い日常をつづるエッセイ漫画!
女優のエッセイおすすめ
『Lily 日々のカケラ』石田ゆり子
「名前はよく聞くけど、どんな女優さんなの?」という人にこそ読んでほしい!
かくいうぼくもその1人でしたが、読み終わったときには「なんて素敵な方なんだろう!お慕たい申す」と彼女のファンになってました。それくらい女優・石田ゆり子の魅力がギュッと詰まった1冊。
コーヒー愛を語る回で「Coffee、珈琲…そんな文字を見るだけで心躍ります」と書かれていたのが印象的でした。この1文だけで、そうとうコーヒー党なことが伝わってきますね(笑)
寝ている時の表情は実は大切なんだそう。目からウロコでした。石田さんにならって今夜からぼくも「微笑んだ顔で」眠ることにします!
独りでも、自然体で穏やかな毎日!
同世代の女性として、「若いことが偉いわけじゃない。むしろ苦しいことだ」という一文に勇気づけられました。
ゆり子さんは本をたくさん読んでいるから、文章がキレイで語彙が豊富!少し変わっている思想も魅力的です。
大好きなものなどについて綴った21編のエッセイ、正直に語ったロングインタビュー。美の秘訣やお気に入りレシピ、硬軟とりまぜた103のQ&Aほか、全編撮り下ろし、書き下ろし。
芸人のエッセイおすすめ
1位『天才はあきらめた』山里亮太
よしもと養成所「NSC」入学から、南海キャンディーズ結成やM-1決勝戦に出場し一気に仕事激増した時期のこと、さらには南海キャンディーズ暗黒期や初の単独ライブ開催までを熱量たっぷりに書かれたエッセイ本。
エッセイですがビジネス書寄りな印象でした。巷で溢れかえっている自己啓発本を読むなら、本書を読んだほうが心に火がつくと思います!やけどに注意。
怒りや悔しさは努力の燃料に。張りぼての自信貯金のすすめ。自分が面白いと思うものを作ることの大切さなど、人生という荒波を力強く乗り越えていくために必要なことがたくさん詰まっています。
また、南海キャンディーズを結成する前に2度のコンビ解散があったことや、相方しずちゃんへの嫉妬で嫌がらせをしていたときのことなども書いてあり読み応え抜群でした。
ちなみに文庫版の解説「ぼくが一番潰したい男のこと」は、山ちゃんの親友・オードリー若林さんが執筆。本編に全く引けを取らない熱量で山里亮太愛を語られていて面白かったです。
嫉妬の化け物・南海キャンディーズ山里は、どんなに悔しいことがあっても、それをガソリンにして今日も爆走する。コンビ不仲という暗黒時代を乗り越え再挑戦したM-1グランプリ。そして単独ライブ。その舞台でようやく見つけた景色とは――。



2位『ナナメの夕暮れ』若林正恭
この先、楽しく生きていくためのヒントが書かれている、言うなれば”攻略本”みたいな一冊だと思います。
オードリー若林、待望の新エッセイ集!『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書き下ろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編!



3位『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』阿佐ヶ谷姉妹
私と同年代の40代後半の女性2人が、6畳1間で同居していることが信じがたい事実でした。
しかし、読み進むうちに、なぜか心がほっこりほくそ笑む自分がいました。
東京都杉並区阿佐ヶ谷駅前の商店街の温かい義理と人情。「前世では実の姉妹だったのでは?」と想いを馳せるほどの適度な距離感の仲の良さ。
SNSの誹謗中傷が後を絶たない現代に、大切なものを思い出させてくれた1冊でした。
40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉める一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけに舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を抱えつつもマイペースな日々が続くと思いきや―。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う往復エッセイ。
4位『ひとりで生きていく』ヒロシ
芸能界はすごい!1番印象に残ったことは、ヒロシの最高月収が4,000万円(!)ということです。
けれど、そんな多額のお金を手にしても「心の幸せ」は買えないのですね…。
「お金がすべてじゃないことを知るために、お金を貯める」という考え方に納得しました。
中年独身男女とその家族におすすめしたい1冊。
群れない、媚びない、期待しない。絶望せずに生きる、独り身社会の処方箋。つながらずに生きるのは、こんなにラクで素晴らしい!
