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『ONE PIECE FILM RED』感想・考察。ウタとルフィの「新時代」の違いとは?

映画『ONE PIECE FILM RED』(ワンピース フィルムレッド)を観に行ってきた。素晴らしい内容にいたく感動したので、感想と考察を書かせてもらった。映画と『ONE PIECE』本編の最新話までのネタバレを含んでいるので、ご注意願いたい。

映画プロモーションの新時代


今回観たのは「TOHOシネマズ池袋」。ウタの歌が見どころ(聴きどころ)の1つなので、「革新的映画音響」と謳われている「DOLBY SOUND」で観たが、大正解だった。楽曲の迫力や立体感がすごくて、Adoの歌唱が会場に響き渡るダイナミックさと、耳元にピタッと届く精密さが見事に共存しており、音楽を最大限に楽しめた。

映画を観る前にも、早いうちからApple Musicで聴けた『新時代』『私は最強』『逆光』の3曲はヘビロテしていた。また、「ウタ日記」というYouTube配信もほぼすべて観たように思う。これから映画に出るキャラクターが予告として動画配信をする、というプロモーション体験が新鮮だった。

私たち自身が映画館というライブ会場でウタと出会う前から彼女の姿を目撃し、楽曲を何度も聴き、動画での配信で身近な存在に感じていたのである。このギミックによりプロモーションと映画本編との境界は見事に融解した。

ただし、予告編や声優さんの舞台挨拶動画を観ていても、どのような内容になるかはほぼわからない。ウタがシャンクスの娘でルフィと幼馴染、ファンを集めたライブを開催するということは明かされていても、誰とどのような戦いを繰り広げるのかが見えないのだ。

キャラや歌など魅力的な周辺情報に楽しみながら触れつつも中心的なストーリーの核はわからず、この対比によって生み出される「もう映画本編観るしかないじゃん」という抗いがたい欲望の亢進を引き出したという点で、実に見事なプロモーション戦略であったと言えよう。

随所に見られる「今っぽさ」

蓋を開けてみれば、ウタは主犯格級のキャラクターであった。

かつて栄えた音楽の島エレジアで、全世界のファンとリアル+映像配信の形式でライブを敢行する中、歌を聴いた者を眠らせ「夢の世界」に連れていく「ウタウタの実」の力を使い、世界の7割の人を永久にそこに閉じ込めようと画策した。その後、邪魔をする者が現れたときのために準備していた「トットムジカ」という古代の人々の〈負の感情〉を集合させた魔の存在を自身の歌で解き放ち、抵抗した。

今回の映画は「今っぽい要素」が多い。

ウタの創る「夢の世界」は、いずれ来るフルダイブ型の「メタバース」という仮想世界を表し、それへの警鐘とも読み取れる。

敵が明確な1人の悪でない、というのも今っぽい。現代の複雑に絡まり合う世界では、「たった1人の犯人」なんてものは存在せず、人々のちょっとした行動の波及効果で危機が訪れる場合が多い。

もちろん、ウタの動画配信で全世界に歌を届ける表現方法は、完全にYouTubeやTiktokなどの動画メディアによる音楽配信と連動している。

優れたエンタメ作品は、ポップな面白さの底に時代の空気感や抱えている問題を取り込んでいるものだが、そのような意味でも素晴らしい作品だった言えよう。

ここからは、1つ1つのテーマについて順に筆者の考えたことを書いていく。

テクノロジーで発掘されたウタとAdo

ウタはルフィの幼馴染でありシャンクスの娘という破格の出自であるが、性格は普通のやんちゃな思春期の女の子だ。しかしある日、海で「新種の映像デンデン虫」という映像配信用ガジェットを拾ったことで、不世出の才能が全世界に接続される。孤島にいた「1人の無名の女の子」が「世界の歌姫」に花開いたのは、テクノロジー環境が与したところが大きい。

これはまさに、歌い手Adoの鮮烈なメジャー音楽シーンへのデビューを彷彿とさせる。顔も名前も知らない1人の女子高生(デビュー当時)が、配信技術によって国内最も有名な「歌姫」となったのである(「歌姫」という区分け自体少し古いかもしれないが公式でウタは「歌姫」とされている)。

筆者は30代前半で、「歌姫」といえば浜崎あゆみ、安室奈美恵といったシンガーが浮かんだが、一体10年前の何人が、顔も名前も不明な一般女子高生が大手プロダクションの後ろ盾もなしに、圧倒的なスピードで世間に認知され「令和の歌姫」になるなどという事態を想像していただろう。そう、今の歌姫は顔が見えない。

