文庫本ジャンル別おすすめ作品22選!絶対に面白い【2021年最新版】

SF3選

『ソラリス』スタンスワフ・レム【その海は敵か?味方か?】

あらすじ

不可思議な海で覆われた、惑星ソラリス。

主人公のケルビンは、ステーションで発生する不思議な現象と、その「海」について探ろうとするが……?

「20世紀SFの最高の作家の一人」とされる著者の代表作。

『ソラリス』の魅力

もしかしたら本当に「ソラリス」という惑星があるのではないかと思わせるほどリアルな描写。

そしてその「ソラリス」を覆う「海」によってかなり奇妙な現象が起きるのだが、その現象が人智を超えており、とうてい理解不能なのがいちばんの読みどころ。

SFでしか書けない、実にSFらしい作品である。

『ソラリス』の基本情報
出版社 早川書房
出版日 2015/04/08
ジャンル SF
ページ数 432ページ
発行形態 単行本、文庫、電子書籍

『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ【これは希望か、絶望か。究極の命の問いかけ】

あらすじ

優秀な介護人のキャシー・Hは、自らが育ったヘールシャムという施設のことを回想する。

親友のルースとトミー、保護官たちの奇妙な態度、毎週のように行われる健康診断。

やがて明かされる残酷で、救いようのないキャシーたちの「使命」。

ノーベル文学賞受賞作家が描く近未来SF。

『わたしを離さないで』の魅力

イギリスで映画化されており、日本でも綾瀬はるか主演でドラマ化されていた。

映像で見たことがある人も、ぜひ活字で読んでほしい。

本ではキャシーの心情が細かく描写され、己の運命を知りながらも冷静に毎日を過ごしていく様子は、どこか切なく、そしてある意味恐ろしく感じる。

キャシーたちの「使命」について割と初期の方に明かされるので、その「使命」を踏まえた上で続きを読むと心が苦しくなる。

『わたしを離さないで』の基本情報
出版社 早川書房
出版日 2008/08/01
ジャンル SF
ページ数 450ページ
発行形態 文庫、電子書籍、オーディオブック

『超動く家にて』宮内悠介【奇妙奇天烈、奇想天外な体験をあなたへ】

あらすじ

雑誌のページを圧縮する競技!?

宇宙ステーションでまさかの野球盤!?

「盤上の夜」で直木賞候補にもなった著者が描く、不思議でおかしくて楽しい世界!

『超動く家にて』の魅力

日本のSF作家といえば小松左京や筒井康隆が挙げられるが、若手もどんどん育ってきていると私は思う。

宮内悠介が若手というわけではないけれど、日本のSFを確実に盛り上げてくれるだろうと思わせる本書の発想がとてもユニークだ。

それでいて、読後の不思議な感覚がたまらない!

『超動く家にて』の基本情報
出版社 東京創元社
出版日 2021/04/09
ジャンル SF
ページ数 323ページ
発行形態 文庫、電子書籍

エッセイ3選

『ビロウな話で恐縮です日記』三浦しをん【趣味街道を爆走することに後悔はない】

あらすじ

友人とロシアバレエの帝王・ルジマトフのフェロモンに新年早々にノックアウトされ、大量の漫画と小説を買い込みひたすら読みふけり、暑さで溶けて日記自体を書き忘れ、欲望百貨店で試着したコートに玉砕する。

直木賞作家・三浦しをんの妄想と趣味が暴走する抱腹絶倒のエッセイ。

『ビロウな話で恐縮です日記』の魅力

三浦しをんはとても正直な人間だ。

故に、裏も表もなく、好き嫌いもはっきりしているし、許せないものは許せない。

家族や親せきすらネタにしてしまうのだから、作家が身内にいたら恐ろしいかもしれない。

好きなものに対する三浦しをんの深い愛は、だれもが持っている「おたく心」をくすぐられて、微笑みではなく爆笑を誘う。

『ビロウな話で恐縮です日記』の基本情報
出版社 新潮社
出版日 2018/05/18
ジャンル エッセイ
ページ数 400ページ
発行形態 単行本、文庫

『読まされ図書室』小林聡美【自分じゃ絶対に手に取らない】

あらすじ

女優・小林聡美がフードスタイリストからデザイナー、歌手、作家、イラストレーター、演出家などのべ14人からの推薦図書を「読まされた」感想を対談形式で話し合う。

面白い本を見つけられる指南書的な1冊。

『読まされ図書室』の魅力

厳密にはエッセイではないのだが、どうしてもおすすめしたくて入れた。

私たちが本を選ぶとき、何を基準にするだろうか?

宣伝文句?芸能人のコメント?

例えば、次に読む本を「人に読まされる」という体験はどうだろうか?

自分では決して手に取らないであろうジャンル、作者を「読まされる」という強制イベントながら、意外な自分の興味が見つかるだろう。

『読まされ図書室』の基本情報
出版社 宝島社
出版日 2016/07/06
ジャンル エッセイ
ページ数 190ページ
発行形態 単行本、文庫

『よみがえる変態』星野源【エロも仕事も痛みも全部抱えて】

あらすじ

「恋」で世の中を席巻したミュージシャンであり、俳優であり、文筆家の星野源。

「サケロック」というバンドを組みながら下戸であることに驚かれ、肩が重いからと墓参りに行ってまんまとそのことをアルバムに組み入れ、食欲と闘いながら「ぽっちゃり」について考える。

そして、突然の病に倒れ、復活するまで3年間。

多種多様な顔を持つ星野源が日々考えていることとは?

