恋に恋する年頃を過ぎても、ラブコメ漫画を開けばまたあの頃に戻れる。
世の中にはそんな甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれる作品がたくさんあふれている。
ラブだけじゃない、コメディだけじゃない、両者の化学反応が生み出すパワフルな青春こそ読者の心を掴んで離さない。
今回は笑いと胸キュンが詰まったラブコメ漫画おすすめ30選をジャンルごとのランキング形式でご紹介!
初心者におすすめのラブコメ漫画
まずは、初心者にオススメのラブコメ漫画を3作紹介する。今話題になっている定番作で、多くの読者を抱えている作品でもあり、信頼度は非常に高い。現代ラブコメを楽しむならまずはこの3作だろう。
1位『五等分の花嫁』
春場ねぎのラブコメ漫画。
それぞれタイプの違う五つ子に好意を持たれる、羨ましさ爆発のハーレム物でもある。
五つ子だからこそできる入れ替わりや起こり得る取り違えを本筋に絡めてドラマを盛り上げており、一体どの子が主人公のハートを射止めるのか、主人公は誰を選ぶのか、最後までドキドキしながら読めた。
絵柄は美麗で女の子も大変可愛らしく、贔屓ができたら全力で推したくなる。
小悪魔おねえさんな長女、ツンデレギャルな次女、歴史オタクで戦国武将萌えな三女、元気一杯ムードメーカーな四女、食いしん坊でおこりんぼな五女と主人公の交流は、たっぷり笑えて泣けるのだった。

2位『かぐや様は告らせたい』
赤坂アカによるラブコメ漫画。アニメのヒットも記憶に新しい。
名門秀知院学園の生徒会長・白銀御行と、日本屈指の大財閥の娘である四宮かぐやが、どちらが先に告白させるか競い、相手に熾烈な心理戦を仕掛けていく。
白銀とかぐやは相思相愛バカップル。
互いへののろけ全開の心の内や、墓穴を掘っては埋まり掘っては埋まりを繰り返す言動には「お可愛いこと……」とぬるい微笑を禁じ得ないが、意地と見栄とプライドのがんじがらめになった当人たちは「絶対相手に告白させる!」と譲らずに悪あがき、そのギャップが面白い。
巻数を重ねるごとに登場人物が増え、白銀とかぐやの周囲のカップルに脚光があたるので、コンプレックスからの脱却や成長を絡めた恋愛群像劇としても楽しい。



3位『からかい上手の高木さん』
山本崇一朗によるラブコメ漫画。
中学校の同級生であり、席が隣同士の西片と高木さんのじゃれあいを描く。
この高木さん、成績優秀でスポーツ万能の美少女なのだが、入学式のある一件がきっかけで西片に好意を持っており、たびたび彼をからかっては楽しんでいる確信犯的小悪魔だ。
本作の肝はあの手この手で西片をからかっては意味深なアピールをしていく高木さんと、それに逐一ドキドキしては甘酸っぱいリアクションを返す西片の日常だ。
「こんな子が隣の席にいたら俺の青春バラ色だったのに……」と男性諸氏は涙を飲むかもしれない。
女子は高木さんから男心を掴むモテテクを学んでほしい。
スピンオフの『からかい上手の(元)高木さん』では、なんと西片と夫婦になり、一児をもうけた高木さんの姿が拝める。
学園ラブコメ漫画のおすすめ
小学校・中学校・高校の恋愛模様を中心に繰り広げられる学園ラブコメ漫画を7作紹介していく。中高生の方に限らず、青春に浸りたい社会人の方々にもオススメの作品ばかりだ。
1位『僕の心のヤバイやつ』
最新話が更新されるたびにTwitterが発狂する、桜井のりおのラブコメ漫画。
中二病をこじらせすぎて気に入らないクラスメイトの殺害を日々妄想している陰キャ男子・市川京太郎と、モデルもやってるスクールカーストトップの美少女・山田杏奈。
何もかも正反対で接点のない2人が、図書室でのニアミスをきっかけにお互い意識しはじめて……。
「好きな子の猟奇的殺害方法を妄想するのが趣味」なんて書くととんでもない痛さだが安心してほしい、これはフェイク。