芸能人のエッセイおすすめ
『壇蜜ダイアリー』壇蜜
2017年の冬から2018年の秋まで、壇蜜さんが日々感じたことや仕事、趣味(プール、サウナ、ウーパールーパーの飼育)について赤裸々に綴った本。
一文一文に趣があり、洗練された美しい文章にうっとりしました。200文字程度で1日1日を濃密に振り返るスタイルなので、小説のような読み応えたっぷりのエッセイを探している方におすすめです!
随所に散りばめられた比喩表現も素敵でした。例えばこちらの一文。「ゲリラ豪雨は周囲を蹴散らして感情を伝えようとする不良のようで苦手だ」。
壇蜜さんは、年がら年中(お仕事中でも)睡魔と戦っていて、休日はほとんど寝て過ごすというのは意外でした。
人間以外の生き物と暮らすのが好きとおっしゃっていたので、ペットを飼っている人にもぜひ読んでみてほしいです!
壇蜜のあるがまま。今日もまた“自分いじり”に磨きがかかる。
旅エッセイのおすすめ
1位『47都道府県女ひとりで行ってみよう』益田ミリ
観光地や名所はあまり登場せず「この県にこんなところがあるのか」と新しい発見の連続でした!
ひとり旅だからこそできる、そのときの気分で偶然見つけたものに触れる旅。
旅行先でも無理しない肩肘張らないゆるさと、かわいいイラストに癒されます。
写真が載っているだけでなく、各地で使った金額も記載されていて、実際に旅行した気分になれました。
日本には47都道府県もあるのに、行ったことがない場所があるというのはもったいないなぁ。というわけで、全部行ってみることにした。33歳の終わりから37歳まで、毎月東京からフラッとひとり旅。名物料理を無理して食べるでもなく、観光スポットを制覇するでもなく。その時の自分にちょうどよいペースで、「ただ行ってみるだけ」の旅の記録。
2位『旅をする木』星野道夫
文章がとても優しく、アラスカの大自然という厳しい環境の中でもその優しい文章に人のあたたかみを感じることが出来る。
信じられないような綺麗な景色、過酷な場所、聞いたことのない民族との出会いなど、実生活ではなかなか体験できないことを本書を通して追体験し、世界の広さを感じることで心も少し解放される感覚を味わえる。
本好きな方には「海流」という章がオススメ!読書家の著者が海外の古本屋を訪れる様子はとても面白いものとなっているので楽しめるだろう。
広大な大地と海に囲まれ、正確に季節がめぐるアラスカ。1978年に初めて降り立った時から、その美しくも厳しい自然と動物たちの生き様を写真に撮る日々。その中で出会ったアラスカ先住民族の人々や開拓時代にやってきた白人たちの生と死が隣り合わせの生活を、静かでかつ味わい深い言葉で綴る33篇を収録。



人気作家のエッセイおすすめ
1位『ラブコメ』原田マハ
作家・原田マハさんと漫画家・みづき水脈さんが参加した「特殊なお米づくり」のワークショップでの体験が、文章とマンガで綴られたエッセイです。
「農薬を使わない、畑を耕さない、そして農機も一切使わない」という、現代の農家の常識を覆す「特殊なお米づくり」は、見ているだけで筋肉痛になりそうなほど、ハードな作業の連続です!
しかし、これは先人たちが行っていたお米づくりの方法であり、読み終わるとご先祖様へ感謝の念を抱かずにいられません。
先に『生きるぼくら』を読んでから、読むことオススメします。
作家・原田マハと漫画家・みづき水脈がタッグを組んで、自然農でコメ作りを始めた。種籾をまき、畦塗りをし、田植えをする。草を刈り、かかしを作り、いよいよ稲刈り。金色に輝く稲穂から脱穀し、そして豊穣祭―。今どきイケてる農作業ファッションとは?ていねいに育てられたお米の味は?早起きや力仕事もチームワークで乗り切る、発見と驚きに満ちた一年間のコメ作り。田園に吹く爽やかな風を感じる、エッセイ&コミック。
2位『仙台ぐらし』伊坂幸太郎
「エッセイを書くのは苦手だ」と巻末でおっしゃっていましたが、小説と同じくらい読み応えがあり面白かったです!
