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『老人と海』原作小説あらすじと感想【自然の驚異に人間らしく立ち向かっていく1人の漁師の物語】

『老人と海』あらすじと感想【自然の驚異に人間らしく立ち向かっていく1人の漁師の物語】

ノーベル文学賞を受賞した本書、知ってはいたがずっと手に取らずにいた。

今読んで良かったと思えたのは、自分も年を重ねたからだろう。

若い頃に読んでいたら、歳を重ねることに勇気をもらえるかもしれない。

こんな人におすすめ!

  • 釣りが好きな人
  • 勇気が欲しい人
  • やる気がない人
  • 何かにくじけそうな人

あらすじ・内容紹介

年老いた漁師のサンチャゴは、40日間1匹も魚が獲れない日がつづいていた。

一緒に船に乗っていた少年マノーリンは、両親にほかの船に乗るよう言いつけられたため、別の船に移ることとなる

サンチャゴは年老いた体で1人漁に出ることに。

少年マノーリンは別の船で最初の1週間で上物を3匹も釣り上げるが、老人サンチャゴはその後も毎日空っぽの船で戻ってくる

しかし、魚が獲れない日が続いた85日目にして、サンチャゴは巨大カジキと遭遇し、死闘を繰り広げる。

村に戻るまでの難関を、自分と時に魚や海、星や心の中にいるマノーリンと向き合い、対話しながら人間らしく突き進んでいく

自然の驚異に人間らしく立ち向かっていく1人の漁師の物語。

『老人と海』の感想・特徴(ネタバレなし)

サンチャゴの性格

まず、本書の1番の見どころはやはり、漁に出てから戻ってくるまでの出来事である。

次に注目すべきはサンチャゴの性格だ。

魚が獲れない日々でもサンチャゴは、「毎日が新しい日だ」と言う。

さすがに84日間魚が獲れず、飲み食いもろくに出来なくなったらめげてしまいそうなものだが、サンチャゴは違うのだ。

いつもその日のベストを尽くす

全身、枯れていないところなどないのだが、目だけは別だった。老人の目は海と同じ色をしていた。生き生きとしていて、まだ挫けてはいなかった。

心が若くあるということはきっとこういうことで、チャレンジする気持ちや諦めない気持ちが目を輝かせるのだろう。

老人はいつも海を、女性ととらえていた

海を男性と捉え海自体と闘う気持ちで漁をするものもいる中、サンチャゴは違った。

海を女性と捉え、突然変わる潮の流れも月に影響される女性と同じと感じていた。

漁師としてのプライドを持ち、男らしい反面、獲った魚に対しての想いからも優しい男であることが分かる。

失うもの、得るもの

亡き妻の絵を見えないようにして飾っていたり、一緒に船に乗り漁を共にしてきた少年マノーリンが冒頭から別の船に乗ることになってしまったりと、大切な人や物を失う描写が多い。

しかし物語を読み進めていくうちに、サンチャゴは物質的なものを失っていたとしても、心の中は何も失っておらず、日々いろんなものを逆に得ている生き方なのだろうと感じることが出来た。

自分を奮い立たせる時に、今まで歩んできた経験や出来事を思い返し、若い頃の自分に励まされている様子が何度も出てくる。

経験や思い出は物質的なものではないが、サンチャゴにとって心の栄養となっていた。

考えてみれば私も若い頃の経験に励まされることがあったりする。

歳を重ねると、若い頃持っていたものがどんどん無くなるように感じる時もあるが、若かったころの自分から勇気を得て、そしてまた今だからこそ持っている経験と共に進むことが出来る。

サンチャゴは、いろいろなものを失い、若い日のようにはいかなくとも、その姿勢から若い人に希望を与え、眠るためのベッドがある喜びを心から感じることが出来たのだから、人生の中では大漁だったはずだ。

ライオンの夢

何度もキーワードのように登場する夢の中のライオンは、若き日のサンチャゴ自身や、ライオンのようにありたいと思う気持ちの表れなのだろうかと思ったが、もう1つ、ライオンを眺める夢=マノーリンの将来を見つめるサンチャゴ自身なのかもしれない。

途中、魚を殺すことについて考え始めるサンチャゴだが、たくさんの人のお腹を満たすために獲るのだと、自分の仕事に自信を持つ思考に持ち直す

1人で漁に出ている孤独から、魚に話しかけたり鳥に話しかけたりと、だんだん魚にも愛着が湧いていくが、しっかりと割り切って自分の仕事をこなしていく。

孤独は、自分自身との語り合いとなる

その時に間違った方向へ行かないことが肝となる。

そんな自分の姿をライオンと重ねていたようにも思える。

まとめ

人間は、負けるようにはできてはいない。殺されることはあっても、負けることはないんだ

負けるということが本来どういうことなのか、考えさせられる。

お金がたくさんあるわけでも、今現在大成功しているわけでなくても、少年マノーリンを通してこれからの未来に繋げていくことができるサンチャゴは私から見れば、たくさんの物を得ていて、そしてワクワクする未来も持っているように思えた。

シンプルなあらすじではあるが、その中に人間が困難に立ち向かう姿、大自然と立ち向かう姿、自分の仕事を全うする姿など、「どんな状況でも最後まで諦めずにベストを尽くすことは、結果がどうであれ周りに馬鹿にされたとしても、素晴らしいことなのだ」と思い知らされる。

若さと知恵、経験があれば最強になれるのではないかと思った。

いろいろな読み取り方があると思うが、私はポジティブなものとして全体を読みとったので、たくさんの勇気をもらえた。

サンチャゴとマノーリンが組んで漁に出る日がうまくいくといいなと思いつつ、人生うまくいかないこともある中、それを痛みと共に受け止めることが出来るサンチャゴに、きっとここから運が向いてくると思いたくなった。

描写としては、潮の香りがしてきて口の中に魚の味がしてくるようだった。

そのくらい入り込んで読んでいて、最後は人生に立ち向かう強さをもらえた。

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