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『ルー=ガルー 忌避すべき狼/インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』あらすじと感想【百鬼夜行シリーズの著者が描く、近未来SF】

『ルー=ガルー 忌避すべき狼/インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』あらすじと感想【百鬼夜行シリーズの著者が描く、近未来SF】

ヒトとヒトとが、〈端末(たんまつ)〉を通して繋がることが当たり前となり、〈物理接触(リアルコミュニケーション)〉が希薄となった近未来。

常に現在地情報が把握される管理社会は、窮屈ではあれど、不純物のない安全な箱庭でもあるはずだった…。

しかし、突如現れた連続殺人犯が、人々の平穏を破壊し始める。

更に事件の背後に見え隠れする、巨大な影。

他社との接触や対話を苦手とする気弱な少女、〈牧野菜月(まきの はずき)〉は、独特な雰囲気を放つ寡黙な少女〈神埜歩水(こうの あゆみ)〉や、天才的なハッキング能力を持ち、プラズマ工学に関しては世界的な権威でもある天才少女〈都築美緒(つづき みお)〉、戸籍を持たない〈未登録住民〉の少女〈麗猫(れい みゃお)〉たちと共に、陰惨な事件の渦中へと飛び込んで行くこととなる…。

「百鬼夜行シリーズ」にも連なる、京極夏彦が描く近未来SF!

こんな人におすすめ!

  • SF小説が好きな人
  • 京極夏彦氏の小説が好きな人
  • 「百鬼夜行シリーズ」を読んだことがある人

あらすじ・内容紹介

『ルー=ガルー 忌避すべき狼』

〈端末(モニタ)〉の所持が義務付けられ、常に位置情報を把握される管理社会。

ヒトとヒトとの繋がりも〈端末(モニタ)〉を通すことが当然となり、〈物理接触(リアルコミュニケーション)〉が希薄となった社会は、窮屈ではあれど安全な箱庭のはずであった。

しかし、少年少女を狙った連続殺人鬼が跋扈し始めたことにより、箱庭の安全は脅かされ始める。

〈物理接触(リアルコミュニケーション)〉を苦手とする気弱な少女〈牧野菜月〉とプラズマ工学の権威である天才少女、〈都築美緒〉、他人との関わりを徹底的に避ける寡黙な少女〈神埜歩未〉の3人は、連続殺人の被害者の1人〈矢部祐子(やべ ゆうこ)〉と偶然接触したことから、事件の渦中へ巻き込まれていくこととなる…。

『ルー=ガルー インクブス×インスプ 相容れぬ夢魔』

連続殺人犯による事件と、その背後に蠢く巨大な影との対決から3ヶ月後。

事件に巻き込まれた少女〈来生律子(きすぎ りつこ)〉は、未だ自らが巻き込まれた事態について現実感を持てずにいた。

そんな中で彼女は、同じく事件に関わっていた占いを嗜む少女〈佐倉雛子(さくら ひなこ)〉から、〈毒〉が入っているという小瓶を手渡される。

一方、〈端末(モニタ)〉も戸籍も持たない〈未登録住人(ゴースト)〉が次々と姿を消す事件が起こり始める。

この2つの出来事を中心として、少女達は再び事件に巻き込まれていくこととなる…。

『ルー=ガルー 忌避すべき狼/インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』の感想・特徴(ネタバレなし)

公募をもとに書き上げられた、緻密な近未来社会

配信されるデータから酌めることだけが真実である

「百鬼夜行シリーズ」の著者、京極夏彦氏が描いたSF小説である今作。

戦後間もない時代を舞台に起こる事件の数々を描いた「百鬼夜行シリーズ」とは異なる、近未来の社会は、インターネット上で募集した様々な着想をもとに描かれている。

集まった様々な〈近未来社会〉の構想は、京極夏彦氏の手によって緻密に組み上げられることで、見事な世界観を構成している。

例えば、〈端末(モニタ)〉。

買い物やコミュニケーション、自宅の鍵の開閉まで、凡ゆる物事をこれ1つで熟せるという便利さと、常時位置情報を把握される管理社会という窮屈さを象徴する見事なアイテムだ。

更に、人々が手足とする食べ物は全て植物由来の〈合成食品〉であったり、学校は教育機関ではなく〈コミュニケーション能力の育成〉を目的としたものになっていたりと、様々な設定が盛り込まれ、〈安全で窮屈な近未来社会〉を矛盾なく作り上げている。

多様な人間のアイディアを、1つの作品に集約して世界を創造する京極夏彦氏の見事な手腕を、思う存分楽しむことができる作品だ。

閉塞感の中で大暴れする、少女達の活躍

情報操作ってのはこうやるんだぜェ

そんな〈窮屈で安全な社会〉を脅かす存在と対峙するのは、様々な個性を持った少女達だ。

気弱な少女や寡黙な狼、破天荒な天才少女に占いを嗜む葬式女と、作中に登場する少女達は皆一様に強い個性を放っている。

そんな彼女らが、社会を脅かすほどの巨大な存在に対峙する様は、近未来社会に蔓延する窮屈な閉塞感を吹き飛ばすほどの力強さに満ちている。

特に、『ルー=ガルー 忌避すべき狼』と『ルー=ガルー インクブス×インプス 相容れぬ夢魔』それぞれのラストで見せる、彼女達の大暴れの様子は、それまでの鬱屈とした空気感を全て破壊していくほどの破天荒さだ。

事件の根幹を成す問題を徹底的に破壊していく彼女らの活躍は、そこに至るまでの閉塞感や窮屈さを味わってきたが故に、大きなカタルシスを味わえる筈だ。

序盤の鬱屈とした描写を味わえば味わうほど、ラストバトルの爽快感が際立つので、序盤の暗さに惑わされず最後まで読み切って欲しい。

「百鬼夜行シリーズ」との繋がりも

勿論味ですよ味

更に今作は、京極夏彦氏のデビュー作にして代表的作品「百鬼夜行シリーズ」とも繋がっている。

詳細は伏せるが、「百鬼夜行シリーズ」に登場したとある人物の行動が、『ルー=ガルー』の社会に影響を及ぼしていたり、共通する登場人物が存在したりと、「百鬼夜行シリーズ」のファンであれば見逃せない要素が多数散りばめられている。

〈SF小説〉というジャンルを理由に敬遠することなく、是非とも一度読んでみて欲しい作品だ。

まとめ

戦後間もない時代に起こる様々な事件を描いた「百鬼夜行シリーズ」とは打って変わり、安全で窮屈な近未来社会を描いた今作。

インターネットで公募した様々な設定を見事に盛り込みながら、一切の矛盾を見せないその緻密な構成は見事の一言だ。

更に、「百鬼夜行シリーズ」との繋がりも様々な場面に散りばめられているため、氏のファンにとっては見逃せない作品であることは間違いない。

最後には全ての窮屈さを吹き飛ばすほどのカタルシスも感じられるはずなので、是非とも1度手に取って欲しい作品だ。

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