鋭い牙を立て、人の生き血を啜る夜の貴族・吸血鬼。
いずれも美男美女ぞろいであり、モンスター界の花形として語られる彼らは、漫画の世界でも大人気。
魔性のカリスマを宿す蠱惑の眼差しや、気品あふれる所作にときめく読者も多いのではないか。
今回は古今東西の吸血鬼漫画から、おすすめ30選をジャンルごとのランキング形式でご紹介!
初心者におすすめの吸血鬼漫画
初心者におすすめの吸血鬼漫画を3作紹介していく。どっぷり吸血鬼漫画というよりは、吸血鬼の設定を利用した”本格派漫画”となっている。漫画そのものの評価が高い作品となっているので、誰でも気軽に楽しく読めるはずだ。
1位『ヴァニタスの手記』
望月淳先生による漫画。2021年7月からはTVアニメも放送されており、累計発行部数が550万部を突破している大人気作だ。
一見すると女性向け漫画のような気がするが、ガッツリ少年漫画となっている。吸血鬼が存在するフランスが舞台で吸血鬼の専門医を自称している人間のヴァニタスが主人公。そんな中、ヴァニタスが持つ「ヴァニタスの書」を手に入れようとするノエが現れ…。
本作の最大の読みどころは「作り込まれた設定」にあるだろう。従来の吸血鬼漫画を何段階もステップアップさせた、現代漫画の最先端を走る設定となっている。
作画のクオリティも非常に高く、美しさがあり読みやすい。吸血鬼漫画をあまり読んでこなかった人にオススメしたい作品だ。
2位『化物語』
西尾維新先生によるファンタジー小説を大暮維人が漫画化した。数多くのメティアミックスがされている大人気作だ。主人公の阿良々木暦は春休みに起こった事件の影響で吸血鬼の要素を持っていた。そして彼の前に「怪異」に関わってしまった少女たちが次々と現れる。そんな少女たちの「怪異」を、阿良々木暦が解決していく。
本作の最大の読みどころは西尾維新によるファンタジーな世界観と、秀逸すぎるシナリオ・台詞回しにあるだろう。
そしてそれを完璧に漫画に落とし込み、美しすぎる作画で表現した大暮維人も素晴らしい。
登場してくる少女たちも非常に個性的かつ可愛らしく、『化物語』でしか体感できない独特の雰囲気をぜひ楽しんでもらいたい。
3位『ロザリオとバンパイア』
池田晃久先生による漫画。2008年にはTVアニメも放送され、他にもゲーム・小説などでメディアミックスされている作品だ。
妖怪の通う高校「陽海学園」に入学してしまった青野月音は、バンパイアの少女・赤夜萌香に出会う。それ以降も、サキュバスの少女・黒乃胡夢、ウェアウルフの森丘銀影など、様々な妖怪と出くわし…。
本作の最大の読みどころは端麗な作画である。キャラクターデザインが非常によく、主人公はカッコいいしヒロインもとても可愛らしい。
ラブコメ要素とシリアス要素が絶妙に絡み合っており、作品の世界にのめり込みやすいのも特徴である。
ホラー系吸血鬼漫画のおすすめ
ホラー要素の強い吸血鬼漫画を2作紹介する。伝承により語り継がれる吸血鬼本来の恐怖を徹底的に追求している作品をピックアップした。近年は甘いマスクを被った吸血鬼が主役の作品が増えているが、本来の吸血鬼とはこれらの作品に登場するものを指すのだろう。
1位『血海のノア』
里見有による漫画。最高のバケーションを夢見て、意気揚々と豪華客船に乗り込んだあかり達一家三人。そこは残虐非道な吸血鬼たちが狩場として人間を血祭りに上げる、この世の地獄だった。
吸血鬼が支配する船上を逃げ回るスプラッタホラー。容赦なく人が死ぬ、ショッキングな展開から目が離せない。
人間を糧と見なし、狩りの遊戯に興じる吸血鬼のおぞましさや追い詰められる恐怖にフォーカスしており、突然の惨劇によってパニックに襲われた人々がなんとしても生き残ろうともがくさまから、焦燥と悲嘆がひしひし伝わってきた。
