目次
- 『ARAGO』【ツギハギの怪物を追え!ロンドンが舞台のファンタジー】
- 『メテオ・メトセラ』【青年と少女の世界を巡る旅路】
- 『昴』【パッション弾けるパレエ漫画】
- 『校舎のうらには天使が埋められている』【残酷な少女が支配するいじめの時間】
- 『キス&ネバークライ』【フィギュアスケート×ミステリー】
- 『残響』【アウトローな疑似家族の逃避行】
- 『BEASTARS』【けだものになりたくないけものたちの挽歌】
- 『チェンソーマン』【新世代ジャンプの看板作品】
- 『ヨイコノミライ』【元祖サークルクラッシャー降臨】
- 『愛と呪い』【アダルトチルドレンの絶望と再生】
- 『ピンポン』【死ぬまでの暇潰しなんて言わせない】
- 『動物のお医者さん』【動物ギャグ漫画の金字塔】
- 『最終兵器彼女』【ガールフレンドは最終兵器?】
- 『空が灰色だから』【鬱まっしぐらな青春グラフィティ】
- 『銀河の死なない子供たちへ』【不老不死の姉弟と赤ん坊】
- おわりに
『愛と呪い』【アダルトチルドレンの絶望と再生】
ふみふみこによる自伝的漫画。全3巻完結済み。新興宗教を信仰する家庭に育ち、実父から性的虐待を受け続けた愛子の絶望と再生を描く。
平成前半に中高生だった、酒鬼薔薇聖斗と同世代にあたる読者に刺さる漫画。
あの頃の閉塞感がギュッと詰まっており、息苦しい気持ちにさせられる。
大人になってからも人間関係を上手く築けず、アダルトチルドレンとして彷徨する愛子がやるせない。
ありふれた不幸に苦しむ一人の少女の軌跡を平成史とリンクさせた衝撃作であり、一人でも多くの人に読んでほしい。
毒親をただ悪者にするだけで終わらせず、どうしてそうなってしまったか核心部分に踏み込んだ、作者の勇気に感動した。
愛と呪いの半生?アダルトチルドレンの成り立ち『ピンポン』【死ぬまでの暇潰しなんて言わせない】
松本大洋による漫画。全5巻完結済み。天真爛漫なペコと冷静沈着なスマイル、対照的な高校生が卓球に賭ける青春を描く。
「眼鏡の上から叩かないでくださいよ非常識な」「人生は死ぬまでの暇潰し」など、名台詞のオンパレードな作品。
伸び悩むペコと天才の片鱗を見せるスマイル、立場が逆転した親友同士のすれ違いが見もので、劣等感と憧れが複雑に入り混ざったペコとスマイルの友情に萌えた。
アクマやドラゴンなど、ライバルたちとの試合も熱い。
『動物のお医者さん』【動物ギャグ漫画の金字塔】
佐々木倫子による漫画。全12巻完結済み。猫・犬・鶏・スナネズミの大所帯で暮らすハムテルが、変人の教授や学友に囲まれながら、一人前の獣医師をめざす姿を描く。
ハムテルを囲む動物たちの愛嬌たっぷりの表情と、シュールなギャグの数々に抱腹絶倒。
変人・漆原教授の傍迷惑な行動の数々は、全力でツッコミを入れざるえない。
獣医学部ならではのトラブルも面白く、なんだかんだお人好しなハムテルとその友人・二階堂に降りかかる災難に笑ってしまうのだった。
『最終兵器彼女』【ガールフレンドは最終兵器?】
高橋しんによる漫画。全7巻完結済み。北海道在住の高校生・シュウジには、可愛いガールフレンド・ちせがいた。ある日戦争が起こり、ちせは最終兵器に改造されてしまって……。
シュウちゃん大好きで心優しくけなげなちせと、そんな彼女を支えるシュウジの純愛に涙が止まらない。
付き合いたての初々しい高校生カップルが過酷な運命に翻弄されるセカイ系の代表作であり、ライトノベル『イリヤの空、UFOの夏』が好きならハマりそうだ。
最終兵器である以外は普通の女の子と変わらないにもかかわらず、度重なる戦闘のはてにボロボロになっていくちせの姿は正視に堪えず、どうか幸せになってほしいと願ってやまないのである。
『空が灰色だから』【鬱まっしぐらな青春グラフィティ】
阿部共実による漫画。全5巻完結済み。一話完結のオムニバスで、主に中高生の少女がメインとなる。
甲子園の夢破れた彼をひたむきに応援する少女の顛末や、長身の同級生へのからかいが意外なリアクションに繋がる話など、思春期特有のすれ違いや行き違いが引き起こす苦いエピソードが多く収録されており、読後は小一時間ほど鬱で立ち直れない。
人の弱みや狡さを抉りだすバイブスの利いた台詞回しに、ハートをフルボッコされるのが快感だ。
『銀河の死なない子供たちへ』【不老不死の姉弟と赤ん坊】
施川ユウキによる漫画。全2巻完結済み。文明崩壊後、遠未来の地球。
不老不死の姉・パイと弟・マッキは、身重の身体で地球に流れ着いた女性から赤ん坊を託され、一から育てることになるのだが……。
数万数億年子供の姿でい続けたパイとマッキが、自分たちと異なるスピードで老いゆく人間の子育てに携わる中で寿命の概念を知り、やがてそれぞれの道を選び取るのが感動的だった。
銀河的広がりを持ち、死生観を揺るがすストーリーだ。
おわりに
以上、完結済みの面白い漫画15選を紹介した。
最終回から時間が経っても、傑作は色褪せない。
勢いに任せて一気読みした後は心地よい疲労感に浸れるはずだ。
長さは読みやすさを考えて10巻前後を基準にしたので、気に入ったのがあればぜひ読んでほしい。
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