実のところ京太郎は純情一途なヤツで、山田が面倒くさい男に絡まれてたら自転車ごと突っ込んでいくずたぼろヒロイズムを発揮する。
最初は京太郎なんてアウトオブ眼中だった山田が、随時テンパって空回り気味の彼の男らしさにときめいて、距離を縮めていく過程がすごく……尊い。
中学時代の黒歴史と甘酸っぱい思い出が同時に甦る、ねるねるねるねに塩と砂糖をぶちこんだような読後感が味わえる作品だ。
2位『その着せ替え人形は恋をする』
福田晋一先生による漫画。雛人形職人を目指す五条若菜が主人公。
ある日、雛人形用の衣裳を作っているところを、ギャルで読者モデルとしても活躍している喜多川海夢に見られてしまう。
一見まずい展開のように見えるが、実は海夢はオタク趣味がありコスプレに憧れていたのだ。この日をきっかけに若菜と海夢は親交を深めるようになり…。
本作の最大の読みどころはコメディにある。特にヒロインの海夢のキャラが良い。
ギャルで読モもやっているという完全無欠な陽キャ属性の持ち主なのだが、その一方でオタク文化にのめり込む陰キャ属性も兼ね備えている。そんな海夢の心情描写が非常に面白い。
また、少女漫画テイストの作画になってはいるが、その一方でコメディ要素が強いため、男性でも読みやすい作品に仕上がっている。
3位『きせかえユカちゃん』
描く漫画描く漫画が実写化され、今や押しも押されぬ人気作家となった東村アキコ初期の代表作。
タッパがありすぎて大人にしか見えないが、中身は小学生どころか幼稚園レベルの健康優良児であるユカが巻き起こす騒動を描く。
ユカ自身は食い気>>>色気な鈍感女子だが、姉のユミや担任の貞子など、周囲の恋模様がなんともいい感じにやきもきさせてくれる。
ユカ自身無類のおせっかいときて、「よっしゃ一肌脱いでやろうじゃないの!」とキューピット役にしゃしゃりでることもしばしば。
ところがその努力の方向性や発想がズレており、結果としてとんでもないトラブルに繋がるのだから抱腹絶倒だ。
時事ネタや芸能ネタをこれでもかと盛り込んだ、キレッキレのギャグにも注目してほしい。
4位『やんちゃギャルの安城さん』
加藤雄一による漫画。
地味で目立たない真面目なだけが取り柄の瀬戸に、何故かちょくちょく絡んでくるイケイケギャルの安城さん。一体彼女の本心とは……。
安城さんのセクシーさと小悪魔的可愛さがたまらない。
瀬戸へのきわどいアピールは目のやり場に困るほどで、スキンシップ過剰な彼女にロックオンされたら最後、思春期男子の心拍数は上昇の一途で頭から湯気を噴いてしまうのではなかろうか。
一方、文化祭で瀬戸が正装した際には、イケメンに生まれ変わった彼を他の女子にとられてしまうかもしれないとジェラっており、年相応の内面が覗くのが微笑ましい。
やんちゃギャルに振り回されたい読者におすすめだ。
5位『可愛いだけじゃない式守さん』
真木蛍五先生による漫画。
不幸体質の主人公の和泉は、同級生の式守と付き合っている。そんな式守さんは非常に可愛らしいのだが、和泉がトラブルに巻き込まれるときには男前イケメンに変貌して、男気あふれる行動をするようになるのだ。
女の子の強さを描いている作品となっている。
本作は既に彼氏彼女の関係が成立している段階でスタートしている上、どちらも一途な性格の持ち主なので、ひたすら2人の可愛らしいイチャイチャを楽しむことができる。
そんな中、ヒロインの式守さんはただただ可憐な女の子ではなく、たまーに男前な一面が出るのでそれがシュールで面白い。
「現代ラブコメのヒロインは可愛いだけではやっていけない」、そんなメッセージが伝わってくる作品だ。
6位『古見さんは、コミュ症です』
オダトモヒトによるラブコメ漫画。
容姿端麗、才色兼備な古見さんの唯一にして最大の弱点はコミュ症であること。
