1983年に連載がスタートし、爆発的な大ヒットを記録した『北斗の拳』。
コミック全27巻で累計発行部数1億冊を突破した伝説的な作品だ。
アニメも夜7時からのゴールデンタイムで放映された他、アニメ映画、OVA、実写版映画(これは厳しい)まで作られた。
今回はその名言を15個ピックアップしてみた。
前半10個は必要不可欠な名キャラクターたちの名言だが、後半5つは極悪キャラたちの極悪名言にしている。
カッコいいキャラもちろんだが、『北斗の拳』をより魅力的にしているのは、このどうしようもない根っからの極悪人どもだ。
『北斗の拳』の懐かしき・極悪名言集をお送りする。
目次
- わが生涯に一片の悔いなし(ラオウ)
- 今より輝こうとする子供たちの光を奪い去ることは許さん!(シュウ)
- おれは雲!おれはおれの意志で動く(ジュウザ)
- 愛ゆえに人は苦しまねばならぬ!愛ゆえに人は悲しまねばならぬ!愛ゆえに・・・(サウザー)
- ケンシロウ この魂はおまえに残そう。そしてこの肉体はラオウとの死闘に捨てよう!(トキ)
- 悲しみをしらぬ男に勝利はないのだ!(フドウ)
- 自分の好きなやつのために世の中をかえてやる(バット)
- うれしくて肌が泡立つ!この世に命のやり取りほど面白いゲームはない!(ハン)
- ラオウは自分が愛を持つ者に倒され とってかわられる事を願っていたのでは・・・(ユリア)
- お前はすでに死んでいる(ケンシロウ)
- ひっ!ひでぶっ!(ハート様)
- どうやらきさまは最高の木人形(デク)のようだ(アミバ)
- おまえら~~~おれの名をいってみろ!(ジャギ)
- あ~~~聞こえんな!(ウイグル獄長)
- く、暗ぁ~い(ジャコウ)
- まとめ
わが生涯に一片の悔いなし(ラオウ)
北斗の拳の名言と言えば、真っ先に思い浮かぶのがこのセリフだろう。
説明の必要もないだろうが、ケンシロウとの戦いに敗れ、ラオウが天に帰る際の言葉だ。
敗れた者をこれほど英雄視した漫画もめずらしいだろう。
実は、2007年には真言宗高野山東京別院において、リアルでの葬式と言える「ラオウ昇魂式」が行われた。
この式には日本のファンはもちろん、海外からも参列者がいたというから驚きだ。
ただラオウ自身はこの名言の寸前に「このラオウ天へ帰るに人の手は借りぬ」と言っているので、「昇魂式」はどうなのだろう・・・という疑問を持ってしまうのは私だけだろうか。
今より輝こうとする子供たちの光を奪い去ることは許さん!(シュウ)
南斗白鷺拳のシュウ。
盲目でありながら、脚技ではケンシロウと互角の戦いを繰り広げる。
共に聖帝の部隊と戦った時、彼らが子供ばかりを狙うことに怒りを込めて言い放った名言だ。
この言葉を聞き、ケンシロウはかつてシュウに命を助けられたことを思い出す。
それは幼きケンシロウが、南斗の道場で十人を相手に組み手を行ったとき。
最後の相手がシュウだった。
幼すぎたケンシロウはシュウに敗れ、掟に従い殺されるはずだった。
しかしシュウは両目を自らの拳で封じ、光を失うことを代償として、ケンシロウの命を救ったのだった。
仁星の男・シュウ、彼のおかげで世紀末に光が差したのだ。
おれは雲!おれはおれの意志で動く(ジュウザ)
世紀末覇者を名乗るラオウが認めた南斗の男・ジュウザ。
その天賦の才はラオウ・ケンシロウに匹敵する。
南斗五車星の中で「雲」を司り、誰にも読めぬ我流の拳が彼の強み。
一度は魂を捨てたジュウザは南斗最後の将の正体を知り、ラオウとの戦いに挑む。
しかしラオウはジュウザの予想をはるかに上回るほど、強大になっていた。
秘拳・撃壁背水掌(げきへきはいすいしょう)を繰り出すも、すんでの所で秘孔を突かれ拳を砕かれる。
最後の将の正体を聞き出すため、意志とは関係なく口を割る秘孔を突かれたジュウザ。
逆らえば肉体は砕け散る状況の中で、ジュウザはラオウの耳元でささやく。
拳王(ラオウ)の・・・ク・ソ・バ・カ・ヤ・ロ・ウ・・・
そして血しぶきを上げながら、己の生き方を貫き通したジュウザの名言。
おれは雲!おれはおれの意志で動く ざまあみたかラオウ!
最強の拳でもジュウザの意志だけは砕けなかった。
愛ゆえに人は苦しまねばならぬ!愛ゆえに人は悲しまねばならぬ!愛ゆえに・・・(サウザー)
南斗最強の男・聖帝サウザーに挑むケンシロウ。
2人の激突が近づく中、ひとりの子供がサウザーに刃物を向ける。
肉親のように愛してくれたシュウの仇を討とうというのだ。
その様子にサウザーは愛が人を狂わせると言う。
愛のために人は苦しまなければならないと言う。
それはサウザー自身、恩師を殺さなければならなかった運命に愛を捨てた過去があったからだ。
こんなに苦しいのなら、こんなに悲しいのなら、愛などいらぬ!