あかり達が生き残れるのか、手に汗握ってしまった。
2位『彼岸島』
松本光司先生による漫画。ウェブアニメや実写映画など、多数のメティアミックスが進んでいる。
青果店の息子だった宮本明は、数年前に彼岸島で行方不明になってしまった、兄・宮本篤を探すために彼岸島を訪れることに。しかし、彼岸島は吸血鬼が巣食う島だった…。吸血鬼たちとの戦いを描いたサバイバルホラー。
本作の最大の読みどころは、サバイバルホラーらしいギリギリの戦いにあるだろう。
身体能力が凄まじい吸血鬼とのエンカウントは「死」を意味するのだが、それをギリギリのところで回避していく作品となっている。
また、物語が進行するにつれ状況も大きく変化していくので、中盤までは読み進めておきたい作品でもある。
恋愛系吸血鬼漫画のおすすめ
恋愛要素を強くした、恋愛系吸血鬼漫画を9作紹介する。大半が「禁断の愛」をテーマにした作品となっているので、女性読者は心を鷲掴みにされる可能性大!人間同士の恋愛モノに飽きてきた人におすすめしたい。
1位『Vassalord.』
黒乃奈々絵によるダークファンタジー漫画。長命の吸血鬼であるジョニー・レイフロと、彼に育てられたヴァンパイアハンター兼サイボーグ神父のクリスが、人間と吸血鬼の勢力図を塗り替える巨大な陰謀に挑む。
堅物すぎて融通の利かない敬語年下攻め×フェロモン垂れ流しのおっさん受けが好きなら読んでほしい。
レイフロとクリスに関しては性行為の描写はないのだが、レイフロが凌辱されていると匂わすシーンや挑発的な言動に事欠かず、クリスを「チェリー」呼ばわりして憚らないレイフロの誘い受けには悶えること必至。
脇を固める登場人物もデンジャーな魅力にあふれ、海外のドラマを見ているような気にさせられる。
個人的には燻し銀のクレイグ刑事推し。
2位『黒薔薇アリス』
水城せとなによる漫画。19世紀のウィーンと現代日本を股にかけ、吸血鬼の愛憎を描くラブロマンス。
平凡な女教師にすぎなかった梓(アリス)が、突然現れたミステリアスな美青年・ディミトリによって自分の宿命を告げられ、美しく気高く覚醒していく姿に感動。
その後アリスは吸血鬼たちの中から繁殖行為に及ぶパートナーを選ばなければいけなくなるので、タイプ別のイケメンに至れり尽くせり傅かれる、乙女ゲーさながらの逆ハーレム要素も備えている。
3位『吸血姫美夕』
垣野内成美による漫画。吸血鬼と人間の間に生まれ、闇の世界からさまよい出たはぐれ神魔を狩る任を負った監視者・美夕の戦いを描く。
少女漫画の系譜を継ぐ儚く繊細な絵柄と、悲哀を帯びたストーリーが見所。
クールでミステリアスな存在感を保ちながら、監視者の使命とまだ完全には消えてない人の情の間で揺れ動く美夕の葛藤が、様々な悲劇が錯綜する物語に余韻を生む。
仮面の下は絶世の美形なラヴァとの、美しい主従愛にもキュンキュンする。
4位『少年の傷痕』
新人・一七八ハチによる漫画。『私の少年』の作者が帯に推薦文を寄せている。愛する人を失った女性・涼香と、愛してくれる人を失った少年・風助。
同じ人に先立たれて孤独な二人は、雪深い寒村にて傷を舐め合うように暮らしていたが……。
年齢や立場は大きく異なれど、喪失が繋ぐ歪な絆に惹き付けられる。
実は風助には秘密があり、飢えと渇きを癒すため、涼香に血を提供してもらっているのだ。
疑似家族とも恋愛とも定義しにくい、共依存に似て閉塞感に満ちた関係はインモラルなおねショタ路線で解釈でき、その手のフェティシズムが好きな読者はたまらない。
5位『チョコレート・ヴァンパイア』
くまがい杏子先生による恋愛漫画。ヴァンパイアと人間が共存する世界の篝月学園が舞台となっている。
