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『クララとお日さま』あらすじと感想【人工親友が教えてくれた人間らしさ】

『クララとお日さま』は、少女ジョジーと人工親友クララの成長の物語だ。

相手のことを理解すること。希望を持つこと。受け入れること。そして、人の中だけにある何か。

私たちが忘れてしまいがちな大切なことを、クララが自らの成長を通して見せてくれる。

クララの穏やかな優しさが際立つ近未来の物語に、そっと足を踏み入れてみよう。

こんな人におすすめ!

  • 人とAIは親友になれるわけがないと思う人
  • 知的なロボットはいずれ人間に敵対するのではと不安を持っている人
  • ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロの小説をまだ読んだことがない人

あらすじ・内容紹介

クララはAF(人工親友)。雑誌や雑貨を売る都会の店で、他のAFと一緒に販売されていた。病弱な少女ジョジーは、「とてもかわいらしくて頭のいい、親切そうな目を持つフランス人みたいな」クララを一目で気に入る。ジョジーはクララに、ジョジーの家から「太陽が夜、寝にいく場所」を一緒に見ようと誘う。クララもジョジーの家に行きたいと思うようになる。

ジョジーは母親に懇願し、クララは郊外にあるジョジーの家に迎えられる。クララは持ち前の高い観察力と理解力でジョジーのすべてを学習し、献身的にジョジーを支えようとする。

クララは最初、ジョジーの母親や家政婦メラニアさん、幼馴染のリックなど、周りの人たちから疎んじられる。しかし「最高の親友」として、ジョジーを思い助けようとするクララの気持ちを知り、徐々にクララは受け入れられていく。

ところが、ジョジーの病気とクララを迎え入れた背景には、ジョジーの母親の苦い決断があった——

2人の成長の先には、どんな未来が広がっているのだろう。

『クララとお日さま』の感想・特徴(ネタバレなし)

クララの独白を通して、「感情」の理解を追体験する

クララは、よく見てよく考えるAFだ。他のどのAFよりも、人間の感情の複雑さや不可解さに強い興味を持っている。

この物語は、人間の感情を理解しようするクララの独白によって進んでいく。そのため読者の私たちは、クララと共にものを覚え、考えを深め、成長していくような感覚にとらわれる。

クララの成長に関わる重要な体験の1つが、「コーヒーカップのご婦人」のエピソードだ。まるで古い映画の一場面のような光景を目にしたクララは、不可解ながらも心を奪われ、まっさらな心の中に揺れ動く感情の深みが学習されていく。

タクシーの流れが止まり、ご婦人が周囲の人々と横断歩道を渡りはじめたとき、男の人が手を拳にして一方の目に当てるのが見えました。これは、お店で何か気に入らないことがあったとき一部の子供がやるしぐさと同じです。ご婦人がRPOビル側にたどり着き、そこで二人はしっかりと抱き合いました。強く抱きしめ合って、まるで大きな一人になったかのようです。お日さまも気づいたのでしょう。いま二人の上に栄養を注いでくれています。ご婦人の顔はまだ見えませんが、男の人は両目をしっかりと閉じていて、いったいとても嬉しいのか、とても怒っているのか、わたしにはよくわかりません。

高い知性を持つ一方で、クララは極端に単純な思考も持ち合わせている。

AFのエネルギー源が太陽光だからだろうか。お日さまを、まるで信仰の対象のように崇拝している。

一方クーティング・マシンとクララが名付けた空気を汚染する機械については、強烈な嫌悪感を持ち、破壊願望さえ持つ。

知性の高さと比べてアンバランスに思える単純さは、小さな子どもの「人工親友」としてふさわしいように、AFに作り込まれた子どもらしさなのだろうか。

そんなクララも物語の終盤では、「ジョジーにあってクララにないもの」に気づく。人間たちではなく、人工物のクララだけが気づくことのできた意味を考えてみたい場面だ。私たちには、見えにくくなっている大切なことがあるのではないかと。

ジョジーとリックの大切な「計画」の行方をクララと共に見守る

ジョジーは、幼馴染のリックと小さい頃に決めた「計画」を宝もののように大切に思っている。しかしその思いは、成長によって変わってしまうことへの不安もはらんでいる。2人の「計画」のことを聞いたクララはリックに尋ねる。

「リックもまだ大切に思っていますか?」
リックは真正面からわたしを見て言いました。「だからさ、あの計画がないと、ジョジーは他の連中と同じになってしまうと思う」

ジョジーとリックは互いに好意を持っているが、微妙な関係になりつつある。それは2人が思春期の入り口にいるというだけでなく、社会的に置かれた環境の違いが、それぞれの成長にも影響を与えているからだ。

ジョジーの母親は、悩んだ末にジョジーに「向上処置」を受けさせた。しかしリックは受けていない。

ジョジーの母親はAFを購入できる経済力を持っているが、リックの家はAFを購入することができない。そもそもリックはAFの必要性も感じていないように見える。もしかすると、経済事情を察した上で、最初から諦めているのかもしれない。

ジョジーたちの生きる世界でも、私たちが生きる今の世界でも、残念なことに格差は生まれている。ジョジーもリックも、いずれ社会へと適応していかなければならない。クララはそんな2人の思いや違いの理解を深めながら、ジョジーがよりどころとしている「計画」の行方を案じている。

私たちも、子どもの頃に秘めていた「計画」を持っていたはず。さて、いったいどこに行ってしまったのだろう。

読み返すたびに景色が変わる、仕掛け絵本のような世界をさまよう

『クララとお日さま』では、お日さまに関わる映像的な場面がいくつも登場する。たとえば、物語の後半の圧倒的なお日さまの光と影の描写は、読者に強い印象を残すだろう。

壁や床や天井のあちこちにお日さまの光模様ができていました。光の強さもいつもとは違います。化粧台の真上には濃いオレンジ色の三角形が現れ、ボタンソファには明るい曲線が引かれ、絨毯は光り輝く縞模様に包まれています。まだ影に覆われたままの箇所も多く残っていて、ジョジーの眠っているベッドもその一つでした。突然、多くの影が動きはじめました。

映像が目に浮かぶような描写が展開する中で、多くの謎めいた言葉が、ほとんど説明もなく登場する。

AF、オブロン端末、向上処置、交流会、肖像画…。

不思議に思いながらも読み進めていくうちに、何となくその意味するところがわかってくる。

さらに読み返してみると、最初気づかなかった視点や伏線を発見する。まるで、謎の多い映画を何度も観に行く映画ファンのように。

この物語は、疑問と理解を繰り返しながら、何度も読んでみるのをお勧めしたい。最初は、お日さまの光に満ちた不思議な世界観を味わいながら。2回目以降は細部に目を凝らして。

カズオ・イシグロによって巧妙に仕掛けられた世界を、さまようような読み方がたぶん正解だ。

まとめ

高い知性を備えていても、クララはずっと子どものまま。ジョジーの「最高の親友」でいるために、自己犠牲さえ厭わない献身的な存在であり続ける。

クララに比べると、人間はなんと理不尽で身勝手な、矛盾に満ちた存在なのだろう。しかし、苦悶し葛藤しつつ生きる姿にこそ、人間らしさがあるのかもしれない。

『クララとお日さま』は、可愛らしい表紙イラストやタイトルとは裏腹に、「人間らしさ」を問う深みのあるテーマに出会える一冊だ。

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