恋に恋する年頃を過ぎても、ラブコメ漫画を開けばまたあの頃に戻れる。
世の中にはそんな甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれる作品がたくさんあふれている。
ラブだけじゃない、コメディだけじゃない、両者の化学反応が生み出すパワフルな青春こそ読者の心を掴んで離さない。
今回は笑いと胸キュンが詰まったラブコメ漫画30選を紹介したい。
初心者におすすめのラブコメ漫画3選
まずは、初心者にオススメのラブコメ漫画を3作紹介する。今話題になっている定番作で、多くの読者を抱えている作品でもあり、信頼度は非常に高い。現代ラブコメを楽しむならまずはこの3作だろう。
『五等分の花嫁』
愛情も五等分?いいえ、五倍です!
春場ねぎのラブコメ漫画。
それぞれタイプの違う五つ子に好意を持たれる、羨ましさ爆発のハーレム物でもある。
五つ子だからこそできる入れ替わりや起こり得る取り違えを本筋に絡めてドラマを盛り上げており、一体どの子が主人公のハートを射止めるのか、主人公は誰を選ぶのか、最後までドキドキしながら読めた。
絵柄は美麗で女の子も大変可愛らしく、贔屓ができたら全力で推したくなる。
小悪魔おねえさんな長女、ツンデレギャルな次女、歴史オタクで戦国武将萌えな三女、元気一杯ムードメーカーな四女、食いしん坊でおこりんぼな五女と主人公の交流は、たっぷり笑えて泣けるのだった。

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』
天才VS秀才、火花散る心理戦!
赤坂アカによるラブコメ漫画。アニメのヒットも記憶に新しい。
名門秀知院学園の生徒会長・白銀御行と、日本屈指の大財閥の娘である四宮かぐやが、どちらが先に告白させるか競い、相手に熾烈な心理戦を仕掛けていく。
白銀とかぐやは相思相愛バカップル。
互いへののろけ全開の心の内や、墓穴を掘っては埋まり掘っては埋まりを繰り返す言動には「お可愛いこと……」とぬるい微笑を禁じ得ないが、意地と見栄とプライドのがんじがらめになった当人たちは「絶対相手に告白させる!」と譲らずに悪あがき、そのギャップが面白い。
巻数を重ねるごとに登場人物が増え、白銀とかぐやの周囲のカップルに脚光があたるので、コンプレックスからの脱却や成長を絡めた恋愛群像劇としても楽しい。



『からかい上手の高木さん』
からかい上手な隣のあの子
山本崇一朗によるラブコメ漫画。
中学校の同級生であり、席が隣同士の西片と高木さんのじゃれあいを描く。
この高木さん、成績優秀でスポーツ万能の美少女なのだが、入学式のある一件がきっかけで西片に好意を持っており、たびたび彼をからかっては楽しんでいる確信犯的小悪魔だ。
本作の肝はあの手この手で西片をからかっては意味深なアピールをしていく高木さんと、それに逐一ドキドキしては甘酸っぱいリアクションを返す西片の日常だ。
「こんな子が隣の席にいたら俺の青春バラ色だったのに……」と男性諸氏は涙を飲むかもしれない。
女子は高木さんから男心を掴むモテテクを学んでほしい。
スピンオフの『からかい上手の(元)高木さん』では、なんと西片と夫婦になり、一児をもうけた高木さんの姿が拝める。
学園ラブコメ漫画7選
小学校・中学校・高校の恋愛模様を中心に繰り広げられる学園ラブコメ漫画を7作紹介していく。中高生の方に限らず、青春に浸りたい社会人の方々にもオススメの作品ばかりだ。
『きせかえユカちゃん』
おしゃまな小学生が大活躍!
描く漫画描く漫画が実写化され、今や押しも押されぬ人気作家となった東村アキコ初期の代表作。
タッパがありすぎて大人にしか見えないが、中身は小学生どころか幼稚園レベルの健康優良児であるユカが巻き起こす騒動を描く。
ユカ自身は食い気>>>色気な鈍感女子だが、姉のユミや担任の貞子など、周囲の恋模様がなんともいい感じにやきもきさせてくれる。
ユカ自身無類のおせっかいときて、「よっしゃ一肌脱いでやろうじゃないの!」とキューピット役にしゃしゃりでることもしばしば。
ところがその努力の方向性や発想がズレており、結果としてとんでもないトラブルに繋がるのだから抱腹絶倒だ。
時事ネタや芸能ネタをこれでもかと盛り込んだ、キレッキレのギャグにも注目してほしい。
『僕の心のヤバイやつ』
陽キャ女子と陰キャ男子の思春期ラブ
最新話が更新されるたびにTwitterが発狂する、桜井のりおのラブコメ漫画。
中二病をこじらせすぎて気に入らないクラスメイトの殺害を日々妄想している陰キャ男子・市川京太郎と、モデルもやってるスクールカーストトップの美少女・山田杏奈。
何もかも正反対で接点のない2人が、図書室でのニアミスをきっかけにお互い意識しはじめて……。
「好きな子の猟奇的殺害方法を妄想するのが趣味」なんて書くととんでもない痛さだが安心してほしい、これはフェイク。
実のところ京太郎は純情一途なヤツで、山田が面倒くさい男に絡まれてたら自転車ごと突っ込んでいくずたぼろヒロイズムを発揮する。
最初は京太郎なんてアウトオブ眼中だった山田が、随時テンパって空回り気味の彼の男らしさにときめいて、距離を縮めていく過程がすごく……尊い。
中学時代の黒歴史と甘酸っぱい思い出が同時に甦る、ねるねるねるねに塩と砂糖をぶちこんだような読後感が味わえる作品だ。
『イジらないで、長瀞さん』
サドデレ女子の魅力に開眼!