主人公でヴァンパイアの篝月雪と幼い頃に契約を交わした幼馴染の美崎千代の恋愛模様を描くラブストーリー。
本作の最大の読みどころは、吸血鬼の設定を活かしたキュンキュンなエピソードにあるだろう。
女性読者の心を奪ってしまいそうになる甘いマスクの主人公が、積極的にアプローチをしたり、時には吸血鬼特有の心の弱さを見せてきたりするのだ。
タイトルの通り、めちゃくちゃ甘いヴァンパイアラブストーリーに仕上がっている。
6位『吸血鬼と薔薇少女』
朝香のりこ先生による漫画。主人公の白咲千結は恋愛未経験のピュアな女子高生だ。そんな彼女のクラスに吸血鬼の夜宮朔が転校してくる。
ある日、朔が苦しそうにしているところを千結が目撃。仕方なく自分の血を吸わせると、「あんたの初めて全部俺がもらう」と、なぜか気に入られてしまう…。
本作の最大の読みどころは、ピュアな女性にとって夢のようなシナリオとなっている点にあるだろう。
超王道の少女漫画シナリオとなっているのだが、それが素晴らしいのだ。現実逃避するかのように、作品に引き込まれていくだろう。
少女漫画は好きだけど吸血鬼漫画はちょっと…という人にぜひチャレンジしてみてほしい恋愛漫画だ。
7位『花に、かみつく』
加賀やっこ先生による吸血鬼と人間の儚い恋愛を描いた漫画。
新学期を迎え2年生になった女子高生の高槻すずがヒロイン。新しいクラスに向かう最中に、美少年でヴァンパイアの明城に遭遇するすず。運命的な出会いを果たした二人だが、それはヴァンパイアと人間の禁じられた出会いだった…。
本作の最大の魅力は、やたらと色気を放つ吸血鬼にある。
本作は女性が求める男性像を見事に表現している。
色気のある吸血鬼に翻弄されていく女の子の物語を描いているのだ。
そして、すずと明城の二人は思春期ながらも本当の恋を知らない子ども。
お互いの気持ちを確かめながら少しずつ大人の階段を登っていく2人の恋を見守ろう。
8位『聖餐-カタルシス-』
刑部真芯先生による漫画。両親と兄と暮らす女子高生のひなたが主人公だ。
一見するとありふれた家族に見えるのだが、どこか違和感を感じるひなた。自分だけ顔が似ていないのだ…。そんな不信感を募らせる毎日だったが、ある日、兄は人間ではなく吸血鬼だったことが判明する。
本作の最大の魅力は吸血鬼ラブコメに義兄妹要素を取り入れていることだろう。
吸血鬼漫画は少女向けの作品が多いこともあり、設定の多様化が進んでいない。そう、少年漫画のラブコメではありがちな義兄妹設定が浸透していないのだ。
そういった意味でも、本作は挑戦的な内容となっている。
いつもの吸血鬼漫画に飽きてきた人にオススメの作品だ。
9位『純血+彼氏』
硝音あや先生による漫画。主人公の高千穂架南は陸上競技のスポーツ推薦で高校に入学したれっきとしたスポーツ少女だったが、ある事件がきっかけで陸上部を辞めてしまっていた。そんな架南だったが、ある日、幼馴染の錐十アキと再会し、彼が吸血鬼であったことを告白される…。
隷属関係になってしまった架南とアキの関係性が最大の読みどころだろう。
隷属関係は吸血鬼漫画の定番になりつつあるのだが、女性読者からしたらたまらないシチュエーションだろう。
また、世界観の設定も良くできていて、それぞれのキャラクターに辛い過去やバックグラウンドが用意されているのもポイントが高い。
それらを乗り越えながら成長していく姿を楽しんでほしい。
バトル系吸血鬼漫画のおすすめ
吸血鬼ならではの迫力あるバトル系吸血鬼漫画を10作紹介していく。吸血鬼は元来、人間よりも高い身体能力と不死身の肉体で恐れられてきた生物であり、その一方で太陽の光などの弱点もある。これらの設定を活かしたバトル展開は、非常に読み応えがあるだろう。
1位『終わりのセラフ』
原作:鏡貴也、漫画:山本ヤマトによるバトル漫画。