その秘密を偶然知ってしまったクラスメイトの只野仁人は、彼女のコミュ症克服に協力するのだが……。
一見完璧に見えるものの実際はコミュ症ぼっちな女子が、何をやらせても平均値な男子と友情以上恋愛未満の感情を育んでいく話。
とにかく古見さんが可愛い。基本無表情で人付き合いが下手、友達の作り方がわからずおろおろする姿が愛おしい。
そんな彼女をサポートする只野も人のよさが出ていて、2人のクラスメイトになった気分で、手探りで近付いていく両片思いの行方を見守りたくなるのだった。
7位『イジらないで、長瀞さん』
ナナシによるラブコメ漫画。アニメ化もされた。
美術部所属のコミュ障陰キャ男子と、彼に付き纏いいじり倒す後輩イケイケ女子のやりとりがもどかしくぞくぞくする。
サドデレという新たなジャンルを開拓した功績を称えたい。
本作のヒロイン(?)長瀞さんは、嫌がって涙目になる先パイに嗜虐心をそそられるのか、しばしばちょっとやりすぎなほど調子に乗っていじめまくるのだが、言葉責めに愉悦する表情が妙にエロティックで、読んでるこっちもドキドキが止まらない。
が、本作の真ヒロインは先パイ(男)である。
天パ眼鏡男子が後輩女子にからかわれて赤面、「もうやめて!」と手で顔を隠して羞恥。
眼鏡越しの目をうるうる潤ませるところを見たら、女子攻め男子受けの素晴らしさに目覚めるはず。
読者の性癖を全力で曲げにくる、実にアグレッシブなラブコメである。
大学ラブコメ漫画のおすすめ
大学のキャンパスライフを舞台にしたラブコメ漫画を4作紹介していく。高校生までのラブコメとは異なり、色々な遊びやお酒を覚えた学生たちによる物語なので、時にはハッチャケたり時には泥沼展開になったりと、多種多様な心情描写を楽しむことが出来る。
1位『ハチミツとクローバー』
羽海野チカのラブコメ漫画。
無口で人見知り、ハムスターのようにふわふわで愛くるしい花本はぐみに一目惚れする竹本をはじめとして、複数のカップルの恋愛模様が描かれていく。
芸術の才能に溢れた一方、恋や人間関係に不器用な学生たちが織り成す日常に胸がキュンキュン。
特に美大一の変人認定されている森田のエキセントリックな行動と破天荒な暴走ぶりは爆笑もの。
こんな先輩いたら絶対迷惑!……が、ちょっとだけ楽しそうと思ってしまうのだった。
2位『君のいる町』
瀬尾公治先生による漫画。2013年にはTVアニメも放送されている。
主人公の桐島青大は広島県に住む男子高校生。東京から転校してきた枝葉柚希が居候としてやってくる一方で、クラスメイトの神崎七海に恋していた。
しかし、柚希との同棲生活を続けていく中で徐々に気になるようになっていき…。
本作の最大の特徴は高校生から社会人までを網羅したラブコメになっていることだ。
主に広島編・東京編・大学生編・社会人編に分かれており、特に大学生編がメインテーマとなっていて、大学生特有のドロドロの展開も演出されている。
少年漫画のラブコメの中でもボリュームがある作品で、読み応えがあるのも良い。
コメディ要素も強くギャグセンスもいい上に、シリアスパートのクオリティも非常に高く、知る人ぞ知る名作となっている。
3位『理系が恋に落ちたので証明してみた。』
山本アリフレッド先生による漫画。2018年にテレビドラマ、2019年には実写映画も公開されていて、アニメでもメディアミックスが行われている。
理系において最高レベルの大学に通っている主人公の氷室菖蒲が、研究メンバーで同級生の雪村心夜に告白した。
しかし、あまりにも理系脳の2人は恋愛感情を科学的に理解することができなかった。ということで他の研究メンバーも巻き込んで、自身の恋愛感情を研究することになる…。
とにかく理系全振りの登場人物たちが、研究というのを建前にして恋愛を学んでいくストーリーとなっているのが本作の読みどころだ。
