いよいよ100巻の大台が見えてきた大人気漫画『ワンピース』。
魅力的なキャラクターがこれでもかとばかりに活躍を見せる『ワンピース』だが、ひときわアツいのが”漢”たちの共演だ。
“漢”の生き様
“漢”の美学
“漢”の友情――
『ワンピース』には、自らの信ずる道を貫くためには命すら惜しまない”漢”が数多く登場する。
そんな”漢”の中でもとりわけ際立った存在が、「アラバスタ編」に登場する「Mr.2 ボンクレー」であろう。
この記事では、友情を何よりも大事にする”漢の中の漢”ことボンクレーの名言を振り返り、そこから”漢”の友情の築き方を学ぶ。
目次
アラバスタ編とは?
グランドラインに突入した麦わら海賊団が最初に辿り着いた島・ウィスキーピーク。
そこで出会ったのは、秘密結社・バロックワークスのエージェントとして活動するミス・ウェンズデーという少女だった。
いかにも訳ありらしい彼女は、実はアラバスタ王国の王女であり、自国を騒乱に陥れている黒幕こそがバロックワークスであると突き止め、命がけの潜入捜査を試みていることが明かされるのだが……
ミス・ウェンズデーことネフェルタリ・ビビとの出会いをきっかけに、王下七武海・クロコダイル率いるバロックワークスと死闘を繰り広げることになる麦わらの一味。
単行本では12~23巻にあたり、一国の命運をかけて、海賊たちだけでなく国民全員が闘う熱い様子が描かれる。
Mr.2 ボンクレーとはどんな人物か
Mr.2 ボンクレー(以下、Mr.2)は、ビビの仇敵・バロックワークスのオフィサーエージェントである。
ナンバーエージェントは皆コードネームで互いを呼び合い、仲間内でも本名が明かされることはない。
普通、「Mr.(数字)」のコードネームを持つ男性と、「ミス・(祝日や曜日など)」のコードネームを持つ女性のペアで構成されているが、唯一、オカマであるMr.2のみはペアを組まず、ソロで動いている。
麦わら海賊団の敵として登場し、アラバスタ編後半ではサンジと激闘を繰り広げるMr.2だが、彼を愛する読者は非常に多い。
なぜなら、Mr.2は「命に替えても仲間を守ろうとする”漢の中の漢”」だったからだ。
早速、そんな彼の”漢の道”――本人に言わせれば”オカマ道(ウェイ)”――あふれる名言を見てみよう。
友情ってヤツァ… つき合った時間とは関係ナッスィング!!!
アラバスタへと向かう海の上で、偶然にも出会った麦わらの一味とMr.2。
互いに敵同士だとは気付かないまま、ルフィ達とMr.2はつかの間の楽しい時間を過ごす。
やがて部下たちがMr.2を迎えにきたとき、目に涙を浮かべて彼が言う台詞がこれだ。
友情(の深さ)とつき合った時間には関係がない。
真に心を許し合える”漢”同士であれば、出会った瞬間に真のマブダチになれるのだ。
あなたの場合はどうだろうか?
「いい奴そうだけど、まだ知り合ったばかりだし……」なんて余計な考えに足を取られ、貴重な友情を掴み損ねてはいないだろうか。
真の友情に、つき合った時間は関係ナッスィング。
「この人だ!」と思える人に出会えたならば、あなたの方から距離を縮めてみてはいかがだろうか。
積極的に友情を育もうとしてくれる人であれば、相手だってきっと仲良くなりたいと思うはずだ。
命を賭けて友達(ダチ)を迎えに行く友達(ダチ)を… 見捨てておめェら明日食うメシが美味ェかよ!!!
海軍に追われ、アラバスタ王国を脱出しようとするルフィ達が、大きなリスクを背負ってでも仲間(ビビ)を迎えにいくと知ったMr.2の台詞がこれだ。
なによりも仲間を思い、友情を大切にするMr.2だからこそ出てきた台詞であると言えよう。
Mr.2にとってルフィ達は、出会って間もないただの海賊である。
しかも、数日前に死闘を繰り広げたばかりの敵同士ですらある。
それでもMr.2は、命に替えてでも仲間を迎えにいこうとするルフィ達を――死地に向かうマブダチを放っておくことができなかった。
そこで彼が提案するのは、なんと、自らが囮となって海軍を引きつけ、ルフィ達がビビを迎えにいく隙を作り出そうという驚きの作戦だった……。
男の道をそれるとも 女の道をそれるとも 踏み外せぬは人の道
こちらは上述したシーンの続きである。
覚悟を胸に、潔くもポーズを決めたMr.2はこう語る。
――男の道をそれるとも
――女の道をそれるとも
――踏み外せぬは人の道
――散らば諸友
――真の空に
――咲かせてみせよう
――オカマ道(ウェイ)
この長台詞を、文字通り背中で語ったMr.2。
台詞の中にもあるように、すでにMr.2は自分達が散ることを覚悟しているのだ。
ルフィ達の身代わりとして死地に赴く悲壮な決意を、ここまで格好よく表す台詞が他にあるだろうか。
たとえつき合った時間は短くとも、真に仲間だと思えた相手のためには、自らを犠牲とすることも厭わない。
友情を愛し、友情を守り、友情に身を捧げるこの姿勢こそが、Mr.2が”漢の中の漢”である所以なのだ。
自らを犠牲にできる”漢の中の漢”の周りにこそ人は集まる
仲間のために、友達のために、自分を犠牲にできるだろうか?
犠牲の覚悟を問われるシーンは、実は日常にも数多く潜んでいる。
友達が服を泥で汚してしまい、またお母さんに怒られるとしょげかえっているときに、「僕が彼に泥団子を投げつけたんです」と彼をかばえるだろうか?
友達と同じカレーを頼み、あなたの皿のほうにばかり大きな肉が乗っていたとき、あなたはそれを友達のために差し出せるだろうか?
それをできる人物こそが”漢の中の漢”である。
そして、そんな”漢”の元にこそ人は集まる。
あなたが愛され、溢れんばかりの友情を差し出されるためには、まずはあなたが周囲を愛し、惜しみない愛情を与えることが必要だ。
Mr.2が貫いた”オカマ道”を胸に明日を生きれば、いつの日にか、あなたの周りが友達の笑顔でいっぱいになることだろう。
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