突然発生したウイルスの影響で大人たちが全滅し、人間社会が崩壊してから4年が経った世界が舞台となっている。
残された子どもたちは吸血鬼たちに奴隷同然の扱いをされている。主人公の白夜優一郎はなんとか脱出することができたが、その代わりに、家族だった白夜ミカエラを失ってしまう…。
本作の最大の読みどころは、徹底された分業制による隙のないクオリティにあるだろう。
シナリオや世界観はもちろんのこと、作画とコマ割りはとても丁寧な印象がある。
そのため、戦闘シーンはダイナミックかつ見やすい仕上がりになっているので、快適に読み進めることが出来るはずだ。
2位『血界戦線』
『トライガン』で有名な内藤泰弘による漫画。アニメもヒットした。
異界と人界が交差するヘルサレムズ・ロッド(元ニューヨーク)を舞台に、人外の存在を狩る秘密結社・ライブラの活躍を描く。
異界と融合し、人知を超えた異形が跳梁跋扈する魔窟と化したヘルサレムズ・ロッドの世界観が魅力的。吸血鬼狩りの専門家であり、それぞれの血にちなんだ特殊スキルを駆使するライブラの面々もかっこよく、スタイリッシュなバトルで魅せてくれる。
3位『トリニティ・ブラッド』
九条キヨによる漫画。急逝した作家・吉田直が、角川スニーカー文庫から出していたライトノベルのコミカライズにあたる。
教皇庁の派遣執行官である貧乏神父アベル・ナイトロードと、彼に助けられた修道女エステルの旅路を描く。
吸血鬼と人類の対立が激化する世界において、両者の共存を信じ戦い続けるアベルのひたむきさと、彼と共闘するクセモノぞろいの仲間たちに夢中になった。
イタリアやイギリスをはじめとする欧州の国々が舞台となり、実在の観光名所や歴史上の偉人にちなんだ人名が数多く出てくるので、マニア心をくすぐる。
4位『ブラッドラッド』
小玉有起による漫画。魔界に住むオタク吸血鬼・スタズのもとに、ある日人間の柳冬実が現れる。
しかし冬実はスタズの眼前で魔物に食われ幽霊になってしまって……。
基本面倒臭がりでだらけているが、気になる女の子(冬実)の為なら「やれやれだぜ」と一肌脱ぐスタズの男気が素敵。
あらゆるモンスターが抗争をくり広げ縄張り争いに精を出す、アンダーグラウンドな魔界の世界観もソウクール。
5位『HELLSING』
平野耕太による漫画。20世紀末の英国では吸血鬼による不可解な事件が相次いでいた。
女傑インテグラ率いる王立国教騎士団、通称ヘルシング機関は、最強の吸血鬼アーカードとその下僕セラスに対処を命じるが……。
ハイセンスな台詞回しが癖になる、厨二病大歓喜の傑作。狂信者と狂人しか出てこないが、それがいい。吸血鬼のチート能力に依存せず、二挺拳銃やワイヤー、その他様々な武器や暗器が性能を発揮する戦闘シーンはギミックに凝っていて読者を飽きさせない。
敵味方区別なく完全にイッてしまってるキャラクターの生き様と散り様は、壮絶の一言に尽きた。
6位『銀狼ブラッドボーン』
艮田竜和と雪山しめじによる漫画。現役時代は銀狼の異名をとり最強と謳われたハンター、ハンス・ヴァーピット。
既に引退し悠々自適な老後を過ごしていた彼のもとへ、人間が骨を抜かれ殺される奇妙な事件が持ちこまれ……。
老ヴァンパイアハンター・ハンスがかっこよすぎ。最強ジジイに萌えて燃えたい枯れ専はぜひ読んでほしい。
彼と並ぶと孫にしか見えない美少女吸血鬼・ココウィル(後妻の座を狙っているもののてんで相手にされず)との関係性もおいしい。
7位『ダレン・シャン』
同名児童文学のコミカライズ。蜘蛛をこよなく愛する少し風変わりな少年ダレン・シャンは、親友スティーブと共に訪れた奇妙なサーカスにて、蜘蛛を自在に操る怪しい男に声をかけられ……。
