辻村深月おすすめ小説10選+定番6選【ファンが本気で選んだ!絶対に外せない作品とは?】

辻村深月おすすめ小説10選【ファンが本気で選んだ!絶対に外せない作品とは?】

今や「辻村深月」という作家を知らない人はいないのではないでしょうか。

映画『ツナグ』の原作者として知っていた人も、『かがみの孤城』『ドラえもんのび太の月面探査記録』(脚本)の作者としても知っているかと思います。

彼女は15年以上のキャリアで多くの作品を書いてきましたが、そうなってくると何から読んでいいかわからなくなってしまいます。

そこで今回はこれだけは外せない辻村作品を10作に絞りました。デビュー作から小説『映画ドラえもん のび太の月面探査記』と『傲慢と善良』まで紹介していますのでお楽しみあれ。

『冷たい校舎の時は止まる』

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろうー。第31回メフィスト賞受賞作。

(BOOKデータベースより)

メフィスト賞でのデビュー作。「SF(少し不思議)」「ミステリー」が合わさっている辻村深月作品の始まりです。

校舎に閉じ込められた8人の高校生たちによる、学園祭中に死んだ同級生を巡るミステリー。

作者のデビュー作を知ることによってほかの作品がさらに楽しむことができます。

このときは大人への反抗がうかがえますが、『かがみの孤城』になるとただ反抗するだけでなく……と、この作品を読んでおくと作者の変化を楽しむこともできます。

読みどころポイント

全体を通して、思春期の子供たちの心内が鮮やかに表現されているのが特徴となっています。

本作は作者自身が大学受験期に勉強から逃れるようにして執筆を始め、就職活動の辛さで後半を書き進め、そして就職してOLとなってからも手を加えてようやく完成にこぎつけた作品だそうです。

辻村さん自身が多感な時期に感じたことがギュッと詰まっており、若者の悩みや人生への迷いが感じ取れる、とても爽やかな仕上がりのミステリーとなっています。

まだ辻村作品に触れたことがないなら、この作品から読み始めることをお勧めします。

『冷たい校舎の時は止まる』の基本情報
出版社 講談社
出版日 2007/08/11
ジャンル ミステリー
ページ数 608ページ
受賞 第31回メフィスト賞受賞
発行形態 文庫、電子書籍

『凍りのくじら』

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすときー。

(BOOKデータベースより)

章題がドラえもんの道具になっていることでお馴染みの作品。

どんな相手にも合わせてしまう、合わせられてしまう芦沢理帆子。藤子・F・不二雄の「SF(少し・不思議)」のように友達など周りの人に「少し・〇〇」とつけていきます。そして自分は「少し・不在」

さまざまなドラえもんの道具が出てくるところや「少し・〇〇」がどのように変化していくかというところにおもしろさがあります。

読み終わったあとに必ず「少し・〇〇」と周りの人や自分につけたくなってしまうと思います。

読みどころポイント

主人公の少女の独特な感性と世界観が若々しくフレッシュで非常に魅力的。

困った時に助けてくれる未来のロボットらしく、随所でドラえもんが手を差し伸べてくれるような演出に心が温まり、優しい物語に仕上がっています。

『凍りのくじら』あらすじと感想【存在意義と記憶から溢れだす「ドラえもん」】
『凍りのくじら』の基本情報
出版社 講談社
出版日 2008/11/14
ページ数 576ページ
発行形態 文庫、電子書籍

『ツナグ』

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。

(BOOKデータベース)

松坂桃李主演で映画化もされた吉川英治文学新人賞受賞作

死んだ人に一度だけ会うことができる話。「もしあの人にもう一度だけ会えるなら」という叶わぬ願いを小説という形で叶えてくれます。

イチオシは、会えた友だちに、親にバレないようにBL本や同人誌を捨ててほしいと頼まれる場面。

拍子抜けしそうですが、その人間らしさが懐かしくも、そのようなことを頼むのは死んでしまったからということを思わせて一層切ないです。

読みどころポイント

執筆開始当初は、「叶うはずのない望みを叶える不思議な力」をテーマに書くつもりで構想をはじめたという辻村さん。

その結果としてたどり着いた設定が「生きている人間と死者を繋ぐ者、使者(ツナグ)」でした。

大事な人を喪うとき、心ゆく迄お別れを伝えられることなどごくわずかの恵まれたシチュエーションであり、そうでない別れを迎えた場合、生きている人側に何らかの後悔の念等マイナスの感情を残すこともあるでしょう。

「命の誕生と喪失」という誰もが一度は想いを馳せるテーマについて、新たな視点を開拓する助けになる名作です。

『ツナグ』の基本情報
出版社 新潮社
出版日 2012/08/27
ページ数 441ページ
受賞 第32回吉川英治文学新人賞受賞
発行形態 単行本、文庫、電子書籍

『鍵のない夢を見る』

どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう?放火現場で再会したのは合コンで知り合った冴えない男。彼は私と再会するために火を?(「石蕗南地区の放火」)。夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破滅(「芹葉大学の夢と殺人」)他、地方の町でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作。

(BOOKデータベースより)

ドラマ化された直木賞受賞作

地方の「犯罪」や地方特有の閉鎖感について、嫌になるほど書かれています。

普通に人が犯罪に手を染めてしまう、些細なきっけから大きく人生の歯車が狂っていく様子は圧巻です。

読みどころポイント

一通り読み終わってから振り返ると、タイトルの「鍵のない夢を見る」の意味がよくわかり、それがまた恐ろしいのが本作の魅力の一つです。

人間は皆過剰な自意識と勘違いの中で生きています。

くだらない、小さなきっかけで心は狂い、まるで終わりのない夢の中をさまようかのような人生。

誰もが持っているであろう、「人を見下す部分」や「プライドの高さ」がこうも恐ろしく化けることもあるのだと警告されているような読み心地で、読み終えた後に肝が冷える一冊です。

『鍵のない夢を見る』の基本情報
出版社 文藝春秋
出版日 2015/07/10
ページ数 269ページ
受賞 第147回直木賞受賞
発行形態 単行本、文庫、電子書籍、オーディオブック

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