目次
- 弱い奴は食われる(アシㇼパ/第1巻第1話)
- いくつになっても男子は刀を振り回すのが好きだろう?(土方歳三/第2巻第12話)
- オソマおいしい(アシㇼパ/第3巻第20話)
- やっぱり女は恐ろしい だが満足だ(二瓶鉄造/第4巻第28話)
- 揚げ物にしよう(白石由竹/第5巻/第42話)
- いいか 小僧ども この時代に老いぼれを見たら『生き残り』と思え(土方歳三/第6巻第55話)
- 私たちのこの旅に迷いなんか無い(アシㇼパ/第7巻第62話)
- 美しいものは残すべきだ(第9巻第86話)
- 心がずっと戦場にいる(杉元佐一/第10巻第100話)
- 子供は 親を選べません(尾形百之助/第11巻第103話)
- 私にはどうしても知りたいことがある 知るべきことを知って 未来の自分のために前に進むんだ(アシㇼパ/第12巻第113話)
- 俺の魂を抜きたきゃ もっとデカい傷が必要なのさ(第12巻第120話)
- 今夜は我々がシャチとなって狩りにいく(鶴見篤四郎/第13巻第130話)
- 我々は『脳みそ欠け友達』だな……(鶴見篤四郎/第14巻第138話)
- この世に生まれ落ちて命をどう使うか 私はそれでいい(土方歳三/第18巻第176話)
- まとめ
子供は 親を選べません(尾形百之助/第11巻第103話)
尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)は妾の子供で、父は尾形とその母を放置していた。
精神を病んだ母は幼い尾形に、冬の間自分を捨てた男が好んで食べていたあんこう鍋を材料が手に入る時期には毎日作り続けるようになった。
尾形はあんこう以外の食材があれば母の手を止められるかもと考え、古い銃で鳥を撃ち差し出すが、母はそれでもあんこう鍋を作り続ける。
そんな日々は、尾形が母に毒を盛ることで終わるが、葬儀くらいは母が想い焦がれた父が来るのだろうと思っていた尾形の期待は裏切られる。
やがて成長した尾形は戦地で異母弟・花沢勇作(はなざわ ゆうさく)と出会い、自分と違って両親に愛されて育った彼をも殺害する。
しかし尾形は異母弟を恨んで殺したのでない。
弟が死んだと聞かされたら、父はいままで顧みなかった妾の子を思い出すのか気になった、と動機を語るのだ。
親が子を選べない状態になったなら。
もし子が一人だけだったなら愛を得られたのかを確かめてしまった尾形。
彼の行為は恐ろしく、冷酷である。
しかし独白の中に挟まる回想の幼い尾形が手にするには猟銃は大きい。
愛され守られるべき年齢の子供が愛を知らずに育ってしまったがための悲劇。
この結果は必然だったようにも思える。
私にはどうしても知りたいことがある 知るべきことを知って 未来の自分のために前に進むんだ(アシㇼパ/第12巻第113話)
死んだと聞かされていた父がアイヌの金塊を奪った主犯かも知れないとの真偽を確かめるため、杉元らと旅を続けるアシㇼパ。
彼女は旅の途上で、生まれ育った村で帰りを待つ祖母・フチが「二度とアシㇼパに会えない」という悪夢を見たことで身心が弱っているとの伝言を受ける。
杉元はアシㇼパを案じ、一度帰ろうかと提案するが、アシㇼパは子供扱いするなと提案を退け、こう返答したのだ。
これまでも危険な目に遭っているにも関わらず、一度志したことは曲げない。
アシㇼパの強さ、見習いたいものである。
俺の魂を抜きたきゃ もっとデカい傷が必要なのさ(第12巻第120話)
不死身と呼ばれている杉元は、致命傷になり得るほどの深手を負いながらも生きている。
アイヌの葬送の風習では故人の持ち物に傷をつけて、持ち主があの世で使えるように魂を抜いてやることを引き合いに出し、杉元は自分の魂を抜くほどの傷は未だに負っていないと体を解す按摩に語るのだ。
アシㇼパはそれを傍らで聞き、「魂が抜けるのはこの世での役割を終えたから」と言い添える。
まだこの世ですべきことがあるのだと、アシㇼパは杉元に言う。
二人の年齢と立場を越えた信頼の深さが垣間見える台詞である。
またこの考え方は「天から役割なしに降ろされた物はひとつもない」との言葉が各巻ごとにソデ部分に入っているのと相通ずる。
アイヌの教えは生きる上で困難に直面した時、迷った時の灯のような力強さがある。
今夜は我々がシャチとなって狩りにいく(鶴見篤四郎/第13巻第130話)
杉元や白石が金塊の在処を見つけ出したところで情報を奪いに行こうと計画していた鶴見中尉が、駆逐艦を使い大々的に攻撃に出た時の台詞。
シャチ同士が殺し合った後でその死骸を漁りに行く気色悪い生き物であったほうが痛手は少ないと動向を見守っていた鶴見だが、ここぞの場面では総力戦を仕掛ける。
手を打つべきところでは即座に動く。
その姿は指導者としての魅力を備えている。
我々は『脳みそ欠け友達』だな……(鶴見篤四郎/第14巻第138話)
鶴見篤四郎が金塊を巡り敵対していた杉元にかけた言葉。
昨日の敵は今日の友とは時折目にする言葉だが、第1巻で拷問してでも口を割らせようとした相手に言い放つところが独特過ぎる。
因みに脳みそが欠けても存命していた事例はあるが、性格が変わってしまったりするのだそうである。
日常でこの台詞を使う場面はないだろうが、さらりと伝わりやすいフレーズで関係性を固定しようとする鶴見中尉の人たらし術が集約されている。
対人関係というあやふやなものを先手で言葉に表し、己のいいように誘導する手腕に優れたある種のカリスマ性が見て取れる一言。
この世に生まれ落ちて命をどう使うか 私はそれでいい(土方歳三/第18巻第176話)
入れ墨の囚人・関谷輪一郎(せきや わいちろう)の奸計により攫われた土方歳三。
関谷は善良な男だったが、すぐ隣を歩いていた愛娘を落雷で失ったことが切っ掛けで、毒を駆使して人の運を試すようになった。
己の命は助かり、娘の命が奪われてしまった事で神を信じられなくなった関谷は、毒と無毒の丸薬を織り交ぜて標的に定めたものに飲ませ、犠牲となるものの運を試す行為を繰り返す。
土方にもトリカブト、ストリキニーネ、フグ毒、青酸カリを仕込んだ蚕の繭を選択させ飲ませたが、土方は度胸と若いころの薬売りの知識を駆使し、毒の効果を相殺する手を密かに打ち生き延びた。
瀕死だと油断していた土方の一刀で致命傷を負った関谷は、ようやく下された神の裁きだと言って事切れる。
その亡骸を前に、土方は「神のことはよくわからん」と言い、この台詞を口にする。
残酷な現実を前にすると、関谷のように人の思惑を超えたもののせいだと片付けたくなる時もある。
しかし土方は、経験と度胸が運命を引き寄せた、とどこまでも能動的で現実的である。
まとめ
以上、『ゴールデンカムイ』の名言を厳選して15個紹介した。
ここに上げたのはごく一部だ。
一巻ごとに名言・名場面・変顔・笑える場面のゴールドラッシュな『ゴールデンカムイ』。
大人な諸氏にはぜひお手に取って頂き、北海道からロシアに及ぶ血沸き肉躍る冒険活劇をご堪能頂きたい。
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