『よみがえる変態』の魅力

ドラマに映画、そして歌手として大活躍をする星野源だが、案外、考えていることは私たちとそう変わらない。

だからこそ親近感が湧くし、そこまで遠い存在に思えない。

エロスについて大真面目に(女性が読んだら引くぐらい)考えて、どんどん忙しくなっていく仕事に対する苦悩もうかがえる。

そして何よりも、星野源が「くも膜下出血」という病に倒れたことを今、どれだけの人が覚えているだろう。

尋常ではないほどの痛みと絶望に打ち据えられた1人に男の記録が、この本のいちばんの魅力である。

『よみがえる変態』の基本情報
出版社 文藝春秋
出版日 2019/09/03
ジャンル エッセイ
ページ数 196ページ
発行形態 単行本、文庫、電子書籍

青春3選

『美少年探偵団 きみだけに輝く暗黒星』西尾維新【トラブルメーカー自身たちが名探偵】

あらすじ

私立指輪学園中等部2年の瞳島眉美は、10年前に1度だけ見た「星」を探していた。

彼女の探し物は自身たちがトラブルメーカーではないかとささやかれる、謎の集団「美少年探偵団」が請け負うことに。

眉美が見た「星」の正体とは?

そして、5人の美少年に囲まれた眉美の運命はいかに!?

『美少年探偵団 きみだけに輝く暗黒星』の魅力

いわゆる青春ミステリというジャンルに分類されるのだが、西尾維新が描く「青春」「ミステリ」がそんじょそこらの青春ミステリなわけがなく。

まず5人に美少年たちの個性が爆発している。

そこがこの物語のミソでもあって、その個性がすべて生かされているのが西尾維新の小説家としての技を感じられる。

眉美の探し物の「星」の正体についてはアッと驚く仕掛けがあり、その意外な結末で最後まで楽しませてくれる。

『美少年探偵団 きみだけに輝く暗黒星』の基本情報
出版社 講談社
出版日 2015/10/20
ジャンル 青春ミステリー
ページ数 264ページ
シリーズ 美少年探偵シリーズ全12巻
発行形態 文庫、電子書籍

『麦本三歩の好きなもの』住野よる【日常に青春があったっていい】

あらすじ

図書館に勤務する20代の麦本三歩。

好きなものは朝寝坊、チーズ蒸しパン、本、それから、それから。

今日も怖い先輩と優しい先輩とおかしな先輩に囲まれて、日々、仕事をこなし、おかしいお菓子を求めて、おもしろいことを求めて、日常を過ごしていく。

『麦本三歩の好きなもの』の魅力

何を持って「普通」とするかは人によってちがうと思うけれど、本当にこの本に書かれていることはありふれた「普通の日常」だ。

だからこそ、私たちが生きているささやかな日常にだって物語になりうるのだと気づかせてくれる。

仕事をサボりたい日だってある、甘いものをたくさん食べた日だってある。

「そんな日もあったっていいよな」と、優しい気持ちにさせてくれる1冊。

『麦本三歩の好きなもの』あらすじと感想【なんでもない日常の贅沢をあなたに】『麦本三歩の好きなもの』あらすじと感想【なんでもない日常の贅沢をあなたに】
『麦本三歩の好きなもの』の基本情報
出版社 幻冬舎
出版日 2021/01/14
ジャンル 日常青春
ページ数 296ページ
シリーズ 麦本三歩シリーズ既刊2巻
発行形態 単行本、文庫、電子書籍、オーディオブック

『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦【おかしな京都のおかしな大学生の物語】

あらすじ

麗しの「黒髪の乙女」へのひそかな想いを胸に、「先輩」は夜の先斗町へ、下鴨神社の古本市へ、大学の学園祭へ、そして変な風邪に臥せる。

「先輩」が周到に用意した「偶然の出会い」も「黒髪の乙女」の前では虚しく砕け散り……。

強者だらけ、曲者だらけの面々と共に過ごす日常はすべてが一筋縄じゃいかなくて……??

『夜は短し歩けよ乙女』の魅力

ファンタジー強めだが、剣と魔法のファンタジーではもちろんなく。

私たちが想像しているよりもおかしなところにある京都が舞台で、おそらくだれもが一度は旅行に行きたい京都ではない。

そんな次元を超えた京都で繰り広げられる摩訶不思議な大学生生活。

「先輩」の恋を応援するもよし、「黒髪の乙女」について京都をふらふらするもよし!

『夜は短し歩けよ乙女』原作小説あらすじと感想【現実と妄想が入り混じる、恋愛ファンタジー】『夜は短し歩けよ乙女』原作小説あらすじと感想【現実と妄想が入り混じる、恋愛ファンタジー】
『夜は短し歩けよ乙女』の基本情報
出版社 KADOKAWA
出版日 2008/12/15
ジャンル 青春
ページ数 320ページ
受賞 第20回山本周五郎賞
発行形態 単行本、文庫、電子書籍、オーディオブック

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ファンタジー3選

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