【施設の子供たち≠かわいそう】有川浩『明日の子供たち』(♫flumpool『Blue Apple & Red Banana』ONE OK ROCK『内秘心書』)

 

数々の作品が映像化されている大人気作家有川浩さんの『明日の子供たち』を読んでみました!

児童養護施設の特集番組を見て「かわいそうな子たち」の力になりたいと思った三田村慎平は、児童養護施設職員に転職し、「あしたの家」に配属される。施設の実情と彼の奮闘が描かれた作品です。

注意
以下、各項目で随所にネタバレあり。

偽善者

子供たちから「慎平ちゃん」と呼ばれるようになり、仕事にも慣れてきたころ、施設の子たちの中でも面倒見がよく、聞き分けの良い奏子だけが、なぜか慎平ちゃんと呼んでくれない。

偽善者は嫌いなの

施設のこと知りもしない奴に、どうしてかわいそうなんて哀れまれなきゃいけないの!?

奏子から思いもよらぬ言葉を突きつけられる。

いわゆる“普通の家庭”で育った人から見れば、両親と一緒に暮らせない子=かわいそうな子と捉えてしまう風潮。あしたの家で暮らす奏子たちは「かわいそうな子」なのだろうか。

わたしは施設に入れてよかった。

奏子にとって施設は、ご飯がきちんと食べれて、学校にも行けるし、夜も眠れる安心できる場所だった。

感想

時々、「タイガーマスクと名乗る人から〇〇施設にランドセルが届きました」という様なニュースを見たことありませんか。

本作中では、ランドセルは行政からお金がもらえるので、支援してくれるのであれば施設に必要なものを聞いてほしいと書かれていました。

きっと、タイガーマスクの方も良かれと思っての行動だったはずなのに。相手方のニーズを正しく把握していないがために、自己満足の行動となってしまい、却って余計な負担をかけてしまっているなんて残念です。

これは災害時に被災地へ支援物資を送ることにも近しいものがあるように感じました。

また、みなさんは本を読み終わった後の解説を読まれますか?この作品の解説では、なぜこの作品が作られたのかが書かれています。まるで解説までがひとつの作品の様です。是非読んでみてください。

おわりに

有川さんの作品にはハズレがありません。私が読書に目覚めるきっかけを作ってくれたのも有川さんの『県庁おもてなし課』という作品でした。

有川さんの作品は一文が短く、とにかく読みやすいのでオススメです。ページを捲るタイミングで文章が次のページに跨ることもほとんどありません。そういった構成も読みやすくしてくれてる要因なのかな?と思います。

 

この小説に音楽をつけるなら・・・

今回の選曲は非常に迷いました。
その場面や人間関係で随分と曲のイメージも変わるので、何曲か挙げさせてもらいます。

flumpoolBlue Apple & Red Banana

この小説では、奏子の「かわいそうなんて決めつけないで」という強いメッセージが印象的です。
そんな世の中の勝手なニーズや思い込みを思い切って、ぶっ壊しちゃえという様な尖った曲です。

ONE OK ROCK内秘心書

奏子は友達にも施設で暮らしていることをオープンにしているが、杏里のように知られたくない子も多くいる。

施設で生活していることがバレたら、仲間外れにされちゃうかもしれないからだ。
サビの部分がそんな杏里の心の声を歌っているように感じました。

みなさんならどんな場面にフォーカスして選曲しますか?
選曲ポイント共に是非Book Ground Musicへ投稿してみてください^^

著者紹介

有川 浩ありかわ ひろ

高知県出身
第10回電撃小説大賞『塩の街』にて作家デビュー

著作品

『図書館戦争シリーズ』

『フリーター、家を買う。』

『阪急電車』『県庁おもてなし課』

『レインツリーの国』『植物図鑑』など

『旅猫リポート』2018年10月26日(金)~映画公開

最後まで読んでいただき大変嬉しく思います。こちらもよろしくお願いいたします。

◯この他の『明日の子供たち』の主題歌はこちら

 

◯本の主題歌を決める読書会「BGMeeting」