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『蟹工船』あらすじと感想【ようこそ地獄の労働環境へ】

『蟹工船』書影画像

ブラック企業と聞くと、誰もが劣悪な労働環境を思い浮かべるだろう。

汚くて、体力的・精神的にキツくて、低賃金で、休みは最低限しかない(またはない)。

労働基準法?そんなものはない、上司や社長の言うことが絶対的な法律。

最近になってやっと改善されてきたものの、まだまだ道半ばの現代だ。

じゃあ、昔の労働環境ってどうだったんだろう?と気になったあなた。

そんな疑問を解決するのにピッタリの物語がある。

ブラックな労働環境の見本を覗いてみないか?

こんな人におすすめ!

  • この世の地獄を覗いてみたい
  • ブラック企業で病んだことがある
  • ホワイト企業でしか働いたことがない
  • どんな仕事でもいいからお金を稼ぎたい

あらすじ・内容紹介

舞台は蟹工船という、太平洋戦争前にオホーツク海のカムチャツカ半島沖海域で操業していた大型船。

北洋漁業で使用されており、漁獲物の加工設備を備えた大型船だった。

搭載した小型船でタラバ蟹を獲り、すぐに母船で蟹を缶詰に加工する。

その母船の一隻である「博光丸」が舞台だ。

蟹工船は工船で、航船ではないという扱いだった。

だから法律なんて適用されず、危険な老朽船を改造して投入された。

そして工場でもないという扱いで、労働法規も適用外だったのだ。

東北一円の貧乏な出稼ぎ労働者に対する資本側の非人道的扱いが当たり前の世界。

そして、北洋漁業振興の国策と言う意味からも、政府が資本側と結託して事態を黙認していたのだ。

劣悪な労働環境で働かされる労働者たち。

やがて、ストライキを起こすために一致団結するが・・・。

『蟹工船』の感想・特徴(ネタバレなし)

次男以降の男子は辛いよ

小説の舞台は太平洋戦争前。

当時の法律は長男が跡取りとしてすべてを継ぎ、次男以降の男子や女子には相続の権利はなかった。

女子であれば、結婚という道があるが次男以降の男子には生きる術がない。

当時は乳児の死亡率も高いから、兄弟姉妹が多いのが当たり前。

どうしても、貧乏になる子どもがでてしまうのだ。

おい地獄さ行(え)ぐんだで!

蟹工船で働くしかない貧乏な農村の次男坊や三男坊。

地獄だと分かっていても、行かざるを得ない気持ちを思うと胸が痛くなる。

いったいどんな地獄が待っているのか、覚悟していても想像を絶する地獄に行くしかないという状況は、今のわたしたちにはどんなに想像してもわからないだろう。

そんなセリフから話は始まるのだ。

資本主義の真実。使用者の圧倒的優位

もし、自分が社長だったら・・・なんて思ったことはないだろうか。

そしたら気に入らない人はクビにできるのに。

そう思うかもしれないが、現代なら労働基準法などの法律があり、法治国家としての枠組みが一応ある。

しかし蟹工船はそんな法律なんて一切通用しない地獄。

監督が言うことがすべてで、逆らえば拷問にかけられてしまう世界だ。

公平に云って、上の人間はゴウマンで、恐ろしいことを儲けのために「平気」で謀んだ。漁夫や船員はそれにウマウマ落ち込んで行った

そう、資本主義とは使用者と労働者では、使用者が圧倒的に強い。

もちろん現代では労働者も法律によってある程度保護されているが、やはり使用者が強いことは現代だって変わらないだろう。

漁夫(労働者)たちは地獄とわかっていても、ほんの一握りの金持ちがぼろ儲けで自分たちには雀の涙以下のお金しか入ってこない現実をかみしめる。

もし、自分が蟹工船に乗り込んでいたらどう思ったのだろうか。

諦めるのか、戦うのかはその状況になってみないと分からないけれど、あまりにも希望のない現実に直面すると人はその状況に慣れてしまうのが恐ろしいと思った。

犠牲を出さないためにはどうしたらいい?

漁夫たちが立ち上がってストライキを起こすが一度目は失敗。

果たして二度目はどうなるのか。

こうした行動を起こすとき、団結とは言うが簡単ではない。

誰かが裏切るかもしれない、そう思うと踏み切れないと思ってしまう。

本当のことを云えば、そんな先きの成算なんて、どうでもいいんだ。死ぬか、生きるか、だからな

労働者が一致団結して、どうなるのだろう?なんて思う人は現代にもたくさんいるだろう。

労働者と言っても、恵まれた環境の人と蟹工船のような地獄にいる人では、見えるものも、願いも違うからだ。

そんな中、二度目のストライキで漁夫(労働者)たちは極限の状況で、ある答えを見つけるのだ。

その答えこそが、使用者側に対抗する最大の手段だった。

それは現代でも変わらない・・・と言えたらいいと思うが、残念ながら現代では難しいこと。

現代ほど人が一致団結するのが難しいことはないと思う。

だからこそ、この物語を読むと最後に一筋の希望が見えた気持ちになってしまうのだ。

まとめ

以上、『蟹工船』について少し紹介した。

実際に読んでみると、すさまじいブラック企業ぶりに慄いてしまうかもしれない。

「現代にこんな環境ないよ!」と思ってしまうかもしれないが、果たしてそうだろうか。

いくら労働関係の法律があっても、現代だってまだまだ差別や搾取されている現実は存在する。

「たまたま、いま自分がいる環境が恵まれているだけかもしれない」ということを忘れないでほしい。

あなたのすぐ近くにも、地獄の入り口があるかもしれないのだから。

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