大ヒット漫画『ワンピース』には、国や市、団体などのトップを張る人物が多数登場する。
人望があり、トップとして優れた手腕を発揮する賢人もいれば、目も当てられない悪政を敷く愚か者も大勢いる。
今回取り上げるアイスバーグは、明らかに前者の人物だ。
この記事では、水の都・ウォーターセブンの名物市長であり、造船会社・ガレーラカンパニーの社長でもあるアイスバーグに迫り、その生き様から「理想の上司像」を学んでいこうと思う。
全職人が惚れた!トップとして申し分ない実力
天才的な腕前とセンスを持ち、船大工の魚人・トムからも将来を有望視されていたアイスバーグ。
彼とトム、そして弟弟子のフランキーが作り上げた海列車パッフィング・トムは、沈みゆく都市に絶望していた当時の人々の心を救った。
海上を走るパッフィング・トムの雄大な姿を見、将来は自分も船大工になろうと夢見た少年も少なくない。
トムが死に、フランキーが生死不明のまま行方をくらました後も、アイスバーグは自らの腕を磨き続けた。
その実力をもって7つもの造船会社をまとめ上げたアイスバーグは、巨大造船会社・ガレーラカンパニーを設立。
役人たちの乗る重要な船の造船も請け負う、世界政府御用達の巨大会社へと成長させた。
そんなガレーラカンパニーには、船大工・アイスバーグの腕に惚れた職人が数多く集まっている。
海賊どもを相手取って引けを取らない荒くれ者の職人でさえ、アイスバーグが姿を表すと、まるで少年のように目を輝かせて手を休めるのだ。
人を惹きつけるには、何かしらの引力が必要だ。
アイスバーグは、その天才的な造船技術によって職人たちをまとめあげた。
あなたは何で人を惹きつけることができるだろうか。
爽やかでキレのあるトーク?
社内随一の営業成績?
街角スナップが放っておかない斬新なファッションセンス?
何も思いつくものがないのであれば、ひとまず「ンマー」を口癖にしてみるのもいい……かもしれない。
上に立つ者の「責任と覚悟」を知る好漢
麦わらの一味と長く旅を共にしてきたゴーイングメリー号。
そんな愛船の「廃船確実」という査定結果を受け入れられずにいるルフィに、アイスバーグはこう言い放つ。
………沈むまで乗りゃあ満足か…
呆れたもんだ… てめェそれでも一船の船長か
船に対して強い愛着があることは百も承知。
旅の仲間を見捨てたくない気持ちも当然分かる。
しかしそれでも、時には非情な決断を下さねばならないのが「トップ」だ。
アイスバーグはそのことを理解していた。
上に立つ者には、ついてくる者を守り導くという「責任と覚悟」が求められる。
時には厳しい叱咤が必要なこともあるだろう。
冷淡に思われる振る舞いが求められることもあるかもしれない。
しかし、それは上に立つ者の「責任と覚悟」があるゆえだ。
ついてくる者の将来を思い、あえて憎まれ役を買って出ているのだ。
その裏側には、ついてくる者への深い愛情が隠れている。
ここで忘れてはならないのが、必ず「愛情ありき」の行動であることだ。
愛情なき叱咤は誰の心にも響かない。
部下からすれば、愛情なき叱咤を繰り返す上司は「あえて憎まれ役を演じている素晴らしい上司」ではなく「ただの憎いおっさん」であることにご注意願いたい。
「優れた腕」と「上に立つ者の責任と覚悟」で理想の上司になろう
その生命が脅かされたとき、たとえ世界政府を敵に回してでもアイスバーグを守ろうと、何人もの部下が立ち上がった。
アイスバーグの人望がいかに厚いかが、このエピソードだけでも十分に伝わるだろう。
あなたの場合はどうだろうか。
あなたがピンチに陥ったとき、自らのリスクも顧みずにあなたを救おうと戦ってくれる部下がいるだろうか?
いや、あなた自身が、そんな部下に囲まれる「理想の上司」であれているだろうか?
もしもあなたがアイスバーグのように慕われる上司になりたいのであれば、人を惹きつける腕を磨き、上に立つ者の「責任と覚悟」を身につけることだ。
決して安易に「ンマー」を口癖になどしてはいけない。
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