仙台在住の作家・伊坂幸太郎さんが、身の回りで起きた面白おかしい出来事を綴ったエッセイ。
前半は「タクシーが多すぎる」「ずうずうしい猫が多すぎる」などの多すぎるシリーズ!後半では東日本大震災が起きたことによる心境の変化などを語られています。
カフェで仕事中、隣の席のおじさんの話に付き合っていたら顎を触られたというエピソードが特に笑えました!
何事も心配しすぎて色々と考えてしまう伊坂さんだからこそ、ユニークで魅力的なキャラクターたちを生み出せるんだろうなと「心配事が多すぎる」を読んで思いました。
タクシーが、見知らぬ知人が多すぎる。仙台に住み執筆活動を続ける著者が、日々の暮らしを綴ったエッセイ集。あの傑作小説はこうして生まれた! 短編小説「ブックモビール」も収録。
3位『さいえんす?』東野圭吾
東野さん、血液型性格診断が嫌いって知ってましたか?
「ガリレオ」シリーズなどで知られる超人気ミステリー作家・東野圭吾さんの意外な一面が知れるファン必読の書です。
独自の視点でズバズバと論理的に、世の中のあらゆる物事に物申していく内容のものが多く、爽快な気分になりました!「大学生が被災地への募金を募るくらいなら、その時間を使ってバイトして稼いだお金を送るほうが良いのでは…」という考えには思わず納得。
科学技術の進歩がミステリー小説に与えた影響や、出版業界の未来・貸与権・敵、プロ野球を盛り上げるために1リーグ4球団の3リーグ制にする案など、面白いお話がてんこ盛りで大満足。
日頃から常識を疑う習慣がある人や、現代社会に対して不満を抱えている人、理系作家ならではの創作時の悩みに興味がある方はぜひ読んでみてほしいです!
「科学技術はミステリを変えたか?」「男と女の”パーソナルゾーン”の違い」「数学を勉強する理由」……元エンジニアの理系作家が語る科学に関するあれこれ。



4位『目覚めよと彼の呼ぶ声がする』石田衣良
人は自分自身を変えることは難しいけれど、街の空気に自分を合わせたり、その街で買い物をして行きつけの店を作り、じっくりと街や人を観察していく。
また、料理好きという意外な一面を持っていて、まさに素の部分を知ることが出来た。
石田さんは多種多様な見識を持っていて、この本の中では恋愛相談から男女の特性の話、ご自身のライフスタイルや身近な人や物、作家という仕事についてと多くの質問に答えている。
10年以上も前の出来事なのだけれど、古さを感じず、雑誌に掲載されていた当時の生き方が伝わってくる。
現代を鮮烈に描き、絶大な支持を集め続ける石田衣良の刺激に満ちたエッセイ集。恋愛、東京、子供、音楽、時事、そして文学―。あらゆるテーマに対し軽やかに、かつ鋭く切り込んでいきます。自在の作風をもつ石田衣良を形作ってきたものは何なのかを窺い知ることのできる、必読の一冊。語りおろしインタビューを新たに収録。
5位『いまだ、おしまいの地』こだま
エッセイというと、より明るく気軽に楽しめるものが好まれるのだろうが、私にはこのくらいのほの明かりがちょうどいい。
こだまさんの書くものは、どこか雪明かりや冬の日差しを思わせる。強すぎる光線にはいささか怯んでしまうものの、こだまさんが静かに放つ光は、ずっと浴びていたいと願ってしまうのだ。
講談社エッセイ賞を受賞した前作『ここは、おしまいの地』とあわせて読むと、より深く味わえるだろう。
集団お見合いを成功へと導いた父、とあるオンラインゲームで「神」と崇められる夫、小学生を出待ちしてお手玉を配る祖母、40万円の詐欺に遭う妻(こだま)…“おしまいの地”で暮らす人たちは、一生懸命だけど何かがおかしい。『第34回講談社エッセイ賞』受賞作家こだまの日々の生活を切り取った、受賞後初となるエッセイ集。
趣味エッセイのおすすめ
1位『三十代の初体験』羽田圭介
30歳を迎えた芥川賞作家の羽田圭介が、やりたいことに初挑戦していった4年間の顛末を綴ったエッセイ。
若くはないけど老けたというには早すぎる、微妙な年齢に揺れる著者の心境がリアルに描かれていて共感しました。
女装や猫レンタル、さらには十二単を着るなど、片っ端から興味があることに取り組んで一喜一憂する姿は大変生き生きしており見習いたくなります。