愛が深いゆえに、たどり着いた哀しき結論だった。
ケンシロウ この魂はおまえに残そう。そしてこの肉体はラオウとの死闘に捨てよう!(トキ)
病に蝕まれていく北斗の次兄・トキはついにラオウとの戦いに臨むことをケンシロウに告げる。
理由は拳士としての宿命とするが、本当の所は幼き日の約束にある。
「道を誤ったときは、お前の手でオレの拳を封じてくれ」と言った実の兄・ラオウとの約束を守るためだ。
しかし戦い挑むトキの前にケンシロウが立ちふさがる。
ケンシロウは本当に彼がラオウと戦える状態なのかを確かめようとしていた。
北斗天帰掌(ほくとてんきしょう)。
もしあやまって相手に殺されようとも相手を恨まず天に帰るという誓いの儀礼、を交わすふたり。
交差するふたり、戦いは一瞬だった。
トキは北斗神拳伝承者の実力を実感し安心した。
ケンシロウは病に侵されていなければ継承者はトキだった、と改めて感じる。
そしてトキはこの名言をケンシロウに送った。
それは死してもなお運命を全うしようとするトキの深い言葉だった。
悲しみをしらぬ男に勝利はないのだ!(フドウ)
地を裂き、線を引くラオウ。
かつて恐怖をその心に刻まれたフドウ相手に、もう一度この線より後退することがあれば巨大な弩で自らを射抜けと部下に言い伝える。
究極奥義・無想転生を体得したケンシロウに勝つため、フドウを生贄にしようというのだ。
多くの孤児を育てるフドウも倒されるわけにはいかない。
だが二人の激突が始まるも、今のラオウの強さは圧倒的!
致命の秘孔を突き、勝負ありと思われた瞬間、フドウは立ち上がる。
孤児たちが見守る中、そのまなざしを力に替え、血まみれのフドウは立ち上がる!
そしてラオウはケンシロウに見た哀しき眼を、フドウと子供たちに感じ圧倒され始めていた。
再び襲う恐怖の前に動けなくたったラオウに、フドウの怒りの拳がさく裂する!
その時、弩がフドウを貫いた!
ラオウは恐怖のあまり、自らが引いた最終ラインを越えて後ずさりしていたのだ。
フドウの命はついえたが、ラオウに初めて黒星をつけたのは彼だった。
自分の好きなやつのために世の中をかえてやる(バット)
高額の賞金が課せられているケンシロウをつけ狙う賞金稼ぎ・アイン。
娘を養うためだったが、バットと出会い共に敵の砦を襲うことに。
そして苦労の末、二人で目標を達成した時のバットのセリフ。
死と隣り合わせの時代だからこそ、生きている実感が大きい。
だから極めてシンプルな価値観でシンプルな目標を持って生きられるのだろう。
名言とは少し違うが、バットの言葉が妙に心に刺さり、少しだけこのシンプルさが羨ましく感じたので選んだ。(もちろん北斗の拳の世界行きたいとは思わないが)
ちなみにバットは最後には好きなやつ(リン)と結ばれ、唯一と言っていいハッピーエンドキャラとなる。
うれしくて肌が泡立つ!この世に命のやり取りほど面白いゲームはない!(ハン)
修羅の国第一の羅将(らしょう)・ハン。
個人的で申し訳ないが、私の大好きなキャラだ。
理由はそのダンディズム。
モデルはフレディ・マーキュリーか?
自信に満ちた雰囲気と北斗と血のつながりなく、正々堂々ケンシロウと戦った姿がカッコ良かった。
修羅の国に連れ去られたリンを追って、ハンの居城まで来たケンシロウ。
元々戦う気はなかった。
しかしハンは違う。
戦う理由を一言で表す。
ハン「きさまが強い男だからだ」
ハンの北斗琉拳の特徴はその迅さ(はやさ)にある。
ファーストコンタクトでハンの疾火煌陣(しっかこうじん)がケンシロウの肩に炸裂。
ハン「やはりおまえでもオレを楽しませてはくれぬらしい」
羅将の地位に就き、敵無しの生活に飽き飽きしていたか、それとも生来の戦い好きなのか。
どちらにせよ、ケンシロウ相手に全く揺らぐことのない自信がカッコいい!
しかし、ケンシロウに向けた手から血が滴り落ちる。
ケンシロウ「お前の間合いはオレの間合いでもある。きさまもオレの拳が見えぬらしいな」
重ね重ね、この二人のやり取りがまたカッコいい!
修羅の国編に入って原作の絵が以前より段違いにカッコよくなったのも、原因の1つだろう。
そしてハンの名言「うれしくて肌が泡立つわ!この世に命のやり取りほど面白いゲームはない!」
やはり生来の戦い好きだったようだ。
しかし、この言葉の根底にも絶対的な自信が満ち溢れており、ケンシロウとの戦いを一層盛り上げてくれた。
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