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『今日のハチミツ、あしたの私』あらすじと感想【日常に蜂蜜をひと匙足してみよう】

『今日のハチミツ、あしたの私』あらすじと感想【日常に蜂蜜をひと匙足してみよう】

もし明日人生が終わるとしたら、あなたはどうするだろうか?

急に訊かれたら、戸惑う人も多いと思う。

けれどもし、喜ぶ人がいるのならば、この作品をぜひおすすめしたい。

この作品は1人のある女性の成長と変化を描いている。

今日だけでなく、明日も生きていくための栄養になる物語だ。

こんな人におすすめ!

  • 食べることが好きな人
  • 自分の居場所に悩んでいる人
  • 新しい環境で頑張っている人

あらすじ・内容紹介

碧(みどり)は中学生の頃、些細なことからいじめに遭い、食べては吐いてしまう生活を送っていた。

「明日なんて来なければいい」と思っていたある日、碧は見知らぬ女の人に話しかけられ、小さな蜂蜜の瓶をもらう。

そのことをきっかけに、「食べることの大切さ」を思い出した碧は立ち直り、少しずつ穏やかな生活を取り戻す。

以降その出来事は、30歳になった今も生きる糧として彼女の心に残り続けていた。

恋人との結婚のため、彼の故郷に赴いた碧。

そこで起きた予想外の出来事から、黒江(くろえ)という男の蜂蜜園の手伝いをすることになる。

見知らぬ土地で奮闘する碧は、さまざまな人たちと出会う日々の中で、自分の生き方や恋人との関係性を見つめ直していく。

蜂蜜のように優しく包み込んで、元気をくれる物語。

『今日のハチミツ、あしたの私』の感想・特徴(ネタバレなし)

養蜂の世界と蜂蜜

予想だにしない展開から、ひとり養蜂の世界に足を踏み入れた碧。

その背中を押したのは、碧が中学生の頃に蜂蜜をくれた、見知らぬ女性の存在だった。

碧は目つきが悪くぶっきらぼうな男・黒江の下で養蜂の手伝いを始める。

最初は別の目的のために黒江に近づいた碧だったが、次第に養蜂の楽しさや奥深さに触れて、夢中になっていく。

作中には、養蜂の作業の様子が描写されているシーンがいくつかある。

「蜂場」「分蜂」「蜂雲」など、養蜂に関する用語も登場する。

普段生活している分にはあまり馴染みのない養蜂だが、この作品を読むと養蜂にほんの少し詳しくなれる。

 

蜜蜂たちは一生をかけて蜜を運び、外敵から命がけで巣を守る。

小さくても生きていて、生きるために必死なのだ。

そして、養蜂に取り組む碧と黒江にも、その姿が重なる。

一度は逆境に立った2人だったが、互いの存在を通じて少しずつ変わっていく。

その様子には心を動かされるし、誰もが生きるために一生懸命なんだ、ということを思い出させてくれる。

 

また、この作品は『蜂蜜』がキーアイテムになっている。

「蜂蜜をもうひと匙足せば、多分あなたの明日は今日より良くなるから」

これは、碧が中学生の時に出会った女性からかけられた言葉だ。

パンケーキにかける蜂蜜のように、料理の隠し味で入れる蜂蜜のように。

ちょっとした何かを加えるだけで、明日の自分は少し変われるのかもしれない。

そんな、勇気をくれる言葉だ。

食の記憶は人を支える

中学生の頃、見知らぬ女性から蜂蜜の瓶をもらった経験から、碧は食に関わる職業を志すようになる。

食べることは大事なこと。

そう教わったことで、食べられなくなっていた碧は救われ、立ち直ることができた。

その出来事が碧の中でずっと支えになっていたのだ。

以来、碧はどんな時でもきちんと食事を作り、食べる。

ある時、なんでこんなに手をかけてごはんを作るのか、と問われた碧はこう答える。

「食べものが身体をつくるのはあたりまえだけど、それだけじゃなくて。誰かとごはんを食べて楽しかったとかおいしかったとか、そういう記憶ってずっと残るから、食べてもなくならないよ。記憶が残るなら、それはごはんも残ってるってことだよ」

誰しも食にまつわる記憶というものは持っていると思う。

家族で食べたおいしいごはんや、友達と食べた学校の給食。

自分が作った料理を、初めておいしいと言ってもらえた時。

食べたものそのものは無くなってしまっても、記憶が残っている出来事はいくつかあるのではないだろうか。

生きていれば、悲しいこともあるし、辛いこともある。

食事なんかしたくないと思うこともあるだろう。

けれど、どんな時でも、食べることは明日への活力を生み出す。

そして、食にまつわる記憶は時が経っても強くその人を支えることになるのだ。

自分の居場所は自分で作る

恋人の故郷に移り住むことになり、見知らぬ土地へやってきた碧。

周りに知り合いがほとんどいない中で、彼女は養蜂という初めてのことに取り組んでいく。

碧はとてもたくましい。

少し危なっかしいところはあるが、やる時はやる、そんな切り替えの上手な女性だと思う。

初めて出会うその土地の人たちとも、思い切って彼らの懐に飛び込むことで、だんだんと親しくなっていく。

その強さと不器用ながらも人との関係を諦めず構築していく姿は、読んでいる人の背中を押してくれるような気がする。

そうやって碧は見知らぬ土地での自分の居場所を確立していったのだ。

自分の居場所があらかじめ用意されてる人なんていないから。いるように見えたとしたら、それはきっとその人が自分の居場所を手に入れた経緯なり何なりを、見ていないだけ」

居場所がない、と悩むことは誰しもあることだと思う。

居場所を確立して輝いている人に対して、マイナスな気持ちを抱いてしまうこともあるかもしれない。

けれど、居場所は自分で作るものなのだ。

人とのつながりは、新たな居場所を生む。

碧が手に入れた居場所は、彼女が奮闘して築いてきたつながりが実を結んだものだ。

居場所は自分で作るもの。

いつでも、どこでも、居場所は作ることができるのだ。

まとめ

優しさと勇気をくれる、こちらの作品。

読み終わった後には、ぜひ蜂蜜の甘さを味わってみてはいかがだろうか。

物語の余韻に浸れること間違いなしだ。

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