漫画『ジョジョの奇妙な冒険』で、腐女子の私をドハマりさせた岸辺露伴(きしべ ろはん)。彼が主人公の小説『岸辺露伴は叫ばない』が実写ドラマ化されるということで、さっそく読んでみることにしました。
そもそもなぜ私が露伴に惹かれたのかを説明しましょう。
岸辺露伴といえば、名セリフ「だが断る」でお馴染みの人気漫画家です。セリフに象徴されるとおり、かなり負けん気の強い性格でズバズバと物申すタイプ。
言ってしまえば、協調性のない自己中心的な男なのです。
… だがそこが良い。
なぜなら露伴のような不器用な男を「受け」にするのが私の大好物だから。
そんな露伴が主人公の小説『岸辺露伴は叫ばない』は私にとっては“至福”でした。
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ小説なので、ジョジョを知らない人には少々没入しづらい作品ではあります。しかしジョジョワールド全開の同作にハマる人はハマるはず。
短編小説集ですが、今回はドラマ化されるという「くしゃがら」をピックアップ。作品を紹介しつつ、露伴の魅力を語っていこうと思います。
まず「くしゃがら」とは、露伴の同僚漫画家・志士十五(しし じゅうご)が担当編集者に使用を禁じられた“禁止用語”の1つ。
誰に聞いてもこの言葉の意味が分からず、十五は次第にその「知的好奇心」に心身を蝕まれていきます。
十五の異様な様子を察した露伴は、スタンド「ヘブンズ・ドアー」を使って彼を「本」に。
するとそこには得体の知れない「何か」が蠢いていた―。
とまあ、同話のあらすじはこんな感じです。
ジョジョらしい独特な世界観も魅力的ですが、やはり何と言っても露伴×十五がたまりません。
露伴に生意気な態度をとる十五と、彼を足蹴にする露伴。
作中では終始バチバチと言い争っているものの、実は心の中ではお互いを認め合っている仲なのです。
たとえば十五の心情描写の中には次のような一文が。
志士十五は、岸辺露伴という人間が、その漫画が好きだった。
んもう!! やっぱり好きなんじゃない!! 大好きなんじゃない!! ってもう大興奮です。
さらに露伴も十五について
実のところ、ひとりの漫画家としては、露伴はこの男が嫌いではなかった。
な~んて思っているわけです。
…はあ、尊い。
あの強情な露伴に“嫌いではない”とまで言わしめる十五って!!
途中まで「やっぱり露伴は受けだな!」と思っていた私も、この一文を呼んで「露伴は意外とヘタレ攻めなのね!」と確信しました。
露伴の場合、俗にいう“消極的なヘタレ”というよりは不器用がゆえの“ヘタレ”ですね。
自分の感情をうまく表せないけれど、男としてのプライドを捨てきれない。
その結果、不器用なヘタレ攻めになってしまうというタイプ。
本当に愛おしい限りです。
ちなみに実写ドラマでは、露伴役を高橋一生、十五役を森山未來が演じるそう。
ドラマで興奮しすぎてしまう前に、まずは小説を読んで心の準備を整えてみては?
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