『蜘蛛の糸・杜子春』あらすじと感想【芥川の魅力が凝縮された短編小説】

『蜘蛛の糸・杜子春』あらすじと感想【芥川の魅力が凝縮された短編小説】

みなさま、お正月気分は抜けましたか?

そろそろ通常モードに切り替えて新しい1年を過ごさないといけませんね。

そんなわけで私も2019年最初の記事をお届けします!

本年もよろしくお願いします(*’ω’*)

注意
私個人の独断と偏見が含まれた内容です。

はじめに

読書が好きな人の中でも、”文学”に苦手意識を持たれている方って結構多いのでは?

私もその一人です。

今までに読んだ名だたる文豪たちの作品

夏目漱石坊ちゃん
 旅行で道後温泉に行ったあと、坊ちゃんってどんな話なんだろ?と思い、読んでみた作品

三島由紀夫鹿鳴館
ー 読書を習慣にし始めたころ、人に薦められてチャレンジした1冊

太宰治人間失格
 学生時代、読書好きの子が太宰を推していたのを思い出して手に取ったもの

どれもそれほど分厚い本ではありませんが、読了するまでに3か月以上かかりました・・・

『鹿鳴館』に関しては読むのを挫折しています。

文学作品って「話が重い」「情景が思い浮かばない」というイメージがあります。

なんとか読了した作品でも話の内容は覚えていません。

だれかわかりやすく解説してくれー!!って感じです。

なので、どうしても文学作品を手に取るのは遠のいてしまいます。。。

そんな私でも楽しく読めたのが、今回紹介する芥川龍之介の『蜘蛛の糸・杜子春』です。

きっかけ

文学”に苦手意識を持っている私がなぜ芥川の作品を読もうと思ったのか?

きっかけは単純です。

毎年夏になると、各出版社からそれぞれ通常とは違うカバーで文庫本を販売するフェアが開催されます。

カドフェス新潮文庫の100冊ナツイチなんて聞いたことありませんか?それです!!

2017年の夏に新潮社さんから『蜘蛛の糸・杜子春』が限定プレミアムカバーとして販売されていました。

新潮社さんは本のタイトルと作者名が書いてあるだけのとてもシンプルなデザインですが、作品によって色が異なり、本作は全体がピンクでゴールドの文字のとてもかわいいカバーでした。

ひとめぼれです。

「うわぁー文学作品だ。。。どうしよ。。。」って心の葛藤もありましたが、お値段が¥320(税別)とお手頃でしたのでお買い上げとなりました。

本当にただそれだけです。

本の写真を載せたかったのですが、写真では色合いが綺麗に表現出来ず、断念しました( ;∀;)

芥川の魅力

没後90年経った今でも、今世に名を残す文豪。

彼の作品の特徴を挙げるとすれば、とにかく短編の話が多いことです!

本作も、芥川の年譜が書かれているページや注釈などを含めても186ページしかありません。

薄手の1冊の中に10作品も収録されています。

1作品あたり平均で10ページちょっとと、とても手軽に読めます。

児童文学作品もあり、ストーリー設定が分かりやすく、最後には教訓の様なものがあります。

まるで『まんが日本昔ばなし』や『おとぎ話』などにでてきそうな感じです。

蜘蛛の糸・杜子春』について

全てを紹介するのは難しいので、本作のタイトルである「蜘蛛の糸」と「杜子春」、私のお気に入りである「犬と笛」の3作を紹介します。

「蜘蛛の糸」あらすじ

殺人や放火など散々悪いことをして地獄にいる男は、蜘蛛を助けたことがある。

その行いを覚えていたお釈迦様は、彼を地獄から救い出そうと考えた。

上から地獄の様子をのぞき込んでいるお釈迦様は、蜘蛛の糸を地獄まで垂らし、彼を助けることにした。

上まで繋がっている糸が垂れていることに気付いた男は登り始めるが、男に倣い他の奴らも登ってくる。

蜘蛛の糸は細い。

こんな細い糸に何十人も登ったら、途中で切れ上までたどり着けない。

そこで男がとった行動とは……

男が「これは俺のものだ!」と叫んでいなければ、糸は切れていなかったはず。

たった一言のエゴな発言で蜘蛛にも見放されてしまう。

【教訓】

自分のことばかり考えていると、周りはだれも助けてくれなくなってしまうのだ。

「杜子春」あらすじ

今日生きるのもやっとの男、杜子春(とししゅん)の前に不思議な老人が現れた。

老人の指定した場所を掘ると、大金が出て来て一夜にして大金持ちとなった杜子春。

噂を聞きつけた人々が杜子春の元を訪ねるようになるが、お金が底を尽きるころにはみんな去ってゆく。

また貧乏生活に戻ったころに老人が現れ、大金持ちとなるが、またお金が無くなると人は去ってゆく。

こんな人付き合いに疲れてしまった杜子春が選んだ道とは……

不思議な老人は仙人だった。

人付き合いに嫌気がさした杜子春は彼を目指して弟子入りする。

教えはただひとつ「たとえ何があっても一言もしゃべってはいけない」

杜子春は仙人になるため、数々の困難な修行に耐えるが、両親が痛めつけられている姿を見て思わず「お母さん」と声を発してしまい、仙人となる道が絶たれてしまった。

杜子春はこの結果に後悔はしていない。

もしこの状況で声を発していなければ、仙人によって杜子春の命は奪われていた。

【教訓】

世の中は「お金」だけではない。

仙人のような「能力」でもない。

大切なものはもっと他にもあるのだ。

「犬と笛」あらすじ

昔あるところに 笛の上手な木こりが住んでいた。

彼の吹く笛を楽しんだ大男3人がお礼をしてくれることに。

何でも好きなものをあげると言われ、木こりが頼んだのは「犬」だった。

大男3人から1匹ずつ犬をもらった。

3匹の犬はそれぞれ
遠くのにおいも嗅ぎ分ける「嗅げ」
遠くへ飛んで行くことができる「飛べ」
どんなやつもかみ殺してしまう「噛め」

お姫様が行方不明であることを知った木こりは、3匹と一緒に捜しに行く。

3匹の能力を使い分け、姫2人を助けた木こりだが、手柄を侍に横取りされてしまう。

姫達の証言により木こりの手柄であることが証明され、婿として迎え入れられることとなる。

【教訓】

ズルはいつかバレる。

3作品を紹介しましたが、いかがでしょうか。

『蜘蛛の糸・杜子春』は子供向けに書かれた作品集ということもあり、読みやすいです。

他の収録作品「魔術」「トロッコ」も面白かったので、よければ読んでみてください☆

※ネタバレ内にある教訓は、あくまでも私が感じたことですので、絶対にそうだ!ということではありません。

芥川が好きならこの作品も読んでみて!という文学小説があれば、コメント等で教えていただけると嬉しいです。

主題歌:人間椅子/地獄

「蜘蛛の糸」

人間椅子 「地獄」

無数の針山や責苦受けるが死にきれず、もがき苦しむ。

まさに地獄です。

↓「蜘蛛の糸」より地獄の描写

まっ暗で、たまにそのくら暗からぼんやり浮き上っているものがあると思いますと、それは恐しい針の山の針が光るのでございますから、その心細さと云ったらございません。

その上あたりは墓の中のようにしんと静まり返って、たまに聞えるものと云っては、ただ罪人がつく微かすかな嘆息たんそくばかりでございます。

これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさまざまな地獄の責苦せめくに疲れはてて、泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。

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