研究目的ということで大胆なことをしてしまう心夜のエピソードも面白い。
実際の理系の大学内においてカップルが成立するなどほぼありえないのだが、「もしも理系大学でラブコメをやってみたら」という視点を持つと読み進めやすいだろう。
4位『彼女、お借りします』
宮島礼吏先生による漫画。2020年にはTVアニメも放送され、続編も2022年に放送。累計発行部数は830万部。
主人公の木ノ下和也は大学生。彼女もできて順風満帆な大学生活をしているように思えたが、突如彼女に振られることに。
別れた後の寂しさに耐えられなくなり、恋人代行サービスであるレンタル彼女を申し込むことになり、水原千鶴と出会う…。
本作はヒロインが非常に魅力的だ。メインヒロインの水原千鶴を始め、ゆるふわ金髪の七瀬麻美、とにかく一途な更科るか、超コミュ症の桜沢墨などよりどりみどり。
その一方で主人公は典型的なクズ大学生で読んでいてムカつくことも多いのだが、精神的に少しずつ成長していく点も見逃せない。
ハーレム系ラブコメ漫画のおすすめ
数多くのヒロインに囲まれるハーレム系のラブコメ漫画を5作紹介していく。個性的なヒロインがたくさん登場するので、自分の好みな女の子に巡り合うことができるだろう。また、主人公は一体誰と結ばれるのか、という展開も楽しむことが出来る。
1位『カッコウの許嫁』
週刊少年マガジンで数々のラブコメを描いてきた吉河美希先生による漫画。アニメ化もされた人気作だ。
主人公の海野凪は16歳の男子高校生。ある日、家族に「取り違え子」であることを告げられる。そんな中、メインヒロインの天野エリカと出くわし、彼氏のフリをしてほしいと頼まれるのだが実は…。
「ラブコメ×取り違え子」がテーマになっているので、オリジナリティのある人間関係となっているのが本作の最大の特徴となっている。
天野エリカが取り違え子だったことが発覚するので、16年間妹だった海野幸は義妹となってしまうので、一気に三角関係が構築されるのだ。
また、取り違え子特有の家族エピソードも深堀りされている印象があり、これが本作の鍵を握っていると言っても過言ではない。
2位『ニセコイ』
古味直志先生による漫画。2014年にTVアニメも放送されていて、スピンオフも多数制作されている人気作だ。
主人公の一条楽はヤクザの息子。そしてヤクザとギャングの抗争を抑えるために、ギャングの一人娘の桐崎千棘と彼氏彼女のフリをすることに。
その一方で楽は、昔に「ザクシャインラブ(愛を永遠に)」と約束した女の子に想いを寄せており…。
ここ最近のラブコメは一風変わったテーマを取り入れることが多いが、本作は親がヤクザ・ギャングであること以外は超王道のラブコメ展開となっている。
それに加え週刊少年ジャンプの編集力もあり、非常に読みやすい作品に仕上がっているのが特徴だろう。
ヒロインも非常に可愛らしく、金髪ツンデレの千棘、正統派黒髪ショートの小野寺小咲だけではなく、サブヒロインも人気がある。
3位『ぼくたちは勉強ができない』
筒井大志先生による漫画。2019年にはTVアニメも放送された。累計発行部数は440万部。
主人公の男子高校生・唯我成幸は超優秀な学生であったが、理系科目では緒方理珠、文系科目では古橋文乃に劣っていた。
そんな中、学園長からのお願いで理珠と文乃の教育係を担当することになり…。
本作の読みどころはヒロインの魅力にある。
メインヒロインともいえる理珠と文乃以外にも、武元うるかと桐須真冬にも注目だ。
特に桐須真冬はキャラクター投票で圧倒的な人気を獲得している。
教師という立場であるため真冬エンドはないと思われていたが、あまりにも人気だったため、前代未聞のマルチエンディング方式を採用したほどだ。
