マトリョーシカ
「あいつの全てを知り尽くし 尻に敷いてしまいたいわ
良い子のふりしたマトリョーシカ 2つめの顔を見せましょうか」
「近いうちに愛されるかな、私、私」
(作詞:あいみょん)
「尻に敷いてしまいたい」と「近いうちに愛されるかな」の二面性。
強気と弱気が交互に顔を出す、まさにマトリョーシカで遊ぶような一曲。
声の抑揚、絶妙に韻を踏んだ歌詞と、キレッキレな表現力が光っています。
マトリョーシカ×太宰治『斜陽』
「没落貴族の娘」から「恋の革命戦士」へ・・・かず子のたくましき変貌ぶりには、マトリョーシカも真っ青です。
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、「なぜ、私が、うれしかったか。おわかりにならなかったら・・・殴るわよ?」には鳥肌が立ちました。手紙だから殴れるはずもない。しかし、その文章には真に迫るものが確かに感じられる。
「人間は、みな、同じものだ」 いや、生まれ方が同じでも、滅ぶ時に見せる”顔”は全く違う。
太宰治『斜陽』のあらすじ
直治が南方から帰って来て、私たちの本当の地獄がはじまった。
〝斜陽族〞という言葉を生んだ名作。没落貴族の家庭を舞台に麻薬中毒で自滅していく直治など四人の人物による滅びの交響楽が静かに始まる。
破滅への衝動を持ちながらも“恋と革命のため”生きようとするかず子、麻薬中毒で破滅してゆく直治、最後の貴婦人である母、戦後に生きる己れ自身を戯画化した流行作家上原。没落貴族の家庭を舞台に、真の革命のためにはもっと美しい滅亡が必要なのだという悲壮な心情を、四人四様の滅びの姿のうちに描く。昭和22年に発表され、“斜陽族”という言葉を生んだ太宰文学の代表作。
(BOOKデータベースより引用)
まとめ
いかがだったでしょうか?
あいみょんさん自身はまだ10代なのに、合わせた小説は『TUGUMI』を除き、ことごとく大人の女性が主人公でした。特に意識したわけではないのですが、幅広い世代の「物語」にフィットする歌手であると思いました。
あなたも、あいみょん×本が織り成す、自分だけの青春世界に浸ってみてください。
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