吸血鬼の師弟を翻弄する過酷な運命と、壮大な陰謀を描いた冒険もの。
最初はいがみあっていたクレプスリーとダレンが、共に試練をくぐりぬけるうちに信頼を育み、互いにとってかけがえのない存在になっていくのが胸熱。
ダレンの親友スティーブもいいキャラをしている。
8位『MoMo―the blood taker―』
『ボクガール』で有名な杉戸アキラの最新作。十年前に惨殺された妻の復讐に燃える38歳オッサン刑事と、ロリータ吸血鬼の凸凹主従が活躍するダークアクション。
ヒロインのモモがとにかく愛くるしい。
プリケツまるだしのセクシーランジェリーで主人公の御子神に夜這い、もとい吸血行為を仕掛けたり、天然なのか狙ってるのか紛らわしい行動にドキドキが止まらない。
昼間はボケボケのダメ刑事、夜は因縁の仇を追いヴァンパイア狩りに奔走する御子柴にもギャップ萌え。
オッサン×少女のバディが好きなら読んでほしい。
9位『SERVAMP』
田中ストライクによる少年漫画。アニメ化、舞台化もされている。何事もシンプルに割り切るのがポリシーの高校生・城田真昼が、契約を交わした人間に飼われる専門の吸血鬼であるサーヴァンプのクロと出会い、彼らの戦いに巻き込まれていく。
ビジュアルと内面、ともに尖った個性が輝くイケメンたちがくり広げる痛快なバトルと、それぞれにドラマチックな主従の絆から目が離せない。
過去に決裂した仲間との愛憎や確執、そこから和解に至る流れも話を盛り上げてくれる。
10位『ヴァン・ヘルシングDarkness Blood』
原作:河田雄志、作画:行徒による漫画。
主人公は「伝説のヴァンパイアハンター」ヴァン・ヘルシング。ヴァンパイアのコロニーをいくつも撃破し、天敵として恐れられているヤバすぎる人間だ。相棒のヴォルフと一緒に、ヴァンパイアと壮絶な死闘を繰り広げることになるのだが…。
本作の最大の読みどころはヘルシングの幅広い戦闘方法にあるだろう。
ヘルシングは必ずしも戦闘能力に秀でているわけではなく、頭脳プレイで応戦するのが特徴だ。パワープレイは全て相棒のヴォルフに任せている。
また、日常シーンではかなり余裕があるせいか、しょっちゅうボケをかましてくる。
テンポが良く全3巻で完結するので気軽に読んでみてはどうだろう。
日常系吸血鬼漫画のおすすめ
日常シーンが印象的な日常系吸血鬼漫画を6作紹介していく。「吸血鬼=怖い」というイメージを利用したギャップのある日常シーンを取り上げていたり、人間にバレないように生活している吸血鬼の日常だったりと、吸血鬼ならではの日常を覗いてみようではないか。
1位『吸血鬼すぐ死ぬ』
盆ノ木至によるギャグ漫画。
吸血鬼退治人で副業作家のロナルドと、メンタル・体力ともに蚊に等しいクソザコ吸血鬼・ドラクルが巻き込まれる騒動を描く。
ギャグのセンスがキレッキレで、ロナルド自身が住む新横浜を『新幹線が停まる虚無』と称すセンスには感動した。
ダメージを受けるとすぐ灰に帰して崩れ去るドラクルも憎めないキャラをしているし、最初は敵として登場した吸血鬼たちが、その後レギュラー・準レギュラー化していくのも愛着が湧いて嬉しい。
2位『となりの吸血鬼さん』
甘党による漫画。カワイイもの好きな女子高生・天野灯と、日傘が必需品の吸血鬼・ソフィーのほのぼの同居ライフを描く。
シックな日傘に黒ワンピ、ストレートロングの銀髪といった正統派の見た目を裏切り、家電やインターネットをばりばり使いこなし現代の暮らしをエンジョイするソフィーの柔軟さが逞しい。
しかも『スーパーマリオ2』めあてに日本に渡り、そのまま住み着いてしまった筋金入りのオタクときて、好感度上がりっぱなし。
ひとりぼっちで洋館に暮らしていた彼女が、灯や同級生との交流を経て、見た目相応に子どもっぽい表情や振る舞いを見せるようになるのが尊い。
