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『屍者の帝国』原作小説あらすじと感想【古今東西の有名キャラクターが織りなす、屍者蘇生とグレート・ゲームの物語】

『屍者の帝国』原作小説あらすじと感想【古今東西の有名キャラクターが織りなす、屍者蘇生とグレート・ゲームの物語】

屍者復活の技術が世界中に普及し、屍体が労働力となった19世紀末。

医学生の〈ワトソン〉は大英帝国の諜報員として、屍者〈フライデー〉と共にアフガニスタンの奥地に潜入する。

そこで待ち受けていた屍者の国の王〈カラマーゾフ〉からの依頼により、〈ヴィクターの手記〉と最初の屍者〈ザ・ワン〉を追い求め、ワトソンは世界を駆けることとなる。

伊藤計劃の未完の絶筆を、盟友のSF作家、円城塔が完成させた、スチームパンクの超大作。

こんな人におすすめ!

  • 伊藤計劃の作品が好きな人
  • スチームパンクが好きな人
  • パスティーシュ小説が好きな人

あらすじ・内容紹介

〈ヴィクター・フランケンシュタイン〉が生み出した屍者蘇生技術が発達し、世界中に普及した19世紀末。

軍医を目指していた医学生のワトソンは、大学教授である〈セワード〉とその恩師〈ヴァン・ヘルシング〉からのスカウトを受け、英国の諜報組織である〈ウォルシンガム機関〉の諜報員となる。

ウォルシンガム機関の指揮官〈M〉から下された指令は、アフガニスタンへの潜入。

そして、最新の屍者兵士部隊を引き連れてロシア軍を脱走し〈屍者の王国〉を築いた男、〈カラマーゾフ〉の動向調査だった。

記録専用屍者〈フライデー〉と、ロシアから派遣された諜報員でありカラマーゾフの友人でもあった〈ニコライ・クラソートキン〉を引き連れ、アフガニスタンの奥地へと潜入していく。

たどり着いた〈屍者の王国〉でカラマーゾフから渾身の依頼を受けたワトソンは、フランケンシュタインが残した〈ヴィクターの手記〉と最初の屍者〈ザ・ワン〉を追い求め、世界を駆ける。

更にアメリカの民間軍事会社〈ピンカートン〉も参入して混乱が加速する中で、彼の旅は英国とアロシアが中央アジアの覇権を奪い合う〈グレート・ゲーム〉の重要な鍵となっていく…。

伊藤計劃が残した未完の絶筆を盟友円城塔が完成させた、スチームパンクの超大作!

『屍者の帝国』の感想・特徴(ネタバレなし)

有名キャラが続々登場

え、ええと、フランケンシュタイン氏でしょうか

今作は、あり得たかもしれない仮想の歴史を記した〈歴史改変作品〉であり、同時に実在・架空を問わず様々な有名キャラクターが登場する〈パスティーシュ小説〉でもある。

主人公の〈ジョン・H・ワトソン〉は、世界で最も有名な探偵〈シャーロック・ホームズ〉の助手として知られているし、彼の旅の同行者である〈クラソートキン〉や屍者の王国の王である〈カラマーゾフ〉は、フョードル・ドストエフスキーの長編小説『カラマーゾフの兄弟』の登場キャラクターだ。

また、ウォルシンガム機関に属する諜報員〈ヴァン・ヘルシング〉といえば、ブラム・ストーカーの著作『ドラキュラ』において、吸血鬼と対決を繰り広げるアムステルダム大学の名誉教授のことを指す。

更に映画『007』で、主人公〈ジェームズ・ボンド〉に指示を出す指揮官〈M〉まで登場するほか、日本からは将校〈山澤静吾(やまざわ せいご)〉や政治家〈寺島宗則(てらしま むねのり)〉といった実在の人物が登場するなど、古今東西の架空のキャラクターや実在の人物が入り乱れる。

予め先行作品を見ておくも良し、今作を読んで気になるキャラクターがいれば、そのキャラクターの登場作品を読むもまた良し。

実に多様な楽しみ方ができる小説だ。

世界の覇権を賭けた〈グレート・ゲーム〉

ワトソン君、きみは自分を愛国者だと思うかね

今作の舞台となる19世紀末は、実際の歴史上で英露が中央アジアの覇権を奪い合った情報戦、〈グレート・ゲーム〉の時代だ。

作中でワトソンが属するウォルシンガム機関も、この〈グレート・ゲーム〉に備えた諜報組織である。

〈屍者復活技術の発達〉という非現実的な要素と、実在の情報戦〈グレート・ゲーム〉を巧みに掛け合わせた今作は、エンターテイメントとしても高い完成度を誇っている。

英露米、それぞれの思惑が交錯する中で、旅を続けるワトソンの道中には、様々な謎と困難が待ち受けており、決して読者を飽きさせることはないだろう。

更に、作品全体を通した謎である〈ヴィクターの手記〉には何が書かれているのか。

最初の屍者〈ザ・ワン〉の正体と、その目的とは。

作中に散りばめられた謎と、それを解き明かすための冒険からも目が離せない。

円城塔氏が語る、伊藤計劃氏

ゾンビ物を、眉間に皺を寄せて観る人はあまりいないだろう。

『屍者の帝国』は、伊藤計劃氏が生前に書いていた30枚程度の原稿を、円城塔氏が引き継いで完成させた、2人の作家の合作だ。

同時期に、全く同じ経緯から作家としてデビューした2人の作家は、互いに親交を結び、共作も行うようになっている。

今作の最後には、そんな円城塔氏が伊藤計劃氏について語るあとがきも掲載されている。

円城塔氏が伊藤計劃氏について語りながら、どのような想いで作品を引き継いだのかを綴った後書きは、両作家のファンには必読だろう。

まとめ

〈屍者蘇生技術〉という架空の技術と、〈グレート・ゲーム〉という歴史上の情報戦を見事に掛け合わせ、更にはそこに様々な有名キャラクターを登場させた今作は、架空歴史を描くエンターテイメントとして高い完成度を誇る。

また両著者のファンであれば、最後に掲載されているあとがきも必読だ。

知っているキャラクターの登場を楽しむことも、知らないキャラクターの登場作品を新たに見つけることもできるという、様々な楽しみ方ができる作品だろう。

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