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『天使の囀り』あらすじと感想【アマゾンの奥地に存在する、自殺を誘発する〈何か〉の正体とは?】

『天使の囀り』あらすじと感想【アマゾンの奥地に存在する、自殺を誘発する〈何か〉の正体とは?】

新聞社主催の〈アマゾン探索ツアー〉に参加した〈高梨光弘(たかなし みつひろ)〉。

極度の〈死恐怖症(タナトフォビア)〉であった彼は、しかしアマゾンから帰ってきた後、別人のように死を恐れなくなり、忌み嫌っていたはずの自殺を遂げる。

聖アスクレピオス病院のホスピスで、精神科医として勤務する高梨の恋人〈北島早苗(きたじま さなえ)〉は、彼の豹変や自殺に違和感を覚え、その原因を探り始める。

調査の中で明らかになる、ツアー参加者の相次ぐ自殺。

常人には考えられないような、異様な自殺を遂げた彼らは、アマゾンの奥地で一体何と出会ったのか。

調査を進める中で現れた〈天使の囀り〉という言葉は、何を意味しているのか。

そして日本で行われている、とあるセミナー。

コンプレックスを解消し、前向きになれるというそのセミナーは、〈天使の囀り〉とどのように関わってくるのか。

グロテスクでおぞましい、前人未到の恐怖小説。

こんな人におすすめ!

  • ホラー小説が好きな人
  • ミステリー小説が好きな人
  • グロテスクな描写に耐性がある人

あらすじ・内容紹介

聖アスクレピオス病院のホスピスに勤務する精神科医、〈北島早苗〉。

彼女は、死に向かう患者たちを常に気にかける傍で、新聞社主催の〈アマゾン探索ツアー〉に参加している恋人、〈高梨光弘〉の帰国を待ちわびていた。

待ちに待った帰国を果たした高梨を出迎えた早苗は、しかし彼の様子に違和感を覚える。

極度の〈死恐怖症(タナトフォビア)〉であったはずの高梨は、帰国後から人が変わったかのように死を恐れなくなっていた。

更に過食を繰り返し120キロを超える巨漢となった高梨は、とうとう最も忌み嫌っていたはずの自殺を遂げてしまう。

彼の豹変と自殺の原因を探り始めた早苗は、〈アマゾン探索ツアー〉の参加者たちが、皆一様に異様な自殺を遂げていたことを知る。

更に調査を続ける彼女は、〈天使の囀り〉なる存在と出会う。

一方、アダルトサイトの巡回とアダルトゲームを唯一の趣味とするフリーター〈萩野真一(はぎの しんいち)〉。

先の見えないその日暮らしの生活に精神をすり減らしていた彼は、インターネットに没頭する中で〈地球(ガイア)の子供たち〉というサイトに出会う。

不審に思いながらも、アダルトゲームのお気に入りキャラクターがサイトに掲載されていたことを理由に、真一は〈地球(ガイア)の子供たち〉の研修セミナーに参加する。

研修最終日、セミナーの主催者が〈聖餐〉と称する生焼けの肉を食べた真一の耳に、〈天使の囀り〉が聞こえ始め…。

前人未到の、恐怖小説。

『天使の囀り』の感想・特徴(ネタバレなし)

徐々に明かされていく謎と、その度に増す恐怖

天使の囀り

今作は、前人未到の恐怖を描いたホラー小説であると同時に、複雑に絡まる謎追うミステリー小説的な一面もある。

主人公の〈北島早苗〉の前には先ず、新聞社主催の〈アマゾン探索ツアー〉に参加していた恋人〈高梨光弘〉の豹変と自殺という、奇怪な謎が立ち塞がる。

それに違和感を覚えた早苗が、〈アマゾン探索ツアー〉の他の参加者の動向を調べる中で明らかになっていくのは、他の参加者も皆一様に異様な自殺を遂げているという事実。

高梨の死に関する違和感を辿る中で明らかになる〈他の自殺者〉という事実の恐ろしさ、その原因を探る中で、更に悍しい事実が顔を覗かせる、という構成は、見事の一言だろう。

原因を探れば探るほど、新たな恐怖が現れる恐ろしさとおぞましさを、じっくりと味わって欲しい。

見事に織り込まれる、著者の豊富な知識

巧妙に設計されたプログラムには、それほどサイズを必要としないということだよ

〈自殺の原因〉であり、アマゾンの奥地に潜んでいた〈何か〉。

〈天使の囀り〉という言葉で言い表される恐怖の原因は、現実にも有り得そうなリアリティを持って語られる。

詳細は伏せるが、その〈天使の囀り〉のリアリティを確固たるものにするため、今作には著者・貴志祐介氏の持つ様々な知識が動員されている。

その内容は、文化人類学から霊長類学、さらには有機化学や脳神経科学、生物学と非常にバラエティに富んでいる。

更に、それらの豊富な情報がただ羅列されているだけでなく、物語を盛り上げるために必要な情報を必要な分だけ盛り込むバランス感覚も緻密に計算されている。

これらの情報が、読者が置いて行かれることのない範囲で物語に組み込まれているため、読者は〈ひょっとすると、自らの身にも起こりうるかもしれない〉という恐怖を楽しむことができる。

読んでいく内に〈何か〉に蝕まれていくような恐怖が楽しめるはずだ。

〈命〉に向き合う、早苗の決断

そうね。本当に、きれいね

悍しい事実を眼前に突きつけられた早苗が最後に下す決断は、今作の大きな見所だろう。

ホスピス(終末医療)に携わる彼女は、仕事として日々〈人の死〉に向き合っている。

そんな彼女が、圧倒的な恐怖を乗り越えて最後に下す、結論と決断。

圧倒的なリアリティをもって描かれた物語だからこそ、彼女の決断は読者にとっても納得がいくものになっているはずだ。

かなり読者を選ぶ作品ではあるが、諦めずに最後まで読み切って欲しい。

まとめ

〈アマゾン探索ツアー〉参加者の自殺の謎と、その原因である〈天使の囀り〉の恐怖を描いた今作。

グロテスクな描写や、現実に類例が存在するが故の恐怖は非常に悍しく、かなり読む人間を選ぶ作品であることは間違いない。

また、読み切ったとしてもおそらく2度目を読むにはかなりの勇気がいる作品だろう。

しかし、裏を返せばそれだけの力強さをもった作品でもあるので、上質な恐怖を楽しみたい読者は是非1度読んでみて欲しい。

きっと、〈天使の囀り〉が自らを蝕む恐怖を体感できるはずだ。

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