みなさんは、ネット上で“横溝ヒロイン総選挙”なるものがおこなわれているのをご存知でしょうか。そしてその中で、ホラーの金字塔『八つ墓村』(KADOKAWA)に登場する女性キャラが人気なことを―。“八つ墓村の女性キャラは全員可愛い”という噂を聞きつけて、さっそくいい歳したアラサー男子が同書を読破しました。
そもそも『八つ墓村』とは、作家・横溝正史が手がける“金田一耕助ファイル”シリーズの1つ。
基本的に、主人公・寺田辰弥(てらだ たつや)の一人語りによって物語は進んでいきます。
物語の舞台となる八つ墓村は、鳥取県と岡山県の県境にある山中の一寒村。
欲に目の眩んだ村人たちが8人の落ち武者を惨殺して以降、その村に不祥の怪異が襲いかかるようになりました。
そんな村の因縁に巻き込まれたのが寺田辰弥であり、その先で出会ったのが金田一耕助。
もちろん八つ墓村で起こるおどろおどろしい事件や真相もじつに興味をそそられる内容でしたが、今回のお目当ては何といっても女性キャラです。
たとえばファンの間で特に支持されているのが、里村慎太郎(さとむら しんたろう)の妹・里村典子(さとむら のりこ)。
いったいどれほどの美女かと思いきや、彼女の容姿については以下の通り。
無邪気といえば無邪気だが、いくらか足りないのではないかと思われた。額の広い、頬のこけた女で、なるほど美也子のいったとおり、私とひとつ違いとはどうしても見えない。と、いってそれは若々しいという意味ではなくて、成熟しそこなったという感じである。
上記の文章を読んだ時、少々がっかりしたというのが正直な気持ちでした。
ところが物語が進むにつれて、典子の最強妹キャラが垣間見えるように。
というのもこの典子という女性、主人公のことを「お兄さま」と呼ぶのです。しかも日陰に咲く花のような弱々しい姿で。
極めつけは、辰也と典子が鍾乳洞付近でばったり遭遇したシーン。
「あら、お兄さまだわ」と嬉しげな声を立てるなり、典子がすがりついてくるというのだから羨ましい。
つまり彼女のポイントは、守ってあげたくなる妹属性。
(完全なる持論ですが)読者が寂しい独身男子であるほど、凄まじい破壊力でハートを抉られます。これは典子が人気なのも納得。
また個人的には、姐御気質な森美也子(もり みやこ)もかなりツボです。
彼女は典子と真逆のタイプの女性で、その容姿は辰也も息を呑むほどの美しさ。
都会でだってそうざらには、お眼にかかれないような美しいひとだった。いやいや、美しいのみならず、都会的に洗練されつくした技巧が、ちょっとした身のとりなしや、口のききかたにもうかがえるのだ。
加えて世話好きな姐御肌ときたら、説明しなくても彼女の魅力がわかりますよね。
男はみなサバサバした美人に弱いのです。そして私も美也子姐さんにお世話されたい!
謎の連続殺人事件が村を襲う一方で、恐怖とはまた違った意味での“ドキドキ”を楽しんじゃいました(笑)。
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