自分の可能性を狭めず人生を楽しむコツを知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
時に能動的に、時に偶発的に新しい体験をする――。羽田圭介があるがままの姿と思考の変遷をさらした本書は、新しい道へ一歩だけ踏み出し、人生に豊かさをもたらすきっかけとなりうる、自己啓発本のような側面もある体験エッセイ。
2位『万年筆インク紙』片岡義男
元・万年筆販売員のわたしも驚きました。
パイロットの万年筆にペリカンのインクを入れるとは、販売員としてはありえません。また、わざわざペン先をルーペで見て比べるなんて、したことがありません。
「販売員の知識なんて、本当の万年筆好きにはとても敵わない」と思い知らされた1冊です。
自分の思考が文字となって紙の上に形をなす。自分の頭の中から、自分の思考をもっとも良く引き出してくれるペン、インクの色、そしてノートブックとは―。作家・片岡義男が道具から「書く」という仕事の根幹について考えた刺激的な書き下ろしエッセイ。
3位『絵本を抱えて 部屋のすみへ』江國香織
おれはよく分かんないけど、かなり網羅的なんじゃないかと思います。作品も作者も。
枚数の関係だと思いますが、圧縮率が異様に高い「こてこて」の作品です。
自分が自分だと気づく前に遇ってしまっていた絵本。愛してくれている大人の温もりと共に身体にしみこんでしまっている絵本。人生の複雑さを知った心に響いて忘れえぬ一冊となった絵本。ブルーナ、ポター、クーニー…私がいまの私になるために、絵本たちとのとても大切で幸福な出会いがあった。絵本という表現手段への愛情と信頼にみちた、美しく豊かな言葉で紡がれた35編のエッセイ。



4位『宇宙の柳、たましいの下着』直枝政広
ピンからキリ、雲から泥まで話し尽くす内容ですが、まあでもこれでも全部じゃなくて一部なんだろうな。
音楽好きにおすすめですが、1つ難を挙げると、話の半分も分からないとこ。高度すぎ!(笑)
レコードジャンキーである直枝政広(カーネーション)が自身でセレクトしたロックを中心とした名盤、貴重盤100枚+αについてとことん語り尽くし書き尽くす。カーネーションの音楽にとどまらず、現在において聴かれるべきロック、音楽を聴くことの楽しみをより深く知るための必読書。
生活エッセイのおすすめ
1位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ
#第7回ブクログ大賞 エッセイ・ノンフィクション部門受賞 #Yahoo!ニュース本屋大賞2019受賞
多様性・格差・差別・子どもとの関わり方などについて改めて考え直すきっかけになります。
大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽く飛び越えていく。世界の縮図のような「元・底辺中学校」での日常を描く、落涙必至のノンフィクション。



2位『そして生活はつづく』星野源
「つまらない毎日の生活をおもしろがること」がテーマのエッセイ。
携帯電話料金の支払いが億劫、部屋探しのときに職業を何と答えるか、八百屋を営む祖父との泣けるエピソードなど、15個の面白いエッセイが収録されています。
随所に散りばめられた源さんの変態っぷりを楽しむも良し、あるあるネタに「わかるわ〜」と共感するも良し。
源さんが学校での人間関係で苦労しているのを察した母「ようこちゃん」が、頑張れと励ますのではなく、あの手この手で家の中だけでは楽しく過ごしてもらおうとする「子育てはつづく」には感動しました。
源さんが腹痛に悩まされていて稽古中にトイレに駆け込んだというストーリーには妙に親近感が湧きました(笑)ぼくも「はらいたはつづく」に日々苦しめられているので。
携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。ならば、そんな素晴らしくない日常を、つまらない生活をおもしろがろう。音楽家で俳優の星野源、初めてのエッセイ集。
3位『ワイルドサイドをほっつき歩け』ブレイディみかこ
#Yahoo!ニュース|本屋大賞2020 ノンフィクション本大賞ノミネート