マルチエンドなので各ヒロインのハッピーエンドを楽しむことができるのはメリットだろう。
4位『カノジョも彼女』
ヒロユキ先生による漫画。2021年7月からTVアニメも放送されている。
主人公の向井直也は幼馴染の佐木咲にずっと告白し続けていた。そしてついに告白が受け入れられたのだが、その後にもうひとりのヒロインである水瀬渚に告白され、直也はそれを受け入れてしまい、しかも「二股を認めてほしい」と咲に懇願することに…。
二股関係をコメディ調のラブコメに仕上げた設定が本作の最大の特徴だ。
通常、二股漫画といえばドロッドロの展開が続くことがほとんどだ。
しかし、本作はあくまでもラブコメということで、コメディ要素を非常に強くしており、楽しみながら読み進めることが出来るのだ。
ということなので、緻密な心情描写が描かれているわけではないのだが、ラブ”コメディ”として楽しむことができる作品に仕上がっている。
5位『いちご100%』
河下水希先生による漫画。2005年にはTVアニメも放送されている。
中学3年生の真中淳平がある日屋上に出ようとした時に、空から女の子が落ちてきた。
その女の子は東城綾、「いちご柄」のパンツを履いており、とてつもなく可愛い美少女だった。
その一方で学校のヒロインの西野つかさにダメ元で告白してみたら「OK」という返事が!つかさと付き合うことになった淳平だったが、徐々に東城に惹かれるようになっていき。
本作の最大の魅力は可愛らしいヒロインにある。
メインヒロインの東城綾、西野つかさだけではなく、北大路さつき、南戸唯も魅力的だ。
特に西野つかさの可愛さが異次元で、どう考えても負けヒロインの立ち位置なのに、メインヒロイン級の可愛さを見せてくる。
主人公の優柔不断具合がしょうがないと思えるほど、ヒロインの魅力が輝きまくっている作品だ。
ロマンチック系の王道ラブコメ漫画おすすめ
ロマンチックなラブコメを楽しむことができる王道作品を6作紹介していく。運命的な出会いから始まり徐々に恋愛へと転化するストーリーや、ボーイミーツガールのシンプルなラブコメが多い。
1位『高嶺と花』
師走ゆきのラブコメ漫画。
俺様若社長と勝気な女子高生の、お見合いから始まる前途多難の恋を描く。
身分差年の差、乙女心を掴んで離さない要素が凝縮された作品。
花のパワフルな言動や痛快な啖呵、高嶺のツンツンデレな愛情表現が最高。
かっとんだギャグでもおもいきり笑わせてくれ、読後はスッキリする。
一度ならず引き裂かれかけた花と高嶺が、手と手を取り合って障害を乗り越えていく姿は熱い。
ラブコメの王道ともいえるじれったさを存分に堪能できるのに加え、相手を尊重する事の大事さも学べる傑作だ。
2位『うちの弟どもがすみません』
オザキアキラによるラブコメ漫画。
母親の再婚により突然4人の弟ができてしまった、女子高生・糸の奮闘を描く。
棚からボタモチ改めイケメンが降って来る系で、突然沸いた4人の個性的な義弟に翻弄される糸が羨ましいやら気の毒やら。
なんとしても姉として認めさせてやろうと頑張る糸の思惑に反し、弟たちは家族以上の感情を持ち始めて……というお約束の展開がテンポよく進むので、安心して見ていられる。
ラブコメとしてはもちろん、ホームコメディとしてもツボを押さえた面白さでおすすめしたい。
3位『トニカクカワイイ』
『ハヤテのごとく』を手掛けた畑健二郎先生による漫画。2020年にはTVアニメも放送されている人気作だ。
主人公の由崎星空は自分の名前の「星空(ナサ)」という名前のせいでからかわれた過去を持ち、そのコンプレックスのバネ返しで勉強熱心の優等生となった。
そんな彼が高校受験を受けようとした日に、月読司に一目惚れしてしまうのだが、その際にトラックに轢かれてしまい…。
本作の最大の読みどころは新米夫婦生活のイチャイチャぶりにある。