「ボスキャラ」がいない世界構造

今の時代は「ポストモダン」や「VUCA」と呼ばれ、分かりやすい世界構造というものは解体されている。「明確な悪を、正義が絶てば世界は平和に保たれる」「これさえ手に入れれば生涯安心」というような仕組みでは現実を把握しきれないのだ。それは物語の構造にも投影され、倒すべき1人の「ボスキャラ」は不在なのである。

人々はこの不条理で不確定な現実で生きていかなければならない。だからこそ、ウタの楽曲は皆の不安や悲しみを癒やし、救世主のごとく崇められる。彼女は世界中の人に自分の歌を届けて幸せにしたいという「善き思い」を持っていたのだ。

たしかに、現実世界や自分自身への怒り、シャンクスへの割り切れない想いなどが分かちがたく混ざり合い今回のような悲劇を起こしてしまったにせよ、ウタは心から人々に勇気や癒やしを与えようとする善き表現者であり、「世界の人を救おう」という利他的正義は持っていた。彼女は決して首領クリークやアーロン、エネルやカイドウのような自己利益追求型の分かりやすい「敵」ではない。

「トットムジカ」という巨悪も登場するが、それは古代に封印された人々の〈負の感情〉の集合体であることに注意したい。あのおぞましい外見はとても「1人の人間」が表出できるものではないだろう。SNSにおける軽い気持ちの誹謗中傷の集合が持つ、「人間を実際に殺すほどの魔力」を絵に起こせばトットムジカのようになるのではないだろうか。トットムジカはラスボスの役割は果たしているが、「1人の敵」ではなく、概念的存在である。

では、なぜ被害が甚大になったかと言えば、トットムジカや「新種でんでん虫」などの環境がウタという1人の少女に悪魔的な力を与えたからである。私たちの世界でも、一昔前であれば少し調子に乗り仲間内で叩かれていただけの若者が、現代ではYouTubeやTwitterなどの「存在拡張技術」によって、多大な影響を世間に与えてしまい大炎上してしまうリスクを孕んでいる。

「集合知」という、特定できない液体的な存在が犯人であるのは、いかにもポストモダン的である。これがもし、ウタが利己的で、自分の富や名声あるいは目に見える嫉妬などの感情から計画に及んでいたとしたら、この物語はあまり「今風」ではなかったはずだ。実は魚人島における新魚人海賊団との抗争でも、真の敵が「憎しみの世代連鎖」というオチであり今回が初というわけではないのだが、今作においてポストモダン的構造が際立っていたことには違いない。

ウタの理想世界はメタバースへの警告?


ウタが人々を閉じ込めようとしたバーチャル世界を、来たるべきメタバース世界のことと考えると分かりやすい。

まず、彼女の考える「心地よさ」を「フィルタリングバブル」に当てはめてみよう。私たちはSNSやレコメンドの機能が発達した社会にいるため、自分の興味があり心地よいものだけが表示され、見たくないものは見ないで済む傾向が高まってきている。ポストモダンの一元的な共通価値観も無いため、人々は「人それぞれの幸せ」の内に籠もる。そして、「ウィズコロナ」の時代に突入し、私たちはなおさら現実世界でのノイズから距離を起きつつある。

これを突き詰めるとどのような世界になるか。それは、フルダイブ型のデバイスにより五感で没入できる仮想世界において、NPCと呼ばれるAIを内包した住民たちと暮らすメタバースとなる。そこは嫌なことも無理な期待もなく、衝突することもない彼/彼女らと好きな世界観の中で生きる「最高に心地よい世界」である。

その方向を極めた先にあるのは、映画『マトリックス』の世界だ。意識だけがバーチャル世界にあり、現実世界では最低限の生命活動のみで目覚めることすらできない。ウタは危うく『マトリックス』世界を創り上げてしまうところだった。

ちなみに、メタバース業界は「GAFA」と呼ばれる現実世界の四皇にあたる巨大グローバル企業たちが兆単位の投資を決定しており、遠くない未来に仮想現実サービスが席巻するのはほぼ確定的である。その時、私たちはメタバースが提供する「自分にとって居心地のよい世界」とどのように向き合うのか、そこから抜け出す意味は一体どこにあるのか? その問いに対するヒントが、ウタとルフィの掲げる「新時代」の対比に隠されている。

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