英国在住の著者が労働者階級のおじさん達の愛すべき生態を描き出したエッセイ。
泣いて笑って騒いで飲んで、たまにへこんで立ち直るおじさん達の悲喜こもごもの人生模様は読みごたえたっぷり。
肥満を気にしてヘルシージュースを飲んだり、おちゃめで憎めない中高年の言動が最高!祖国のEU脱退や経済格差にも一家言持っており、タフネスな反骨精神に痺れます。
これを読めばおじさん達にもっと優しくなれますし、今現在おじさんである人は自分に誇りが持てますよ。
EU離脱、競争激化社会、緊縮財政などの大問題に立ち上がり、人生という長い旅路を行く中高年への祝福に満ちたエッセイ21編。第2章は、現代英国の世代、階級、酒事情についての著者解説編。



4位『海をあげる』上間陽子
#Yahoo!ニュース|本屋大賞2021 ノンフィクション本大賞 #第7回沖縄書店大賞沖縄部門大賞
感情をすごく揺さぶられた。
著者の沖縄に対する苦しみ、悲しみ、嘆きが繊細に綴られていて、言葉にできないことを言葉としてうまく表現してくれている。
「海が赤くにごった日から、私は言葉を失った」おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。 幼い娘を抱えながら、理不尽な暴力に直面してなおその目の光を失わない著者の姿は、連載中から大きな反響を呼んだ。ベストセラー『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』から3年、身体に残った言葉を聞きとるようにして書かれた初めてのエッセイ集。
猫エッセイのおすすめ
1位『今日も一日きみを見てた』角田光代
奇跡的なご縁で角田さんの家にアメリカンショートヘアの子猫がやってきます。
トトと名付けられた猫は、3日もしないうちに自然と角田家に馴染み…。
トトが可愛くて大切でたまらないという角田さんのはちきれんばかりの愛や、ペットを飼うことの喜びが伝わってくる猫猫猫なフォトエッセイです!
猫を飼った経験も飼う予定もない僕のような人間でも、トトのあまりの可愛さにあてられて、毎日「もふ」りたくなりました(笑)いつか猫飼ってみたい!!
猫にも人間と同じように感情的な何かがあるのかもしれないと思う描写がたくさんあり、興味深かったです。
猫を飼うか犬を飼うか迷っている人や、猫=人懐っこくないと思っている人にぜひ読んでほしい1冊。
生後三カ月で角田家にやってきたアメショーのトトは、粘り強く慎重派で、運動音痴。ああやっぱり私に似てしまったんだねえと同情し、愛猫の寝息に至福を覚え、どうか怖い夢を見ませんようにと本気で祈る。この小さな生きものに心を砕き世話しながら、救われているのは自分の方かもしれない―猫を飼うことで初めてひらけた世界の喜びと発見。
2位『猫には嫌なところがまったくない』山田かおり
タイトルが秀逸。
いつかは二度と会えない遠いところへ旅立つ大切な存在。たとえ別れの時が来たとしても、出会えた奇跡と共に過ごした時間は確かに存在する。
2匹の猫、CPとのりやすの写真がすごく可愛いです。
「どんなに掃除してもひょっこり出てくる奴らの毛。でもいつかはこの毛も完全になくなってしまうのだろうか」二匹と過ごしたのは、長い、夢みたいな時間。いつかは不思議な惑星に旅立つすべての人と猫たちへ。
哲学・美学系エッセイのおすすめ
1位『俺か、俺以外か。ローランドという生き方』ROLAND
思わず血がたぎってしまう1冊!
歌舞伎町ナンバーワンホストになったその年に現役を引退し、現在はホストクラブのオーナーや美容品のプロデュース、YouTube・メディア出演と大活躍のローランド氏。
本書では、彼の放った数々の名言を「哲学」「美」「愛」「仕事」「人生」に分類し、どういった場面で使ったのか、またどういう想いが込められているのかの解説つきで楽しめます。
中でも面白かったのは、大事な打ち合わせで居眠りしてしまったときの「寝てません。まぶたの裏見てただけです」という言葉!謝ることは誰にでもできるけど、逆に洗練されたユーモアでピンチを乗り越えてやろうとし、爆笑の嵐に変えてみせたローランドさん、カッコ良すぎ!
