かつて、世界を守るために戦った男がいた。
男の名前は、〈剣崎一真(けんざき かずま)〉。
彼は〈仮面ライダー剣(ブレイド)〉に変身し、不死の怪物〈アンデット〉を封印するために奔走した。
彼を取り巻くのは、幾度となく対立しながら、次第に心を通わせていった仲間達。
激しい戦いの末、最後の1体〈ジョーカー〉を残した、全てのアンデットを封印することに成功した剣崎達。
しかし、〈ジョーカー〉が勝ち残ってしまったが故に、世界は滅びかける。
そんな世界と、〈ジョーカー〉の想いを救うため、1つの決断をした剣崎は、世界を救った末に皆の前から姿を消した。
それから300年後。
自らが何物かを忘れてしまった〈ケンザキ〉は、過酷な状況で生きる人々をアンデットの脅威から救うため、〈仮面ライダー剣〉として再び立ち上がる。
特撮テレビドラマ『仮面ライダー剣』の300年後を描いた新たなる戦いの記録‼︎
こんな人におすすめ!
- ヒーローが好きな人
- ディストピア小説が好きな人
- 『仮面ライダー剣』を視聴済みの人
あらすじ・内容紹介
かつて、〈仮面ライダー剣(ブレイド)〉として不死の怪物〈アンデット〉と戦い、世界を救った男がいた。
男の名は、〈剣崎一真〉。
人々を救うために奔走する彼は、徐々に多くの仲間達に慕われるようになっていく。
クールでかっこいい先輩ライダー、〈橘朔也(たちばな さくや)〉。
普通の学生でありながら、力を手にしてしまった〈上城睦月(かみじょう むつき)〉。
そして、最凶のアンデット〈ジョーカー〉でありながら、人の心を持ってしまった〈相川始(あいかわ はじめ)〉。
時に対立し、時に傷つけ合いながらも、彼らの間には確かな絆が芽生えていった。
しかし、〈ジョーカー/相川始〉を除く全てのアンデットの封印に成功した時、破滅の幕が開いた。
〈ジョーカー〉が最後の1人になれば、地球上の生態系はリセットされる。
剣崎は、地球に生きる人々と〈相川始〉の双方を救うため、とある決断をする。
人ならざるものへと変貌した剣崎は、〈相川始〉に人間達の中で生きるように言い残すと、何処かへ姿を消した。
そして、2度と仲間達の前に姿を見せることはなかったのだった。
時は流れ、300年後。
自らが何物であるかも忘れてしまった〈ケンザキ〉は、過酷な状況で生きる人々を救うために、〈仮面ライダー〉として再び立ち上がる。
一方、〈天蓋都市〉と呼ばれる格差社会の底辺に暮らす人々の中には、〈相川始〉の姿があった…。
新たなる脅威を前に、仮面ライダー達が再び立ち上がる‼︎
『小説 仮面ライダーブレイド』の感想・特徴(ネタバレなし)
300年を経て蘇る、仮面ライダーたちの活躍
変身!
永き封印から蘇った怪物〈アンデット〉と、アンデットを再び封印するために立ち向かった〈仮面ライダー〉たちの戦いを描いたテレビドラマ『仮面ライダー剣』。
物語の最後、主人公の〈剣崎一真/仮面ライダー剣(ブレイド)〉は、とある決断をした。
最凶のアンデット〈ジョーカー〉でありながら、人の心を持ってしまった〈相川始/仮面ライダーカリス〉。
最後に生き残ったアンデットが〈ジョーカー〉1人になってしまった時、地球の生態系はリセットされてしまう。
始が人間達の中で暮らせるようにするため、剣崎は自ら不死の怪物と化し、仲間達の前から姿を消した。
今作では、それから300年後の未来を描いている。
世界は荒廃し切ってしまい、唯一の安全に暮らせるであろう土地〈天蓋都市〉はあまりにも過酷な格差社会となっている。
そんな世界に再び迫る、アンデットの脅威。
人々を守るため、再び立ち上がる剣崎と始の姿からは、目が離せない。
更に、かつては〈橘朔也〉が変身していた〈仮面ライダーギャレン〉と、同じく〈上城睦月〉が変身していた〈仮面ライダーレンゲル〉も再び登場する。
変身者は、かつての橘と睦月を思わせる男、〈タチハラ〉と〈サツキ〉。
新たな仮面ライダーとして戦うことを選んだ彼らの覚悟も、今作の要注目ポイントだろう。
(特に〈タチハラ〉に至っては、〈そんなところまで似なくても〉という部分でも橘さんを思わせるので、その辺りも注目していると楽しいかもしれない)
〈統制者〉との戦い
封印の石……またの名を、統制者!
『仮面ライダー剣』という作品の中で、唯一誰も抗うことができなかった絶対的な存在、〈統制者〉。
世界のルールのような存在であったこの〈統制者〉は、今作において意思を持った存在として襲い掛かる(おそらくは賛否両論ある展開だが、否定派の人であっても満足できるシーンんが控えているので、まだ待ってほしい)。
『仮面ライダー剣』のテレビ本編において、沈黙を貫き続け、何事も語ることのなかった〈統制者〉の意思が明かされるのも、今作の大きな見どころだろう。
あまりにも強大な敵である〈統制者〉の恐ろしいまでの力と、それに立ち向かう4人の仮面ライダーの雄姿を、じっくりと楽しんでほしい。
剣崎一真と相川始、2人の結末
もうすぐ夜が明ける
何度も傷つけ合いながら、しかし徐々に互いを信頼し合い、深い絆で結ばれていった剣崎一真と相川始。
道を違え、2度と出会うことはなかったはずの2人の本当の結末が描かれているのも、今作の大きな魅力だ。
たった1ページ、ほんの7行の結末ではあるが、このページを読んだだけで全てが報われたような気持ちになるはずだ。
この1ページだけでも価値のある作品であるため、1度だけでもまずは読んで見てほしい。
きっと、満足できるはずだ。
まとめ
『仮面ライダー剣』本編から300年後という、遙か未来での戦いを描いた今作。
それ故、テレビ本編から続投するキャラクターは〈剣崎一真〉と〈相川始〉の2人だけである。
しかし、〈橘朔也〉や〈上城睦月〉を思わせる〈タチハラ〉と〈サツキ〉が登場し、〈ギャレン〉や〈レンゲル〉に変身するため、〈4人の仮面ライダーが並び立つ〉という熱い展開を見せてくれる作品となっている。
更に、本編では悲痛な別れで終わるしかなかった剣崎と始の、希望の残る結末が描かれるなど、本編を見ていた読者にも確実に刺さるシーンもあるので、〈あまりにも本編から時間時空が離れすぎている〉と敬遠することなく、まずは1度読んで見てほしい。
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