3位『ヴァンパイア騎士』
樋野まつり先生による漫画。2008年にはTVアニメも放送されている。
全寮制の高校「黒主学園」が舞台。この高校には一般生徒が通う「普通科」と吸血鬼が通う「夜間部」が存在しているが、普通科の生徒は夜間部の生徒が吸血鬼であることを知らない。主人公の黒主優姫は学園と夜間部の秘密を知っている数少ない普通科の生徒。秘密を守るために風紀委員として活動している。
本作の最大の読みどころはシナリオ構成にある。序盤は世界観の紹介がされているが、中盤になってから徐々に各キャラの設定が明らかになり活用されていくようになる。
そのため、ぜひとも最後まで読んでほしい作品に仕上がっている。
また、少女漫画らしい美形の吸血鬼たちは非常にカッコいいので、やはり女性読者におすすめの作品だ。
4位『デビルズライン』
花田陵先生による漫画。2018年にはTVアニメも放送されており、累計発行部数は240万部を突破している。
吸血欲を持った「鬼」が存在する現代日本が舞台。人間と鬼のハーフで、警視庁で鬼の犯罪を取り締まっている安斎結貴が主人公。その捜査の途中で大学院生の平つかさと出会い…。
吸血鬼が当たり前に存在する世界、という世界観が本作の魅力だ。
そして、結貴とつかさの一途な愛がとても良い。
吸血鬼漫画は女性向けであることが多いが、本作の場合は少年漫画ラブコメのような要素もあり、ヒロインのキャラデザも非常に優れているので、男性でも読みやすい作品となっている。
吸血鬼と人間の独特な恋愛を楽しんでほしい。
5位『ブラッディ+メアリー』
サマミヤアカザ先生による漫画。あまりにも長すぎる時間を生きてきたがために、死にたがっている吸血鬼のメアリーが主人公。
そのため、自分を殺すことが出来る特別な血を持つエクソシスト・マリアを探し求めていた。そこでやっとマリアを見つけることが出来るのだが、そのマリアは特別な血を持っているわけではなかった…。
本作の魅力は非常に美しい作画にある。
キャラクターがとても美しく描かれており、女性向けにフォーカスされたシナリオとなっている。
また、記憶喪失のメアリーの謎を解き明かす物語となっているため、どんどん続きが気になること間違いなし。
とはいえ、BL要素を取り入れた作品であると思われるため、やはり女性の方にオススメの作品だろう。
6位『BLOOD ALONE』
高野真之先生による漫画。小説家で探偵業を営んでいる主人公の黒瀬クロエと、アルティルの影響で吸血鬼になってしまった湊ミサキの物語だ。
基本的には2人の穏やかな日常シーンが描かれているが、その中で吸血鬼に関する事件を担当することになっていく…。世界観の作り込みが良くできている名作だ。
本作の最大の特徴は世界観の作り込みのクオリティにある。
雰囲気のある主人公と吸血鬼になりかけてしまった少女の日常は、優しい世界観が構築されているとともに、ちょっとした危ない空気を感じさせる。
漫画のコマの外の余白が黒く塗りつぶされているのも特徴の一つで、独特な世界観を演出することに成功している。
作画も整っていて、とにかくオシャレな雰囲気のある吸血鬼漫画だ。
おわりに
以上、面白い吸血鬼漫画30選を紹介した。
吸血鬼の日常を描いたライトなものから骨太ダークファンタジーまで、時代も違えば作風も異なるが、共通しているのは吸血鬼の特性を生かし、話を組み立てていることではないか。
敵に回すと非常に厄介、味方に引き入れれば心強い。友達や恋人にすれば、さらに新しい面が見えてくるはずだ。
気になる作品があればぜひ手に取ってほしい。
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