通常、少年漫画のラブコメといえば恋愛成就までを描くことが多いが、本作は恋愛成就してからの物語となっているのが特徴だ。
由崎星空と由崎司の幸せたっぷりの生活を眺めることが出来る。
その一方で由崎司のミステリアスな雰囲気がどこか歪で、物語を読み進めるごとに徐々に正体が明らかになっていくのだ。新感覚を味わうことができるラブコメに仕上がっている。
4位『ときめきトゥナイト』
少女漫画誌『りぼん』で連載されていた不朽のラブコメ。
少年漫画界における高橋留美子にも等しい少女漫画界の重鎮、池野恋の代表作だ。
吸血鬼と狼女のハーフとして生まれた蘭世が、一匹狼のイケメン・真壁くんに恋するところから始まる、魔界と人間界を股にかけたストーリー。
ポジティブでピュアな蘭世とぶっきらぼうな真壁のじれったい恋模様には悶えること必至。
主人公だけじゃなくその家族も大変魅力的で、特に蘭世の家族は魔界生まれの魔物ながら、家族への愛情にあふれた人間くさい言動でじーんとさせてくれる。
最終的には蘭世の娘にまで繋がる壮大な物語となり、親心で結末を見届けてしまった。



5位『おとななじみ』
中原アヤのラブコメ漫画。
弁当屋で働く楓と春は幼馴染でアパートのお隣同士。
楓はず~っと春に片思いしているけど、アホな春は彼女の気持ちにまったく気付かない上にド天然ときて、今日も元気にボケをかます。
幼馴染・両片想い・ラブコメ、三拍子揃ったキーワードにぴんときたら即買いだ。
読者の目から見ても他の登場人物の目から見ても完全に両想いなのに、何故か当人たちだけが「いや幼馴染なんて恋愛対象じゃないよね」と頑なに思い込んでおり、じれったすぎるすれ違いにもだもだする。
楓も春も物凄いお人好しのいいヤツで応援したくなってしまうのだが、特に斜め上に突き抜けた春の勘違いの数々と「ちがうそうじゃねえだろ!」とツッコミ不可避な滑りっぱなしの言動は爆笑必至。
なにせ楓の誕生日をトラブルで祝えなかったお詫びに、フラッシュモブにオリジナルソングを唄わせ、タキシードにバラの花束のベタな組み合わせで告白に挑むようなヤツなのだ。
もはや春のアホさを愛でるだけでも読む価値あり。
6位『風夏』
週刊少年マガジンで数多くのラブコメ作品を手掛けてきた瀬尾公治先生による漫画。2017年にはTVアニメも放送されている。
主人公の榛名優は転校先の高校で秋月風夏と出会う。
そしてこの出会いをきっかけに2人はバンドをやることを決意し、楽器を買うためのお金稼ぎやメンバー集めに奮闘することになるのだが…。
本作の最大の読みどころは、比較的序盤の段階でショッキングなシーンが描かれるのと、その後のバンド生活にあるだろう。
通常のラブコメにはない独特の展開は現代ラブコメらしさがある。
また、バンドがデビューするまでの道のりを描いており、それがとてもリアルで、終盤になるにつれて盛り上がりを見せるようになる。この独特な雰囲気をぜひ楽しんでほしい。
社会人系ラブコメ漫画のおすすめ
社会人特有の葛藤を楽しむことが出来る社会人系のラブコメ漫画を5作紹介していく。社内恋愛ならではの大人な恋愛からちょっとウブな恋愛まで、体験することができる。社会人に憧れる高校生・大学生にもオススメの漫画を揃えたので楽しんでいっていただきたい。
1位『ヲタクに恋は難しい』
ふじた先生による漫画。2018年にはTVアニメ、2020年には実写映画が公開された。
隠れ腐女子とゲームオタクによる社内恋愛ラブコメを描いた作品だ。
主人公の桃瀬成海は生粋の腐女子。元々社内恋愛していたのだが、腐女子であることがバレたのをきっかけにフラれることに。
それがきっかけとなり会社に居づらくなってしまい転職するのだが、その転職先で幼馴染の二藤宏嵩と出会い…。
本作の最大の読みどころは、会社員のオタク文化事情にあるだろう。
