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『鬼談百景』あらすじと感想【『残穢』にも連なる、小野不由美の傑作実話怪談集】

『鬼談百景』あらすじと感想【『残穢』にも連なる、小野不由美の傑作実話怪談集】

学校に建つ銅像が指差す先で起こる不幸。

何もない空間を指差し、笑顔で〈ぶらんこ〉と言う娘。

なぜか止められない、墓地での鬼ごっこ。

別作品『残穢』にも連なる、小野不由美氏の傑作実話怪談集。

こんな人におすすめ!

  • 怪談が好きな人
  • 小野不由美氏の作品が好きな人
  • 『残穢』を読了した、またはこれから読もうかと考えている人

あらすじ・内容紹介

とある学校に建つ銅像は、指先が切り落とされている。

果たして、その理由とは?(未来へ)。

まだあどけない娘は、〈ぶらんこ〉と言いながら何もない空間を指差して笑う。

まるで、そこで何かが揺れているかのように(ぶらんこ)。

祖母から買ってもらったぬいぐるみ。

しかし、そのぬいぐるみを抱いて寝たときは必ず悪夢を見て…(ぬいぐるみ)。

どこからともなく聞こえる、〈雨戸を閉めろ〉と言う声。

なんとなく気になって閉めた雨戸の外からは、何者かの気配がして…(注意報)。

日常に紛れ込む、不思議と恐怖。

あり得ないようでいて、不思議と場面が想像できる恐怖の情景。

小説家・小野不由美氏の下に読者から寄せられた99の怪談を収めた、同時刊行の長編小説、『残穢』とも連なる傑作実話怪談集。

解説は怪談会のレジェンド、稲川淳二氏。

『鬼談百景』の感想・特徴(ネタバレなし)

余分なものを削ぎ落とした〈怪談〉の魅力

以来、奇妙な事故はやんだ、という。

〈ホラー〉や〈怖い話〉と、〈怪談〉との違いを考えた時、その1番の差は〈懐の広さ〉ではないだろうか。

所謂〈ホラー〉や〈怖い話〉とは、文字通り〈怖くなくてはならない〉ものだ。

それ故に、例えば〈何かに襲われる・呪われる〉や〈何者かが迫ってくる〉といった、脅威に晒されるストーリー展開になることが多い。

また、その構造的な理由から〈脅威〉の正体への分析・考察などが必要となる場合も多いため、どうしても〈非日常感〉や〈非現実感〉を覚える場合もある。

しかし、〈怪談〉とは読んで字のごとく〈怪しい話〉であり、これは決して〈怖い〉必要がないものだ。

日常に紛れ込んだ〈ちょっとした不可解な出来事〉が、それ即ち〈怪談〉なのだ。

終わってしまってから〈あれは結局何だったのか?〉と考える。

そんなよく分からなさこそが〈怪談〉の醍醐味であり、そこには解釈も分析も必要ない。

今作は、そんな〈怪談〉の魅力が詰まった1冊となっている。

著者である小野不由美氏の下に集まった、不可思議な体験談の数々。

読者からの寄稿文であるそれらを、小野不由美氏は〈怪談〉と言う形に昇華させており、その中には余分な解釈や解説は存在しない。

体験者自身にも因果が無い故に、読者が〈ひょっとしたら自分の身にも起こり得るかもしれない〉と感じられる、そんなじんわりとした恐怖感を感じられるのは、今作の大きな魅力だろう。

長編小説『残穢』との関わりも

お気に入りの遊びは「ぶらんこ」。

今作は、『鬼談百景』というタイトルでありながら、収録されている怪談は99本しかない。

それもその筈、今作の100話目は、同時期に刊行された小野不由美氏の長編小説『残穢』なのである。

『残穢』は、小説家の〈私〉の下に読者から寄せられた〈不思議な話〉のルーツを追うと、全く異なる怪談が姿を表すというストーリー展開を見せる、ルポタージュ形式の長編ホラー小説だ。

作中ではボカされているが、諸々の描写から主人公の〈私〉とは著者である小野不由美氏自身であろうことが分かる。

そしてその〈私〉が『残穢』の中で『実話怪談集』を描いている描写があるのだが、それが即ち今作『鬼談百景』なのだ。

更に『残穢』には、そのストーリー展開上様々な〈怪談〉が登場する。

その怪談の中には今作『鬼談百景』に似たもの、もしくは同様のものが幾つか存在しており、両作品は非常に密接な繋がりを見せる。

更にその繋がりによる相乗効果で、『残穢』と『鬼談百景』のどちらにも現実味が増しており、より作品世界へとのめり込むことができるだろう。

是非とも、両作合わせて楽しんで欲しい。

解説は怪談界の生ける伝説〈稲川淳二〉氏

怪談はもともと怖くて、楽しいもの。

今作の解説を務めるのは、怪談界の生ける伝説〈稲川淳二〉氏だ。

氏の〈イヤだなぁ〜、怖いなぁ〜〉のフレーズは、もはや怪談にあまり興味がない人ですら聞いたことがあるのではなかろうか。

著名な怪談師である氏の怪談は、どれも抜群に怖く、しかしただ怖いだけでない〈楽しさ〉がある。

有名どころではあるが、特に〈生人形〉の話などは非常に怖くて面白いので、是非一度聴いてみて欲しいところ。

そんな稲川淳二氏の解説は、実に〈怪談〉への愛にあふれたものとなっている。

怪談を語りに語ってきた氏の、〈怪談論〉とでも呼ぶべき今作の解説には、一読の価値がある。

また、今作の作中には(おそらく)稲川淳二氏の朗読したであろう怪談が登場する話もあり、

そういった〈現実とのリンク〉が、読者により一層怪談を〈身近〉に感じる助けとなっている。

〈自分の身にも起こり得る〉という、にじり寄るような恐怖感が満喫できるだろう。

まとめ

小野不由美氏が読者の体験談をまとめ上げた今作は、非常に上質な〈怪談集〉となっている。

内容に〈嘘臭さ〉がなく、日常に即した描写が多いため、〈ひょっとしたら自分の身にも〉という恐怖感が味わえることは請負だ。

同時期に刊行された『残穢』とも浅からぬ関係のある作品なので、是非とも両作品ともワンセットで楽しんで欲しい。

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