「自分の人生、自分が主役」を地で行く彼の生き様からは、惰性で過ごしているとつい忘れがちな大切な何かを思い出させてくれます。
発する言葉のすべてが「名言」となる現代ホスト界の帝王ローランド初の著書。名言から浮き彫りになるローランドの生き方、美学。
2位『大河の一滴』五木寛之
頑張ることに疲れてしまったという方におすすめです。
今までとは違った考え方を知ることで、気持ちが少し楽になります。
いま『歎異抄』の心を現代に問う平成人必読の書!人生は苦しみと絶望の連続だ。地獄は今ここにある。その覚悟が定まったとき、真の希望と生きる勇気が訪れてくる。ブッダも親鸞も究極のマイナス思考から出発した。五木寛之がはじめて赤裸々に吐露する衝撃の人間論。
読書ガイド的エッセイのおすすめ
1位『三四郎はそれから門を出た』三浦しをん
「一人きりでする行為のように見えて、常にだれかとつながっている。時空も、虚実も狭間も超えて。だから私は、読書が好きだ」
文章の面白さに定評がある三浦しをんさんは、三度の飯より読書を愛する本の虫であり、マンガも大好きなオタク女子!
栞の代用品にまつわる珍調査など、思わず吹き出してしまうこと間違いなしのエッセイ集です。
おすすめ本から、映画や歌舞伎、思い出の場所など、しをんさんのことがもっと好きになる、ファン必読のエッセイです。
「オシャレの追求に励むのは来世にまわし、今生では思うぞんぶん読書しよう思う。…世の中にこんなに本があるのに、顔なんか洗ってる場合じゃない」。筋金入りの活字中毒者・三浦しをんによる、抱腹絶倒、時に涙の読書&文化ガイド新装版!
2位『マイ・ディア 親愛なる物語』氷室冴子
また、適切な解説であり紹介であり、鋭くも親和的な批評もあるパーフェクトな内容です!
『赤毛のアン』『花かざりのローズ』『リンバロストの乙女』『少女レベッカ』『あしながおじさん』などなど…。タイトルや主人公の名まえを耳にしただけで、少女だった頃の夢と想い出と懐かしさと胸いっぱいになってしまう〈家庭小説・少女小説〉の数数―。本屋さんで目につきにくくなった主人公の少女たちの復活を願って、初めて書き下ろしたマイ・ディア・ストーリー(親愛なる物語)の世界。とにかく、目いっぱい楽しいブックガイド・エッセイです。
家族エッセイのおすすめ
1位『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』辻仁成
パリで息子と暮らす著者が日々のよしなごとを切り取ったエッセイ。
妻と離婚後、息子が抱いて寝たぬいぐるみが涙でびしょびしょだったエピソードが切ない!
息子が思春期に突入したのちは父親であるからと過干渉せず、一人の対等な人間として接する姿が印象的でした。
エキゾチックなパリの日常も生き生きと活写され、目に映像が浮かんできます。男親あるあるネタを交えた、ユーモアあふれる文章にはくすりとしました。親子の絆を象徴する、おいしそうなご飯の描写も必見!
ぼくが離婚をしたのは息子が10歳になったばかりの年だった。本書は14歳の頃からスタートするが、回想するように、息子が10歳だった当時に遡ることもある。小学生が大学生になるまでの間の父子の心の旅の記録である。
2位『永遠のおでかけ』益田ミリ
益田ミリさんの着眼点や柔らかいイラストが好きで愛読者です!
この本は大切なお父さまを亡くされて書かれたエッセイ。手続きのバタバタや、なんだか胸にぽっかり穴が空いた気分だとかが色々綴られてます。
「父が最後に買ってくれたのはセブン-イレブンのおでんだった」。「ダ・ヴィンチ」編集部が選んだ「今月の絶対はずさない!プラチナ本」 (2018年3月)に選出。心に響く名作、待望の文庫化!
古典エッセイのおすすめ
『こころ彩る徒然草』木村耕一
学校の授業で取り上げられる有名な古典随筆作品『徒然草』。
エッセイスト・木村耕一氏が、鎌倉・室町時代にしか必要のない話題を取り除き、現代に通じるメッセージを選択して意訳したものが載っているので、古典初心者さんにも読みやすくなっている。
『徒然草』を書いた兼好法師の言葉と教えは、700年たった今の時代にも参考になるものばかり。兼好さんの言葉で元気もらえたり、生きる上で大切なことも学ぶことができた。
普段古典を読まない人にこそ読んでほしいエッセイ集だ。
『徒然草』を開くと、新しい景色が見えてくる。もっと明るく、もっと楽しく生きるヒント。



おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今すぐ読んでみたくなるような面白そうなエッセイとは出会えましたか?
この記事が新たな作品との出会いのきっかけになればと願っております。
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