もし愛する夫がとんでもないオタクだったら、どのように向き合っていけばいいのだろうか―。
その疑問を解決すべく、今回注目したのが安野モヨコのエッセイコミック『監督不行届』(祥伝社)。
安野モヨコといえば『ハッピー・マニア』(祥伝社)や『働きマン』(講談社)などを手掛ける人気漫画家で、彼女の夫といえば人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズで知られる庵野秀明です。
そんなアニメ界と漫画界のビッグカップルを題材にした漫画から、オタクの習性を読み解き、オタクと上手く付き合うコツを学んでいきましょう。
普通の人と一緒にいたらオタク度も中和する?
まず同書に登場するオタ嫁(オタク夫を持つ妻)の夫・カントクくんは、仮面ライダー大好きの特撮オタク。
いったいどれほどのオタクっぷりなのか。ほんの一部ですが、以下のように習性をまとめてみました。
- 漫画に登場する擬音や台詞などを日常生活で口にする
- 試着の度に各種ウルトラマンポーズをかます
- 「そ… そんな!!!」や「そ… そうだったのか!!」と驚いた時にわざとどもる
- 棚を決める時の基準はcmではなく、1KR(仮面ライダー)=38cm
- コレクションに囲まれてうっとりする。それがオタクの幸せ
- ゆえにインテリアとオタクは相反する
- 普通にテレビと会話してしまう
- 自分の好きなもののためなら、時に凄い根性を発揮する
- 芸能人には疎いが、自分の好きな作品に出演していた役者には敏感etc…
たとえばここで普通の人と長年付き合っていれば、自然と相手のオタク度も中和されていきそうな気がしますよね。
しかし残念ながら同書を読む限り、そのような甘い考えは通用しないようです。
むしろ一緒にいて影響を受けるのは、オタク度の低い相手。
中和するどころかオタク度はより高濃度になっていき、しまいにはそのオタクっぷりが相手にも伝染し始めます。
気づけば自分も擬音や漫画の台詞を発していたり、いつの間にか夫と一緒にニチアサを観ていたり…。
オタクたちはいつだってgoing my way! つまり我が道を行く生き物なのです。
オタ嫁は馴染んだ方が数倍楽しい!
ではそんなオタク夫を持った場合、オタ嫁はどのように向き合えばいいのでしょうか。
同書を読んで見えてきた答えは、抵抗してストレスを溜めるよりも馴染んだ方がラクということ。
たとえば車内でひたすらアニソンや特撮主題歌が流れるからといって、ブーブー文句を垂れていてはかえって損です。
それよりも今ある環境を受け入れ、時に夫と一緒になってアニソンを熱唱する方が100倍ラクだし、楽しい。
旦那が何かのキャラになりきっていたらとことん演技に付き合ってあげ、時に「そ… そんな!!」などとわざとどもってあげると良いでしょう。
すると、あら不思議。自ずとオタ嫁も悪くないと思えてくるはずです。
少なくとも私の目には、同書で描かれたクリエイター夫婦の日常がとても楽しそうに映りました。
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