ナナシによるラブコメ漫画。アニメ化も決定している。
美術部所属のコミュ障陰キャ男子と、彼に付き纏いいじり倒す後輩イケイケ女子のやりとりがもどかしくぞくぞくする。
サドデレという新たなジャンルを開拓した功績を称えたい。
本作のヒロイン(?)長瀞さんは、嫌がって涙目になる先パイに嗜虐心をそそられるのか、しばしばちょっとやりすぎなほど調子に乗っていじめまくるのだが、言葉責めに愉悦する表情が妙にエロティックで、読んでるこっちもドキドキが止まらない。
が、本作の真ヒロインは先パイ(男)である。
天パ眼鏡男子が後輩女子にからかわれて赤面、「もうやめて!」と手で顔を隠して羞恥。
眼鏡越しの目をうるうる潤ませるところを見たら、女子攻め男子受けの素晴らしさに目覚めるはず。
読者の性癖を全力で曲げにくる、実にアグレッシブなラブコメである。
『古見さんは、コミュ症です』
コミュ症女子の不器用さにKO
オダトモヒトによるラブコメ漫画。
容姿端麗、才色兼備な古見さんの唯一にして最大の弱点はコミュ症であること。
その秘密を偶然知ってしまったクラスメイトの只野仁人は、彼女のコミュ症克服に協力するのだが……。
一見完璧に見えるものの実際はコミュ症ぼっちな女子が、何をやらせても平均値な男子と友情以上恋愛未満の感情を育んでいく話。
とにかく古見さんが可愛い。
基本無表情で人付き合いが下手、友達の作り方がわからずおろおろする姿が愛おしい。
そんな彼女をサポートする只野も人のよさが出ていて、2人のクラスメイトになった気分で、手探りで近付いていく両片思いの行方を見守りたくなるのだった。
『やんちゃギャルの安城さん』
エロくて可愛いギャルに夢中
加藤雄一による漫画。
地味で目立たない真面目なだけが取り柄の瀬戸に、何故かちょくちょく絡んでくるイケイケギャルの安城さん。一体彼女の本心とは……。
安城さんのセクシーさと小悪魔的可愛さがたまらない。
瀬戸へのきわどいアピールは目のやり場に困るほどで、スキンシップ過剰な彼女にロックオンされたら最後、思春期男子の心拍数は上昇の一途で頭から湯気を噴いてしまうのではなかろうか。
一方、文化祭で瀬戸が正装した際には、イケメンに生まれ変わった彼を他の女子にとられてしまうかもしれないとジェラっており、年相応の内面が覗くのが微笑ましい。
やんちゃギャルに振り回されたい読者におすすめだ。
『その着せ替え人形は恋をする』
陽キャギャルのコスプレ生活
福田晋一先生による漫画。雛人形職人を目指す五条若菜が主人公。
ある日、雛人形用の衣裳を作っているところを、ギャルで読者モデルとしても活躍している喜多川海夢に見られてしまう。
一見まずい展開のように見えるが、実は海夢はオタク趣味がありコスプレに憧れていたのだ。この日をきっかけに若菜と海夢は親交を深めるようになり…。
本作の最大の読みどころはコメディにある。特にヒロインの海夢のキャラが良い。
ギャルで読モもやっているという完全無欠な陽キャ属性の持ち主なのだが、その一方でオタク文化にのめり込む陰キャ属性も兼ね備えている。そんな海夢の心情描写が非常に面白い。
また、少女漫画テイストの作画になってはいるが、その一方でコメディ要素が強いため、男性でも読みやすい作品に仕上がっている。
『可愛いだけじゃない式守さん』
男気たっぷりの二重人格ヒロイン
真木蛍五先生による漫画。TVアニメの制作も決定している人気作だ。
不幸体質の主人公の和泉は、同級生の式守と付き合っている。そんな式守さんは非常に可愛らしいのだが、和泉がトラブルに巻き込まれるときには男前イケメンに変貌して、男気あふれる行動をするようになるのだ。
女の子の強さを描いている作品となっている。
本作は既に彼氏彼女の関係が成立している段階でスタートしている上、どちらも一途な性格の持ち主なので、ひたすら2人の可愛らしいイチャイチャを楽しむことができる。
そんな中、ヒロインの式守さんはただただ可憐な女の子ではなく、たまーに男前な一面が出るのでそれがシュールで面白い。
「現代ラブコメのヒロインは可愛いだけではやっていけない」、そんなメッセージが伝わってくる作品だ。
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