〈殺し名〉序列、第3位。
殺人鬼の〈零崎一族〉。
血ではなく流血で繋がる彼等は、しかし深い家族愛で結ばれている。
そんな〈零崎〉の中でも、一際名を轟かせる〈零崎三天王〉。
〈自殺志願(マインレンデル)〉こと、〈零崎双識(ぜろざき そうしき)〉。
〈愚神礼賛(シームレスバイアス)〉こと、〈零崎軋識(ぜろざき きししき)〉。
〈少女趣味(ボルトキープ)〉こと、〈零崎曲識(ぜろざき まがしき)〉。
そして〈零崎の中の零崎〉にして〈生粋の零崎〉たる、〈人間失格〉こと〈零崎人識(ぜろさきひとしき)〉と、最後の〈零崎〉である〈零崎舞織/無桐伊織(ぜろざき まいおり/むとう いおり)〉。
彼等は如何にして家族となり、如何にして滅んでいったのか。
『戯言シリーズ』の裏側で起こっていた、現在・過去・未来に跨る、殺人鬼達の戦いと家族愛の物語。
こんな人におすすめ!
- 西尾維新氏のファン
- バトル作品が好きな人
- 『戯言シリーズ』が好きな人
あらすじ・内容紹介
〈表の世界〉の裏側に位置する、〈暴力の世界〉。
〈殺し名〉や〈呪い名〉なる魑魅魍魎が跋扈するこの世界でも、〈関わってはいけない〉と言われる〈殺し名〉、〈零崎一族〉。
血ではなく、流血で繋がる彼等は、1人に手を出せば全ての〈零崎〉が殺しにやってくる程の家族愛で結ばれている。
そんな零崎の中でも、一際名を轟かせる〈零崎三天王〉。
巨大な鋏〈自殺志願(マインドレンデル)〉を手に人間を試験する、〈零崎双織〉。
〈愚神礼賛(シームレスバイアス)〉なる釘バットを振り回し、零崎の中で最も激しい殺し方をすると恐れられる、〈零崎軋識〉。
凡ゆる音を巧みに使い熟し、敵を翻弄する音楽家、〈零崎曲識〉。
彼等は如何にして戦い、如何にして散っていったのか。
そして、〈零崎の中の零崎〉にして〈生粋の零崎〉たる〈零崎人識〉と、〈最後の零崎〉となった元普通の女子高生〈零崎舞織/無桐伊織〉。
零崎唯二の生き残りとなった2人は、どの様な道を歩んでいくことになるのか。
そして彼等の前に現れるのは、〈人類最強の請負人〉こと、〈哀川潤(あいかわ じゅん)〉。
彼女の破天荒な行動は、〈零崎一族〉に何を齎すのか。
〈殺し名〉同士の戦いや、過去に起こったという〈大戦争〉。
そして、〈零崎一族〉の壊滅。
『戯言シリーズ』の裏側で起こっていた激闘を描く外伝作品にして、〈零崎一族〉の戦いと家族愛の物語。
『人間シリーズ』の感想・特徴(ネタバレなし)
殺人鬼、〈零崎一族〉の激闘
−それでは零崎を始めよう
今作で大きく取り上げられるのは、殺人鬼集団〈零崎一族〉による激闘の数々だ。
〈暴力の世界〉に身を置く、魑魅魍魎。
その中でも、〈殺し名〉序列第3位にして〈最も忌み嫌われる〉とされる、〈零崎一族〉を中心に、物語は展開していく。
1人に手を出せば、一族全員で復讐にやってくるという性質が故、〈零崎に手を出すな〉という不文律が存在している筈の〈暴力の世界〉で、〈零崎一族〉を狙い撃ちしたかのように繰り返される襲撃の数々。
襲い来る、他の〈殺し名〉や〈呪い名〉。
そして、新たなる〈零崎〉の覚醒。
これらの事態に立ち向かう〈零崎一族〉の戦いからは、目が離せない。
個性あふれる、〈零崎三天王〉たち
かるーく零崎を始めるちや
そんな異様な事態に立ち向かうのは、〈零崎一族〉の中でもその名を轟かせる〈零崎三天王〉たちだ。
巨大な鋏〈自殺志願(マインドレンデル)〉を手にして敵を葬る〈13番目の地獄〉にして、妹大好きの変態殺人鬼、〈零崎双識〉。
釘バット〈愚神礼賛(シームレスバイアス)〉を振り回し、〈零崎〉の中でも最も激しい殺し方をする荒々しさを持ちながら、その実とあるサイバー犯罪集団に属していたこともある二面性を持つ殺人鬼、〈零崎軋識〉。
あらゆる音を使い熟し、精神支配から物理攻撃までを自在に行える音遣いにして、〈少女しか殺さない〉という誓いを自らに課した異色の殺人鬼、〈零崎曲識〉。
各々が独自の戦闘スタイルを持つ彼らが、やはり特色ある他の〈殺し名〉や〈呪い名〉と渡り合う様子も、今作の大きな見所だろう。
そして、生粋の〈零崎〉である少年、〈零崎人識〉。
流血で繋がるが故に血縁関係はない〈零崎一族〉の中で、唯1人〈零崎〉同士の近親婚から生まれた彼は、〈零崎〉の中でも際立って特殊な少年だ。
『戯言シリーズ』においても登場した彼が、どのような活躍を見せるのかも要注目ポイントだ。
『戯言シリーズ』のアフターストーリーとしても
零崎を始めるのも、悪くない
今作『人間シリーズ』は、『戯言シリーズ』で起こる事件の裏側を描いたものだ。
それ故、『戯言シリーズ』では詳細が語られなかった〈大戦争〉や〈暴力の世界〉について、より掘り下げて語られる。
更に『人間シリーズ』中には、『戯言シリーズ』の登場キャラクターも多数登場する他、時系列的には同シリーズより後に起こった事件も描かれている。
シリーズ単品としても楽しめるが、『戯言シリーズ』を読んでおくことで、更に深く楽しむことができる作品となっている。
まとめ
殺人鬼集団〈零崎一族〉の、戦いと家族愛を描いた今作。
『戯言シリーズ』の外伝作品的な扱いでありながら、壮大な舞台設定や癖の強い登場キャラクター、手に汗握るバトルなどが入り混じり、単独の物語としても非常に満足度が高い作品となっている。
更に、『戯言シリーズ』のアフターストーリー的な側面も持っており、実に多様な楽しみ方ができる作品だ。
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