おそらくだが、自分のオタク趣味を隠している会社員はかなり多いと思う。それもあって本作に共感できる人はかなり多いはずだ。
オタク文化にあまり興味がない人も、オタクな人たちの辛さを体験できるという意味でぜひ読んでほしい作品に仕上がっている。
漫画が好きな大人だったら誰でも本作を楽しめるだろう。
2位『あせとせっけん』
山田金鉄のラブコメ漫画。
汗っかきなОL・麻子と、彼女の体臭にぞっこん惚れてベタ褒めする名取の恋模様を描く。
匂いフェチならまず手に取ってほしい作品。
汗の分量が多いのがコンプレックス、常に匂いを気にするあまり引っ込み思案な性格になってしまった麻子が、匂いフェチの名取のラブラブ攻撃を受け、1人の女性として、社会人として自信を付けていくのが素敵。
ニッチな性癖を全肯定してくれる上に、主人公カップルが非常に好感持てる等身大のキャラクターをしているので、読んでいてとても楽しい。
個人的には実写ドラマ化希望だ。
3位『恋と国会』
西炯子先生による漫画。ラブコメと政治をミックスさせた異色の設定となっている。
内閣総理大臣経験者を父に持つ主人公の海藤福太郎は新人国会議員となった。
ある日、街角で出くわした女性と運命的な出会いをするのだが、その女性が元地下アイドルで、福太郎と同期の国会議員である山田一斗だった…。
本作の最大の読みどころは、「政治×ラブコメ」というオリジナリティ溢れる設定だ。
思えば夫婦同士で政治家をやっているケースも多いので、そこを突いた作品だろう。
元地下アイドルの国会議員というヒロインの個性も強い。
それでいて、国会議員の仕組みを肌感覚で学ぶことが出来るのも高評価だ。
また、福太郎のような世襲政治家の葛藤も描かれており、実在する世襲政治家の心情がよく理解できるようにもなる。
4位『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』
しめさば先生によるライトノベルが原作。これを足立いまる先生が漫画化させた。2021年にはTVアニメも放送されている。
IT企業に務める主人公の吉田が帰り道にJKを拾うところから物語が始まる。その女子高生の名前は荻原沙優。
「性交を条件に住居を提供してほしい」と沙優が提案するが、それを吉田が拒否し…。
サラリーマン男性と女子高生による犯罪ギリギリの同棲生活がテーマとなっている。
物語当初から沙優は何度も見知らぬ大人と性交を繰り返していたこともあり精神的に少し歪んでしまっていたところを、吉田が温かく包み込むようにお世話していく展開だ。
また、サブヒロインも魅力的で、先輩上司の後藤愛依梨、後輩OLの三島柚葉はとてもいいキャラをしている。
5位『ハニカム』
桂明日香によるラブコメ漫画。あるファミレスのバイトたちを中心に繰り広げられる恋模様を描く。
ファミレスが舞台のラブコメというと『WORKING!!』が有名だが、個人的にはこちらを推したい。
シャア好きが高じて赤いものならなんでも反応するオタク美少女や、残り物をタッパーに詰めて持ち帰る貧乏女子高生など、いずれ劣らぬ濃いキャラたちが惚れて腫れてすれ違い、胸ときめかせる姿がプライスレス。
ファミレスで働いた経験があるならきっと共感できるに違いないエピソードに、恋愛を上手く絡めているのもグッド。
おわりに
以上、読んで損のないラブコメ漫画30選を紹介した。
社会人同士の恋も学生同士の恋も、はたまた年の差身分差に阻まれた関係も全部おいしいが、やはりラブコメの醍醐味は両片思い同士のすれ違いに尽きるのではないか。
今回挙げたのは胸キュンノンストップの傑作ばかりなので、あの頃のときめきを思い出したい人はぜひ手に取ってほしい。
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