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官能表現を最奥まで味わうために出来ること
官能小説において、重要なのは独特の言語感覚だ。
鍛錬によって培われた語彙力と表現のみが、脳裏にある映像の解像度をグッと高める。
「官能小説用語表現辞典」のあとがきにはこう記されている。
官能小説ではとくに作家と読者の感性の呼応が必要です。官能小説はイマジネーションの世界であるからです。
ある表現によって、どれだけイマジネーションを広げ、深くして、体感をつけられるかは、読み手の感性によるところが大きいのです
これは本だけではなく、音楽にも同様のことが言えるだろう。
歌詞という言葉の糊代が広いものだからこそ、聴き手も想像力をフルに使って、時には邪推をしながら音楽を紐解いていく必要があるのではないだろうか。
文字や音を媒介にして情報を得るならば、人との対話や映像作品以上に、ちゃんと向き合い考えることが求められる。
セックスも、読書も、音楽を聴くことも、例外はあれど、基本的には一対一のコミュニケーションだ。
深く理解しようとする姿勢が双方の孤独を融解し、一つにする。
おわりに
あいみょんの歌詞は時に繊細で、驚くほどに大胆だ。
人間味ある欲望が滲み出ているのに、それを包むオブラートが甘味で怖いほどに病みつきになる。
その上、シンセサウンドのなだらかさ、ロックサウンドの荒っぽさの両面を使い分けているのだから、官能表現があっても年齢性別問わず多く人に刺さるのだろう。
感興そそる歌詞と音はまだ果てが見えてこない。
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