サイコパス系小説が好きと発言し、少々バズった女優の浜辺美波ちゃん。「20歳の女の子が設定盛りすぎじゃない?」と思った私は、試しに美波ちゃんがおすすめしていた『怪物の木こり』を読んでみることにしました。
きっかけは美波ちゃんが『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に、“本棚が独特な女”として登場したこと。
公式サイトでは「可愛らしい容姿からは想像できない本の趣味」なんて紹介されていました。
これに「どうせギャップ萌えでも狙ってんだろ…」と荒んだ感想を抱いた私は、その化けの皮を剥がすべく『怪物の木こり』を読んでみることに…。
同作は2019年『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した倉井眉介のミステリー小説です。
主人公は感情の無いサイコパス弁護士・二宮彰(にのみや あきら)。
脳みそを奪っていくシリアルキラー“脳泥棒”に殺されかけた二宮は、相手を殺すためにその正体を探り始めます。
サイコパス弁護士VSシリアルキラーの戦いを描いた同作ですが、まず一気にラストまで読ませる物語の勢いにビックリ。
26年前の誘拐事件や保険金殺人疑惑などが複雑に絡み合い、すべてが明かされていく様子は爽快です。
また個性的なキャラクターが多数登場するのも魅力。
私的にお気に入りのキャラクターは捜査一課の女性刑事・戸城嵐子(としろ らんこ)と、二宮の友人・杉谷九朗(すぎたに くろう)です。
正義感が強くて大人になりきれない嵐子。しかし嵐子の追う被疑者が過去に犯罪被害者だったと判明する場面で、嵐子は
「世の中には事情を抱えた犯人なんていくらでもいるんですから。わたしたちはただ悪いことをしている奴を片っ端から捕まえていればいいんじゃないですか?」
と言い放ちます。
犯罪を取り扱った小説ってやたらと意義とか意味を追い求めるものも多いので、この嵐子の意見には共感してしまいました。
あれってちょっとイライラするんですよね。グダグダ言わずとりあえず捕まえんかい、と。
対して医師の杉谷は、
「いわゆる幸せというものを体験するため」
という理由から、人間の脳みそをいじっているマッドサイエンティストです。
ただし外面は“人気・実力・ルックス”の三拍子揃った人物。闇を抱えたイケメンって、どうしても惹かれてしまいませんか?
もし実写化するなら、ぜひとも田中圭に演じて欲しい。
さて肝心の内容ですが、正直思ったより刺激がたりないかも? ミステリーとしてとても面白いのですが、サイコパスかと言われると「そこまでか…?」という感じ。
うーん… サイコパス度は1つ!(★☆☆)
心底ぞっとするサイコパスを読みたい方には、確実に物足りないでしょう。
最後にこの小説がとても好きだという美波ちゃんに、「キャラ付けでは?」という感想を抱いたことを謝ろうと思います。
サイコパスかどうかは置いといて、確かに面白かった。
横浜流星くんとドラマでイチャイチャしてるからっておばさん捻くれた見方をしてました、ごめんなさい。
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