1990年代に一世を風靡した、安野モヨコの漫画『ハッピー・マニア』。稲森いずみや藤原紀香によるドラマも話題になりましたよね。あれから十数年、この度なんと続編『後ハッピーマニア』が発売されました。破天荒な主人公“シゲカヨ”は、果たして幸せな結婚生活を送っているのか…!?
まずは『ハッピー・マニア』を知らない人のために、軽くご紹介しましょう。
物語の主人公は“恋の暴走機関車”ことシゲタカヨコ、通称「シゲカヨ」。すぐに男性と体の関係を結んでしまういわゆる“ビッチ”ですが、結婚願望は人一倍強いから厄介です。
連載ラストでは、カヨコにゾッコンな“フツーの男”タカハシと無事結婚。晴れて人妻となったものの、なんとなく結婚への不安も匂わせていました…。
そして今回注目した『後ハッピーマニア』では、24歳だったカヨコが45歳の“アラフィフ”に!!
しかもカヨコに夢中だったはずのタカハシが、離婚を切り出すところから始まるのでさらに驚きです。
ただ読み進めていくと、カヨコの欠点がまぁ出るわ出るわ…。
例えばこの女、新婚1カ月目ですでに他の男と浮気しているんですよ?
さらにはタカハシが「カヨコ、かわいいよ」と少しデレると、「なんだコイツきめぇ…」と心の中で言い放つ始末。
私だったら、好きな人に“かわいい”なんて言われたら泣いて喜びます(言われ慣れていないのでもしかしたら失神するかも)。
だからこそカヨコがわがまま放題なのを見ると、腹が立って仕方ありませんでした。
そして同時に恐怖を感じたのもまた事実。
最も忘れられないのが、別れを切り出されたカヨコが子どものように泣きじゃくるシーンです。
彼女自身なぜ泣いているのか分かっていないようで、「別れたくないのは、彼を愛しているから? それとも今の生活を失いたくないから?」と自問自答するばかり。
このカヨコの問いを受けて、私はふと思いました。
結婚ってなんて不自由なんだ、と。
結婚するということは、誰かと“生活を共にする”ということ。
つまりカヨコのように、“生活を失う怖さ”から身動きが取れなくなってしまう可能性もあるわけです。
これを自分に置き換えてみると、すごく恐ろしいことだと思いませんか?
もし結婚相手への気持ちが失われてしまったとしても、その人と“生活のため”に残りの人生を共に過ごさなければならないんですよ!
なぜなら年を取ってからひとりで生きていく自信もなければ、一から恋愛を始められる保証もないから。
こう考えると、45歳にして離婚を切り出されたカヨコの状況はやっぱり絶望的ですよね。
そんなことになるくらいなら一生独身のまま、マンガ喫茶に入り浸ってる方がマシかも。おひとり様上等です!!
そのことを強く認識させてくれた“反面教師カヨコ”、本当にありがとう。
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