『メタルギアソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』あらすじと感想【「メタルギアサーガ」ついに完結!】

『メタルギアソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』あらすじと感想【「メタルギアサーガ」ついに完結!】

伝説の英雄「ソリッド・スネーク」や科学者「オタコン」達の奮闘も虚しく、核兵器「メタルギア」は世界中に溢れ返っていた。

更にナノマシンとネットワークにより戦争は管理され、経済行為へと変化を遂げる。

そして、「ビッグ・ボスのクローン」というソリッド・スネークの肉体は、その定めから逃れられずに急激な老化を迎えていた。

それでも彼は戦う。

リボルバー・オセロットの肉体に寄生した宿命の兄弟、リキッド・スネークの野望「全世界的な戦争状況」という悪夢を終わらせるために。

メタルギアサーガ、堂々の完結!!

こんな人におすすめ!

  • 伊藤計劃の小説が好きな人
  • メタルギアシリーズが好きな人
  • メタルギアシリーズを、1冊で把握したい人

あらすじ・内容紹介

暗号名「ソリッド・スネーク」。

「ビッグ・ボス」のクローンとして生まれた彼は、世界中を飛び回り、幾度となく悪魔の核兵器「メタルギア」を破壊してきた。

しかしその肉体はクローンとしての宿命から、急激な老化に蝕まれていた。

更に、かつてシャドー・モセス島でのミッションの際に遺伝子学者「ナオミ・ハンター」によって彼の肉体に打ち込まれた、特定の遺伝子配列を持つ人間だけを死に至らしめるナノマシン「FOX DIE」は変異を重ね、無差別に人を襲う凶悪なウイルスになろうとしている。

世界を救ったとしても、その後に彼自身が「歩く大量殺戮兵器」になってしまう前に死ななければならない。

それでも彼は世界を救うために、世界で生きる者達を救うために、地獄から蘇った呪われし兄弟「リキッド・スネーク」との戦いへと挑んでゆく。

「戦争経済」と「愛国者達」、そして「恐るべき子供達」計画。

全ての謎が解かれ、最後に訪れる運命の邂逅は彼に何を齎すのか。

「メタルギアシリーズ」、最後の戦いが始まる。

『メタルギアソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』の感想・特徴(ネタバレなし)

伝説の英雄「ソリッド・スネーク」と、彼の活躍を語る「オタコン」

この物語で、ぼくはそれをきみに知って欲しいんだ。

本書は、「オタコン」ことハル・エメリッヒが伝説の英雄「ソリッド・スネーク」のことを語る、という形態で進んでいく小説だ。

利潤追求が目的の経済活動と化した戦争、その最中に飛び込んでゆくスネークをサポートしながらも、友人として彼を心配をするオタコンの矛盾と苦しみ、そして優しさが、本文からひしひしと伝わってくる。

そして、彼が語る「伝説の英雄」ソリッド・スネークの活躍。

それは、伝説の英雄という言葉からは想像もつかない、ソリッド・スネークの苦悩や悲しみをも余すことなく伝える。

伝説の英雄が挑む最後の戦い。

その戦いに巻き込まれ、または自ら飛び込んでいった者達。

彼らがこの戦いの末に、何を見つけるのか。

どのような答えを出すのか。

決して目が離せない。

宿命の敵「リキッド・スネーク」と、「リボルバー・オセロット」

戦争は終わった。最後は、個人的な決着をつけよう

ソリッド・スネークと同じく、「恐るべき子供達」計画で生まれたビッグ・ボスのもう1人のクローン、「リキッド・スネーク」。

彼はシャドー・モセス島でソリッド・スネークと戦い、敗れ、死んでいった。

しかし、彼の右腕は「リボルバー・オセロット」という兵士の腕に移植され、その強烈な目的意識は宿主たるリボルバー・オセロットの精神を乗っ取り、「リキッド・オセロット」と呼ばれる怪物が誕生した。

「全世界的な戦争状況の実現」という野望の果てに、彼が目指すものは何なのか。

リキッド・スネークの腕を移植したリボルバー・オセロットの目的とは。

彼らもまた、自らの存在意義をかけて戦いに挑んでいる。

そして訪れる、ソリッド・スネークとの決着。

一切の怒りや憎しみから解き放たれ、互いを赦し合うように拳をぶつけ合う原始的な殴り合いには、まるでスポーツのような健康的な清々しさすら覚える。

著者「伊藤計劃」について

それが、後の小説家・伊藤計劃だ。

ストーリーには一切の関係がないが、本書は「メタルギアシリーズ」を生み出した監督、小島秀夫氏が、「メタルギアソリッド」というゲームを「小説」という形に見事に昇華させた著者、伊藤計劃について語るあとがきが添えられている。

伊藤計劃は、『虐殺器官』や『ハーモニー』という名作を生み出しながらも、デビューから2年という早さで急逝してしまった夭折の作家。

彼はまた、「メタルギアシリーズ」の熱心なファンだったこともよく知られている。

小島氏のあとがきでは、そんな彼との出会いや、本書を書くことになったきっかけなどが語られる。

伊藤計劃の「メタルギアシリーズ」への想い、小島氏の「小説家・伊藤計劃」への期待。

本書がどれほどの熱量を持って書かれた小説なのかを知ることができるこのあとがきは、「メタルギアシリーズ」「作家・伊藤計劃」双方のファンにとって、見逃すことはできない。

まとめ

「メタルギアシリーズ」の総決算とも言える本書では、「メタルギアサーガ」と呼ばれる壮大な物語の謎が解き明かされ、登場人物達は皆、自身の生き様に結論を見出してゆく。

ソリッド・スネークやオタコンだけでなく、彼らと共に戦った雷電や、物語を徹底的に掻き回したナオミ・ハンター。

ソリッド・スネークに任務を依頼していたキャンベル大佐やその娘メリル。

その他にも数多くのキャラクター達が、戦い、憎しみ合い、赦し合った。

彼らの戦いと苦しみと、そして優しさの記録を小説として非常に高いレベルでまとめあげた本書は、本棚に末長く置いておくべき珠玉の1冊だろう。

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