“人は良いけどいろいろと上手くいかない子”と“計算高いけどきちんと幸せを掴んでいる子”。
ドラマや漫画などでありがちな対比ですが、そんな人たちを見ているとふと思いませんか?
人生はしたたかに生きたもん勝ちではないか、と―。
※漫画表紙画像の真ん中がしずかちゃん
たとえば『ドラえもん』(小学館/以下同)のしずかちゃんは、心優しい優等生ヒロイン。
可愛くてしっかり者のうえ、勉強もできるみんなの人気者です。
いじめられっ子ののび太にも分け隔てなく優しく接し、まさにヒロインの鑑! と言いたいところですが、じつはかなりしたたかな女でした。
しずかちゃんは日和見主義!?
スネ夫のお金持ちイベントに対して、のび太だけのけ者にされる展開はお決まりのパターン。
その際のしずかちゃんといえば“仲間外れなんて可哀想よ!”と助け舟を出すイメージがありますが、たまに異議を申し立てることなくしれっとイベントに参加することも。
案の定のび太はドラえもんの道具を使って仕返しする流れになるものの、なぜかしずかちゃんだけは仕返しの対象から外されています。
逆にのび太がしずかちゃんだけを誘い、ジャイアンとスネ夫をのけ者にした時もまた然り。
やはりここでも仕返しされるのはのび太だけで、しずかちゃんはこれといってお咎めありません。
そう、しずかちゃんはいつだって高見の見物。
加えて意外と日和見主義なのです。
“いい子な部分”もきちんと作るあざとさ
…かと思いきや、“いい子”な部分もきちんと見せるしずかちゃん。
たとえば単行本29巻では、「このゲーム3人までしかできないんだよ」と意地悪したスネ夫に対して
「いつもそんなこといって、のび太さんを仲間外れにするなら、あたしも帰るわ」
と言って帰ったことも。
どちらにつこうと咎められない彼女の専売特許は、この絶妙な塩梅から成り立っているのでは?
半端ないセルフブランディング力
恋愛の格言に“男を掴むなら胃袋を掴め”というものがありますが、もちろんしずかちゃんはその辺も抜かりありません。
たとえば単行本40巻では、しずかちゃんが「とってもおいしいクッキーをやいたの。よかったら、たべにきて」とのび太たちを誘う一幕が。
“とってもおいしいクッキー”と明言しているということは、自分が食べておいしいと感じられるレベルのものが焼けたため。
さらにそこから焼き上がりに自信がついたのか、『ドラえもん プラス』6巻では「4時ごろ焼けるからきてくれない?」と焼きたてを振る舞うまでに。
優しくて可愛いうえにお菓子作りまで上手… という理想のしずかちゃん像を確立させていました。
他にもじつは“馬好き”というギャップを持ち合わせていたり、虫や雷などを怖がる女の子らしい一面を覗かせたり…。
男心を掴む要素をばっちり押さえ、今や国民的優等生ヒロインとなったしずかちゃん。
もちろん真っすぐに生きることも大事ですが、人生を上手く生きるためには時に“したたか”になることも必要なのかも。
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